2017年12月以前の 日常つれづれに


 2018年(平成30年)9月3日

やっと9月です。とんでもなく暑かった7月、8月。絶望的な思いで空を見上げると、抜けるような青い空、綿菓子のようなフワフワの雲、そして容赦なく照りつける太陽に圧倒されてしまうのです。
亜熱帯を原産国とする観葉植物は、わが意をえたりと、この太陽を謳歌し、ハイビスカスの花は、真っ赤な花を次々と咲かせ、今なお衰えを見せません。私の疲れと裏腹です。


こんな8月の日々を「ボーッ」と過ごしてしまいました。外出もひかえ目だった事もあり、おかげ様で、久しぶりに高校野球に明け暮れ、一喜一憂し、釘づけでした。
テレビの画面に映る球児たち・・・暑さをものともせず、球を追う姿、熱戦を繰り広げるひたむきな美しさに、ちょっと参りました。
我が故郷も、昔から高校野球の強い県でしたので、子供の頃から大人達に混じって、馴染んでいました。高校の頃は、県予選の応援に駆り出されたものです。

そして、その後、30才代は、よく甲子園に行きました。故郷の高校が、準々決勝ぐらいまで進むのを見計らって行くのです
丁度、PLの桑田・清原コンビの時代でもあり、面白さも格別でした。スタンドの応援もPLは見事でした。
準々決勝は、その頃、1日4試合ありましたので、朝8時過ぎから夕方6時過ぎまで、メチャクチャ値打ちがあります
アルプススタンドも、内野席も、外野席も応援の人々の熱気が夏の暑い日差しをも飲み込んで、球場が一体となり燃え上がるのです。
あの雰囲気は特別なものだと思います。「私も若かったナァ~。」とついつい昔を懐かしんでしまいます。
この夏も又、人々に熱い感動を与え、日本中が元気をもらいました。

もう一つ、私の身にも大きな喜びがありました。
以前、この「つれづれ」で山本有三の話を書いたことがあります。
山本有三の本を貪るように読んだのが高校の図書館でした。周りはみんな勉強している館内で、ひたすら読みふけったのです。古く、破れている部分は街の本屋さんで立ち読みをさせてもらった事を明確に憶えています。
女の細やかな心のひだが、美しく哀しく描かれているのです。高校生の私が、これらの作品に深いものを感じたのですから、今から思うと褒めてやりたいと思ってしまうのです。
全て、図書館で読んだので、私の手元に1冊もないのです。せめてどうしても「女の一生」だけは・・・と気にかかってしまっていたのです。

数年前、本屋さんで探し、ネットでも調べたのですが・・・。
こんなに有名で、よく読まれたにもかかわらず、近年は読まれなくなり、今や絶版になっている・・・ことに驚きました。
8月ある日、ある方が、その「女の一生」上・下を携えて花染に来て下さったのです。表紙を見ると「三鷹市・山本有三記念館」と書かれていました。その記念館が出版しているものを取り寄せて下さったのです。
手を尽くして、いろいろな方面を探して下さっていたのです。

人とのご縁は本当にありがたいです。まだまだお若い40才くらいの方ですが、気持ちを優しく汲み取るお人柄にも感動しました。こんな喜びは、めったにあることではないと思うと涙が溢れそうでした。
「山本有三」がこのようにして読み継がれ、三鷹市によって守られていることに安堵したのです。
高校生の私と、今の私と・・・。読み込む力量は多少なりとも深くなっているだろう事を念じつつ、ページをめくります。
10代の私は、その後、夏目漱石へと移っていくのです。

9月は展示会を致します。


エスニックの布と道具を集めて
小島鉄平のスリップウェアの器
2018・9・18〔火〕 - 9・29〔土〕
10:30 - 17:30  23日〔日〕・24日〔月〕休み

  

世界中の人々が暮らしの中で使ってきた布や道具。儀式の折に身分の高い人が身につけた布。特にアフリカ、中近東、インド、東アジアの人々の手仕事によるものを、たくさん扱って来ました。
古いものは手に入りにくくなりましたが、今なお、脈々と手仕事は受けつがれているのです。発想を新たに、暮らしに照らし合わせ、お選び頂けるると嬉しいです。
  
  
 (左)アフリカ椅子
 (右)インド帆船のおもり
 敷物・草ビロード
 コートジボアール バウレ族の椅子
 インドネシアの刺繍布
4点とも古いものです。 

小島鉄平さん。彼との出会いから約2年。作品に出会わせて下さった事は大きな出来事でした。話の中から、人格、物作りの姿勢に興味がわいたのです。たまに出会う彼の折々の雰囲気が、なぜか気になってしまうようになり、素敵な若い作家として捉えたのです。
スリップウェアの作品にこめる思いを、彼の思いをお伝えできれば嬉しいです。
花染では初めての展示会です。小さな展示会になりますが、それだけ凝縮していると思って下さいませ。とても楽しみにしています。まだ暑さの残る日々ですが、ぜひお出かけ下さいませ。

     


そうそう先日木村拓哉・二宮和也の「検察側の罪人」を見てきましたヨ。
映画の終盤、南方戦線・インパールに結びつけたのは、ちょっと無理があった気もしますが、必要不可欠な、作者の思いがあったのかもしれません。
物事を深く知る事は、人間の悪を知ることに繋がる・・・との思いは、私の中では除外することの出来ない事実なのです。

それにしても季節の変わり目が、とてもあいまいになりました。それでも秋の気配が1ツ1ツ目にとまります。山側から吹く風は湿気と冷気を帯び、道端のすすきの穂が揺れ、赤とんぼが暑い日差しの中を勢いよく飛び、虫の声が、草むらから弱々しく聞こえる。
ひっそりと季節が進んでいます。

9月18日〔火〕からの展示会の頃には、秋の風情を感じる光景であって欲しいものです。
お元気でお会いできますことを楽しみに致しております。
夏の疲れが出る頃です。くれぐれもを大切にお過ごし下さいます様・・・。



 2018年(平成30年)8月8日

何と言う暑さでしょう。いろいろな表現がされている今年の夏は、人間の英知をも狂わせてしまいそうです。6月の地震、7月の豪雨によって被害を受け、立ち直ろうとする人々を容赦なく襲うのです。
大切に育んできた暮らしを失い、途方に暮れる姿。そしてボランティア、地域の人々の大きな力...。居たたまれない辛さにさいなまれます。
美しい自然は、一歩間違うと大きな災害を招く事を、毎度知るのです。人災の部分が多いのです。経済を優先し利便性を追い求めた先にある幸せは、いったい何なのでしょう。皆な分かっているのに、どうしようもなく自然が壊させ、守るべきものが守られていないのだと思ってしまうのです。

新聞の片隅に小さな記事を見つけたのが7/13(金)。
PEACE●NIPPON(ピース・ニッポン)の映画の記事でした。小さな記述ながら瞬時に心が捕らわれてしまったのです。

  

京都・大阪・神戸3大都市での短期間の上映でしたので、即刻7/15(日)期待を胸に出かけました。
胸ふくらませ、映画が始まり、プロローグから一瞬にして心を鷲掴みにされてしまったのです。日本人の奥深く流れる精神性が美しい映像となり、古来より脈々と受け継がれてきたDNAを呼び起こすのです。

美しい日本を知らない子供達・美しい日本を忘れかけている大人達に贈る...。極上の映像によって次々と写し出される美しき国土。地球の成り立ちからしても、日本列島は奇跡の列島なのです。

この小さく細長い国土に凝縮された四季色折々の自然、山は険しく、川は急流をなし、奇跡が奇跡を作り、今の日本列島となっているのです。この圧巻の絶景、この映画をすべての日本人に、世界の人々に見て欲しいのですこの映像で体感する2時間余りは、日本人である事を誇りに思い、心打たれるのです。

挿入歌「ふるさと」...歌詞とメロディーが持つ絶大なる精神に参ってしまいました。「いかにおわす父母・・・つつがなしや友がき・・・」、不覚にも涙が溢れました。悲しいのではなく、この美しい日本に生まれ育まれ、成長してきた軌跡が画面とともにオーバーラップし、胸に迫るのです。
野が山が川が、そして父母が...。語り尽くせません。どうしても、もう一度見たい、そして出来る事ならDVDが欲しい...。そして何より監督に、スタッフに敬意を表したい。製作8年、壮大な日本であるのです。

そんな折、丁度、時を同じくして、朝日新聞「人生の贈り物」は「志村ふくみ」さんでした。このコーナーは何時も楽しみに読ませていただいているのです。
7/10~7/20 全9回。美しい染織家の人生です。人間国宝・文化勲章受賞。随筆家...として著書も多いのです。

民藝の先人達とも深いご縁で結ばれていた関係で、2度お目にかかった事がありました。ふくよかなそのお姿、佇まいは、仕事一筋に偏らず、より一層深い柔軟な豊かさをお持ちなのだナァ~と、あこがれにも似た感情でながめた事を思い出します。

15~6年くらい前、滋賀県立美術館で、集大成とも言える大がかりな、展覧会が催され、拝見させて頂きました。「こんな色がどうして...こんな織りがどうして...」とあまりの美しさに時を忘れてしまいました。
近江・琵琶湖の湖面の色、空、自然を...そして後年(1968年から)お過ごしになられた京都・嵯峨野の自然を、自然からの生命を作品に託し、表現なさったのだと、つたない私の頭で考えました。
彼女の優しくて深い息使いが、作品のそばに居ると聞こえる。才能に恵まれ、稀有の感性をつむぎ、ご苦労と喜びの日々が、未熟な私にも切々と伝わってきた事を今、尚忘れる事の出来ない美しすぎる展覧会でした。

その後2016年(平成28年)2月~3月・京都国立近代美術館で、大きな展覧会をなさいましたが、残念ながら拝見の機会を逸してしまいました。
美しい人々そして美しいと言う事は、人の心動かすと、私は信じているのです。

昔、30幾年前、私がこの仕事に打ち込み始めた時、フッと感じたことがありました。その当時、まだまだ若輩ではありましたが、人生に無駄な事はない...喜びも哀しさも、辛く苦しいことも、涙も、そして仕事以外の勉強も読書も、絵画も自然も森羅万象すべてが、自分の血となり肉となる事へ繋がり、自分を豊かにする事へと繋がっていることを実感したのです。
しかし、又それが、同時に、自分の至らなさを知る事にもつながるのです。

6月の地震の折、事務書類を入れる棚の1番上から箱が落ちてきました。たくさんのお手紙を仕舞っていた箱でした。
母からの手紙。私が苦しんでいる時、又、食物などを送ってくれる荷物の中に入っていた手紙...。そしてお客様、友人、知人、先生方などなどから頂いた、たくさんの書簡です。懐かしさと共に苦しさが蘇る、過ぎし日の手紙に、涙しました。喜びも哀しみも、全部ひっくるめて自分で受け止めるしかなかないのです。

それにつけても、志村ふくみさんのあのお顔は、お姿は、何と美しいのでしょう。94歳の日々は、たくさんのお仕事に満たされ、歩んだ道程が豊かであったからでしょうか。

  

お盆休みまで、あと幾日でしょう。あまりの暑さに、お客様もまばらでした。ちょっと寂しい思いでした。
この熱風の中でも、せみとさるすべりの花は元気に夏を謳歌しています。

花染の夏休みは、8/12(日)~8/16(木)までです。
何の予定もありません。プラプラ美術館へでも...そして自然の中へでも...自由な休日を心がけたいと思います。

今回もつたない「日常つれづれ」をお読み頂いてありがとうございます。
これらを通して、私は両親に感謝の思いでいっぱいです。「両親の姿は、私の精神の礎になっていることを。」
そして、もう1ツ。日本人の精神の奥深く潜む、美しき感性「わび・さび・もののあわれ」をもう一度、再確認したい...と。
お暑い中ですので、どうぞお大事にお過ごし下さいます様、そして時々はお遊びにお出かけ下さいませ。店を涼しくしてお待ち申し上げております。

  



 2018年(平成30年)7月11日

突然の地震でした。6月18日(月)、朝食を終え、立ち上がりかけたその時、ぐらっと衝撃が来たのです。食器棚の上に飾っていたガラスの蓋物が真っ逆さまに落下。あわてて隣の部屋の飾り棚にかけ寄りました。ギリギリの所でセーフでしたが・・・。
「店が・・・!!」余震の心配をしながら店へ向かいました。
自宅から10分程の時間、最悪の状況を想像していました。シャッターを開け、ドアを引いて驚きました。
作品が高い棚の上に、チャンと鎮座していたのです。「えっ・・・花染には神様がついている!!」,、一瞬、「きょとん」としてほっとしたのです。

  

舩木先生の作品は高い位置に、それも奥行きの浅い棚に置いているのです。全く動いた気配がなかったのですコロコロ、ポロポロ落ちた作品もありましたが、被害は最小だったと思います。

割れたものを片付け、余震の不安もあるので、高い位置の作品のみ下ろしていると、心配してくださる人々のメールや電話が入り始めました。店に居ても気分が悪いので、早々に家に帰り、お返事をしたり・・・でその1日は瞬く間に過ぎました。
この日、月曜日は定休日だった為、救われました。お客様がいらっしゃる昼間だったら・・・と思うとぞっとします。
状況を考えると、揺れは、東西だったようです。花染の棚は、ほとんどが南と北に置いているので、この度は助かったのです。阪神淡路地震の折は南北に揺れた為、被害は大きかったのです。

翌日19日(火)は、普段通り営業しようと、高い所も含め、元の位置に戻し、この機会に大掃除をやろうと変に頑張ってしまいました。
疲れは数倍に膨れ、長く尾を引くことになってしまいました。
近場のお客様は、心配して、次々お顔を見せてくださるし、ご遠方からもお電話をたくさん頂き、優しいお言葉をかけて下さいました。ご自身、被害がおありの方もいらしたにもかかわらず・・・本当にありがたいです。感謝の思いでいっぱいです。

私も平常心で仕事をする努力はしましたが、余震がある度、気持ちが悪く、落ち着かない日々が続きました。
と思う間もなく、梅雨も終わるか否かと言う頃になって、とんでもない大雨に見舞われてしまいました。島本町山崎は、三川合流地点と言う立地にあり、毎日ひっきりなしにメールが入り避難勧告が出されました。
京都「保津川・桂川」・「鴨川、宇治川」・「木津川」とすべての川が合流して淀川へと流れ込むのです。普段は美しい景色も災害が起こると一変してしまいます。
美しい緑の山並みも、土砂崩れを起こすのです。山からの恵みの水は、降り続く雨で、水無瀬川や町内の水路は今にも溢れんばかりに、ゴウゴウと流れるのです。この辺りは、人身災害にはならなかった様ですが、日本列島はどうしたのでしょう。

「涼を誘う・吹きガラスとのれん展」の丁度、真っ只中の地震でしたので、中途半端なことになってしまいました。

  

引き続き、そのまま、7月・8月展示会を致します。暑い夏を涼やかに過ごして頂ける品が、そして普段遣いの美しいガラスの器がいっぱいです。お気に入りのモノと出会って頂ければ、この上もなく嬉しいです。
何だか浮き足立った6月を過ごし、7月の大雨に心をくだき、1年も既に半分過ぎてしまいました。

ちょっと嬉しい話が2つです。
1つは、「空飛ぶタイヤ」を見ましたヨ! 池井戸氏の原作ならではのテンポの良さと、サザンの心地よい曲に、思わず身は前のめり、2時間余りが瞬く間でした。めげない精神に心打たれ、ディーン・フジオカ氏の美しさに見とれミーハーもお恥ずかしいので、たくさんは書かないことにしますが、カッコ好さを想像して下さいね。

  

もう1つ・・・。裏庭のメダカが子供たくさん生みました。今までは、どうして良いか分からず、どうも食べられてしまったようで、昨年は1匹のみしか助けてやれませんでした。
今年は、メダカはを良く知る人に教えていただき、卵の段階で、古い火鉢に水を張り、移してやりました。卵からかえり、15〜16匹が2mmほどの小さな体でピチピチ泳ぎ回っています。

  

その姿を見るのが可愛くて、毎日楽しみにしています。1年で、約1.5cmくらいになるでしょうか。そのくらいの大きさになると、食べられる事もなくなりそうです。
あの小さな体で、懸命に生きる姿、生命あるものを大切にしてやりたい・・・と心から思います。ちょっと疲れている方、哀しみを抱えている方、メダカを育ててみませんか。普通のモノで良いのです。人間がメダカを進化させてしまって高価なものも売っているそうですが、そんなものは必要ないと私は考えています。生命体は自然のままにしてやってください。

私も、このところ気持ちの晴れない疲れた日々を送っていますので、メダカと暮らす日々は、心和みます。
しかし、何があろうと、天変地異が起ころうと、季節は迷う事なく刻々とやって来ます。
京都の7月は、祇園祭一色で彩られ、宵々山、宵山、山鉾巡行が15日(日)・16日(祝・月)・17日(火)と続きます。
疲れている・・・と言いつつ、長刀鉾の「ちまき」は買いに行きたいと思っています。1年の無病息災を願って、我家と花染の玄関に掛ける事は、欠くことのできない夏の行事です。

  

そんなこんなが重なって、「日常つれづれ」も元気がない日常で終わります。皆様もどうぞお気をつけてお過ごし下さいませ。フラリとお出かけ下さるのをお待ち致しております。



 2018年(平成30年)6月4日

瑞々しい光景が広がっています。田植えが終わり、水面に白い雲、青い空が・・・。どこからやってくるのか、蛙が「ゲロゲロ」と鳴き、これからの梅雨の季節を待っています。水の豊かな島本町は、緑が溢れ、光が溢れる麗しい日々です。
私の5月は、新緑と、心地良い空間を探して、あちこち出かけました。

     

何がある訳でもないのですが、今年に入って幾度か京都・左京区の「哲学の道」を疎水沿いに歩きました。銀閣寺道から南へ下るのです。脇を平行して流れる川は南から北へ・・・。
私が歩いたその日は、大雨の後の五月晴れ、爽やかな風と新緑でおおわれていました。

  

琵琶湖から流れ出たと思われる大きな鯉が、私達の目を楽しませてくれました。
そこから、ほど近い所に、ちょっとナイショの素敵な店があるのです。限られたメニューではありますが、お昼を頂き、レベルの高い本物だけが醸し出す豊かさと、店の方々の静かな、物腰にいやされ、ゆっくりコーヒーとお菓子を味わう時間は、もう一ツの楽しみです。
この辺りは、いつ頃からか観光客で溢れているのですが、桜の頃、紅葉の頃を外すと、意外と大丈夫なのです。バブルの頃凄まじくお土産物屋さんが立ち並んだ時もありましたが、店舗も少なくなり、すっかり落ち着きを取り戻しています。
時間をかけ、寄り道をしながらフラリフラリと・・・とても良い感じです。
その中でも、少し山側に入った所に法然院があります。この新緑の頃、見事な空気に包まれるのです。

     

あまり人が訪れない季節外れの2月末、この山門前におびただしい数の赤いやぶ椿の花が散り落ち、アッと息をのむ風情は、この世のものとは思えません。
その静寂と自然でしかなしえない美しさは見る人の心に深く残ります。
「哲学の道」とは京都大学の哲学の先生が、その昔、命名したと言う話は、京都では誰もが知る事です。学生の街、京都に相応しいですね。
たぶん20回近くは来たであろうこの場所は、過去の思い出と共に懐かしく、私の痛んだ心を修復してくれそうな気がするのです。とても大切な場所です。

日々の暮らしの中で、ちょっと感動したお話です。
私共の商店街で催している「土曜市」で見つけてしまったのです。竹で創られた「バランストンボ」です。4月から出店してくださっていたのですが、5月の土曜市になって、やっと詳しいお話をお聞きすることが出来ました。
「これは凄いものですねぇ~」と私が話を始めたのがきっかけで、お話はどんどん弾んでゆきました。60才代後半かと思われるその男性は、もちろんお話好きでした。その小さなトンボに心を奪われてしまったのです。トンボの口先1mmにも満たない、たった一点で全体のバランスを取っているのです。当然、私の指先にも一点で止まります。

  

話すほどに話は奥が深く、多趣味ゆえに話は楽しく、貴重な時間でした。
このトンボは、ご病気をなさって後、リハビリの一ツとして始められたとおっしゃる、その笑顔にも魅了されてしまいました。
今は我が家の食卓に一匹、バランスを見事にとりながら揺れて生きています。「すごいなぁ~、すごいバランスだなぁ~」と1日幾度と無く感心してしまいます。

もう一つ偶然、凄いものに出会ってしまったのです。
朝早く起き、何気なくテレビのスイッチを入れた先に「グレート・トラバース」、「プロアドベンチャーレーサー」田中陽希が突然現れたのです。
「前人未到・200名山一筆書き踏破への道」、「自らの足だけで踏破への道・完全人力踏破」画面から溢れる日本列島名山の美しさと過酷な道程の虜になり、毎朝毎朝、感動の大波を受けています。
これは、2016年NHK BSプレミアムで放送されたもののようですが、数回分を 1時間、約4本分を朝6時から見る事ができるのです。私が知らなかっただけで、よくご存知の方も多いのではないかと思いますので、詳しくは書かないでおきます。
それに比べて、私の人間の小さい事・・・正直、ちょっとへこみます。

6月展示会を致します。

                             
涼を誘う・吹きガラスとのれん展
2018・6・12〔火〕 - 6・23〔土〕
10:30 - 17:30 17日(日)・18日(月)休み 


  

初夏、6月ともなると、日差しが強く、汗ばむようになります。そして日常の暮らしを夏のしつらいに変えます。田植えが終わった水面を渡る風を部屋に入れ、のれんをつり変え、ガラスの器に冷たい料理を盛り、にぎやかに食卓を囲みます。
酒杯を選ぶ人、グラスを傾ける人、お気に入りの一品があれば幸いです。
熱いガラスが流れる姿を想像するのも楽しいです。

  

宮崎・都城で染められる「のれん」は、麻の風合いと共に優しい草木の心地よさです。
自然の変化に敏感な日本人の細やかな暮らしを見つけに来てください。

柳宗悦の言葉「モノは用いられ美しく、美しくなるが故に、人は更にそれを用いる。」美しさは、人の心動かすと、私は信じています。



6/21は、早くも夏至。半年はまたたく間に過ぎ、本格的な暑さがやってきます。
ざるそば、お素麺を美味しくいただきながら、涼やかさを舌で味わいながら・・・。

  

5月に入荷した赤地径氏のそばちょこは、とても斬新で、今までのイメージを変えてくれます。絵変りを種々揃え、華やかに食卓を演出してみるのも素敵です。大きくゆったりしているのもオススメの一因です。普通サイズのそばちょこもあります。
手の平に取ると元気を頂けそうです。

花染の裏庭の紗羅の花も咲きました。水引き草は、たくさんの葉を茂らせる、日に日に大きくなります。

  

緑美しい小さな庭です。
朝晩の気温差に、どうぞお気をつけてお過ごし下さいますよう。そして、どうぞ12日からの展示会にお出かけくださいませ。お待ち申し上げております。



  2018年(平成30年)5月9日

とても良い季節ですね。マンションのベランダで風を受け、泳いでいた小さな鯉のぼりも、姿を消し、ゴールデンウィークも終わってみるとアッという間でした。
花染は連休前に2日お休みを頂きましたが、ほぼ平常通り営業致しました。気温の変動が激しいと言いつつも爽やかな天気に誘われて、どちらに行ってもたくさんの人々で溢れていました。

この季節、私は、京都植物園へブラリと出向く事があるのですが、とても身近にある、風を感じることができる場所なのです。私の痛んだ心を修復し、そして緑の風は私をいやしてくれるのです。
花壇は季節の花で彩られ四季折々、表情を変えます。

  

私が出かけた5月初旬、たまたま「山野草展」が開かれていました。小さな鉢に植えられた小さな植物は、小さいながらそれぞれが存在感を漂わせ、私の目は釘付けです。
どれも愛らしいのですが、ひときわ目を引く作品がありました。「イワチドリ」と書かれていました。丹精を込めている事がよく分かります。京都山野草の会の人々の優しい愛を感じます。

     

世の中に「雑草」と言うものは無い・・・。どれにも名がある・・・。と、昔お聞きした事があり、いたく感心したことを思い出しました。
楠の木、もみじ、桜、椿あり、大木が立ち並ぶ広大な緑陰の中に身を委ねていると、自然に抱かれている心地です
健脚の方には物足りないと思いますが、この植物園は、気軽に思い立てばすぐにおとずれる事が出来るありがたい身近な存在なのです。

ついこの間、鴨川の土手でピンクの花をつけたクローバーを見つけました。この花には、幼かった私と父との懐かしい思い出があります。

  

私が小学校低学年の頃、手の平に載るほどの小さな子供のうさぎをもらってきたのです。父はうさぎ小屋を作ると同時に、畑にこのクローバーの種をまいてくれたのです。このうさぎが食べる草を遠くまで取りに行かなくてもいいように・・・。雨の日でも、このクローバーを刈り取り、新鮮なものを食べさせて上げるように・・・との優しさでした。

なぜ、このクローバーだったのかは思い出せません。その生命力は、たちまち畑一面広がって行ったのです。
父の膝の中に包まれ、そして腕の中に包まれていた記憶と共に、この光景は、昨日の事の様によみがえります。
大切な人は、次々西の岸へ渡って行ってしまいましたが、思いでは深く心に残ります。

ちょっと辛い映画を見ました。タイトルは「女は二度決断する」。題名にも惹かれたのですが、ポスターに映る女性の苦渋に満ちた顔やファッションに心惹かれたのです。なぜそんなに苦しいのか・・・と知ってみたいと思いました。

  

全編に流れる彼女の悲しみ、砕け散った家族への思いが胸に迫り、見る側の私達でさえも重く鉛のように沈み込んでしまいました。
彼女が下す衝撃的な決断とは・・・そしてその結末に心が揺さぶられるのです。

ドイツ警察戦後最大の失態と言われる、ネオナチによる実際の事件に着想を得て生まれたとの事でした。
世界中で事件、事故が毎日くり返され、いたるところで大切な人を失う悲しさをメディアを通して見ています。人が亡くなると言う事の重さを突きつけられた気がします。

以前このページに「不動不変」と書いた事があります。「どんな事態になっても、いかなる時にも、自分を見失わない・・・」との意味だそうですが、私は毎日心が振り子のように揺れ、自分を見失っています。

その毎日の平凡な暮らしの中で・・・
ちょっと感動した事が1つ!エスニックの業者さんの所で、とても美しい古いショールを見つけました。繊細な姿に、たちまち虜になり、数点あった中で2枚選んで持ち帰ったのです。見れば見る程、心奪われるのです。

  

店の中の風がそよぐ中に吊るして見ました。ゆるやかに揺れる姿は、いつまで見ていても飽きる事はありません。このショールを肩にふわりと巻き、おしゃれをしてお出かけしたであろう数十年前のルーマニア女性の姿が目に浮かびます。
最近、ルーマニアの古いものを手に入れる事があるのですが、その中でも筆頭に挙げられる品だと思っています。暮らしの中の一部としてこのような手仕事があったのでしょう。
これを編んでいる、ふくよかな女性が美しくよみがえり、尚、心に残るのです。

古今東西の女性の手による古い布を、今までもたくさん手に入れて来ました。そこには生活を楽しむ姿が生き生きと見えるのです。
業者さんに「花染さんは、布が好きですね!」とよく言われるのですが、古い布の中に、女性が一針一針思いを込める豊かな心があり、喜びも悲しみも織り込み、染められていることを感じ取る事ができるのです。

どうして古いものかというと、時代とともに、環境も、手仕事への理念も変わって来てしまっています。そのものにかける思いと時間が昔と今とでは全く異なるのです。
たくさんのものを手に入れ、又、手離してゆきました。遠方へ行ってしまった布、今も忘れられない布もありますが、皆さんに大切にされていると信じています。

もうしばらくすると梅雨の季節ですね。部屋の中から見る雨は風情があり大好きです。雨に濡れる草木は一層瑞々しく、美しい佇まいになります。今年の梅雨は大量に降って短い!!との天気予報です。災害を引き起こさなければ良いですね。

この所、朝早く起きだし、誰もいないリビングで1人、この「つれづれ」を書くひとときも、また良いナァ~と感じています。
しばらくすると東の空はうっすら染まり、美しい光景が広がります。日の出を予感しながら、太陽が顔を出すのを待つのです。
文学とは凄いです。「春はあけぼの」枕草子の時代から、この美しさは、人の心を捉えていたのです。春の東の空
「ようよう明けゆく・・・」でなくてはならないのです。
美しい日本、美しい日本列島は、私の生涯のテーマです。こんなささやかな事を書いていると、ちょっと元気が出てきます。

6月に向けて【涼を誘う、吹きガラスとのれん展】を準備しています。
やはり初夏を迎えるとガラスの器が恋しくなります。風に揺れるのれんもいいですね。ガラスの器は、私が使い勝手がいいなと思う作品を集めました。
のれんは宮崎・都城の工房で草木染めでお作り頂いたものです。この工房で染められる麻の質感が大好きで飽きる事なく毎年お願いしています。透けた風情が美しい一品だと自負しています。涼しい風を運んできてくれることを心より願っています。

美しいものを見つける花染でありたいと・・・。そして何時も蘇れる自分でありたいと思いながら、仕事に支えられています。
もうしばらく、この新緑の季節を楽しみたい.と思う、今日この頃です。

とてもお花を上手に育てる方が、ご自分で作った都わすれの鉢植えをお持ち下さいました。玄関先はお花畑です。

  

ちょっとだけ嬉しい話をしてもいいですか?
一週間に一度、美しいディーン・フジオカ氏の顔を、そしてカッコイイ所作を見る喜びを全身で享受しています。
花染でも、親しい人たちが集まると、この話になるのですが、たわいもない会話でテンションを上げるひととき、何とも幸せですね。
なぜあのように美しいのでしょう!

もう一ツ美しい事への追加です。つい先日、素敵な場所と人に出会いました。
京都と若狭を結ぶ鯖街道の旅籠だった建物を修復し、喫茶店を開いている事を知ったのです。京都にある様な大邸宅や、大きな庭ではありませんが、その当時のものを大切に扱っている優しさ、先人達への配慮が、隅々まで感じられる自然体に安らぎの精神を見ました。
あまり公にはしたくない、私の秘密の場所になりました。

     

日々の平凡な暮らしに変化がチョットだけ生まれます。
どうぞお遊びにお出かけ下さいませ。




  2018年(平成30年)4月4日

見事に景色が変わりました。まさに百花繚乱、春爛漫です。なんと美しい日本なのでしょう。こんなに一気に劇的に春がやって来た事は無いような気がします。
その中でも、日本人が大好きな桜の花は、3月下旬が満開でした。すでに散りゆく中で花吹雪を愛でる日々です。こんな春に、人の心が落ち着きをなくします。

  

それと歩みを揃える様に種々の花が咲き始めました。花染の小さな庭の水引草、ほととぎすなどなど宿根草が次々若葉を出し、木々は芽生えこれから5月にむかって、瑞々しい佇まいを醸し出してくれるのです。

島本町の自然もいつもの年の様に花吹雪が舞う光景ではありますが、ここへ来て大きく変わろうとしています。
大型マンション建設が、次々進み、いたるところでクレーンがそびえ立ち上へ上へと積み上げ景色を変えているのです。のどかだった島本町は、ここ数年でずいぶん変化していますが、尚一層大きな変わり様です。
小さな変化の1ツ1ツが、この町を変えてしまうのです。これが島本町の現実です。
美しい山並みから昇っていた朝日は、今、巨大な建設中のマンションの上から昇るのです。山際の朝のあけぼのの美しさは、見る事はできなくなるのでしょう。

島本町の竹の子は格別に柔らかく美味しいのですが、これも環境の変化で水脈が切られ、農家の人達は、とても心配していました。それでも、私は、ある竹の子農家の人に長年に渡って良くしていただいています。朝掘りのものを薪で炊く大きな釜で茹で上げたものをお分け頂くのです。
1年かけて愛し、育まれた竹の子には、特別な力があることを実感致します。

  

こんな優しい大切なものは、こちら側も、背筋を伸ばし、料理をしなくてはいけません。
4月は、この楽しみが生活の中味を豊かにしてくれますし、笑顔で日々暮らせることにもつながります。本当に幸せですねェ~。

3月15日(木) 「35周年記念展」をさせて頂きました。
初日、たくさんのお客様がいらして下さいました。11時から水川さんによるハープの音色を楽しみ、11時半からは柴田氏に、登窯、スリップウェア、陶土などの深いお話をして頂きました。

  

私も、柴田氏との出会いから、彼の美意識に大きな影響を受けた・・・などなど、軽くお話をさせて頂きました。
柴田氏の奥様、ご子息も、ご一緒して下さったのです。

午後は、皆さんで、お酒やお料理を囲み、それはそれは和やかにして、にぎやかなひと時を楽しみ、とても開放的で自由な雰囲気を満喫したのでした。我が家の舩木先生のワイングラス、ビールグラス等を全て持ち込み、色を添えさせて頂いたことも、お喜び下さいました。
総勢32~33人という人達で2Fはごった返し状態でしたが、それも又、暖かい空気が漂い、私としては嬉しい光景でした。
途中、宴会を中断し、再びハープを奏でて頂く静かなる時間は、心を美しく彩り、耳を傾け、至福の時間でした。
その後も引き続き、お酒も料理もケーキも次々追加をしながら皆さんで盛り上げて下さいました。
おかげ様で、こんな幸せな1日を過ごす事がで来た幸せの余韻を今でも楽しんでいます。心くばりが足りなかった点はお許し下さいませ。

36年目、いかに花染の方向を示せば良いのか思案の真っ只中にいます。今は我が家に次々と咲く椿の花を手折り、店の至るところに生け、一人、穏やかに過ごしています。

     

花の中でも椿の花は、私の体質に合っているのか好きなものの筆頭に上げられます。
そんなこんなで4月は展示会を休みます。ゆっくりもしていられませんが、次に向けて一息ついている昨今です。
この機会に柴田雅章氏のページを一新しました。新たな作品も掲載致しましたので、ご覧い頂けると嬉しいです。

今朝も早起きをし、朝日が昇る前、春のあけぼのの中、家族がまだ居ないリビングで、イギリスのお土産に頂いた美味しい紅茶を柴田氏の紅茶碗で頂く、ボーッとした時間は至福の時です。
細江氏に作って頂いたテーブル、椅子、そしてそのテーブルの上には舩木先生の花入れに椿が一輪・・・。こんな静かな時間を持てるのも、たくさんの作家の先生方の作品に後押しされての35年あればこそだと、来し方をふり返り、明日を見たいと思うのです。

こんな幸せな時間を持って頂きたいが為に、花染は仕事をし、山あり谷ありの中、一生懸命歩んだ様な気がします。
どれ程の人々に、この思いをお伝え出来た分かりませんが、この思い一筋に森羅万象すべてを愛し、感性を磨いて行きたい・・・とひたすら願っています。

そうそう全くの余談ですが、今「うめ婆行状記」を読んでいます。少し前、朝日新聞夕刊に連載された作品です。その折も読ませて頂いたのですが、すでに作者(宇江佐真理)は余命を宣告されている中での執筆だったとお聞きしています。1949年生まれとの事ですので、早すぎる死だったのです。1冊の本になると、また格別です。

  

現代の示しのきかない暮らしの中で、生きている私たちへの警告です。主人公のうめさんは、際立って美しい心の女性です。庶民の暮らしであるがゆえに、又、参考にさせて頂けるのです。この作者の宇江佐氏は、きっと、この様な姿勢で生きられたのではないでしょうか。
私たちの年代も、いつ何があってもおかしくない年が来ています。是非こうありたいと思わずにはいられません。
家事に疲れている方、女の毎日をつまらないと思うことがある方、是非お読み下さいませ。女に生まれてよかったと思うかもしれません。
私も、ほんのつかの間、この中にどっぷりと浸かってみたいと思います。

最後になりましたが、花染を支え、愛して下さいました皆様に心から感謝とお礼を申し上げます。
再び、仕事に育ててもらえる様な生き方が出来ますれば嬉しいと思っています。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます
寒暖差が激しく、夜は冷えます。花冷えとは美しい日本語です。うぐいすの鳴き方が上手になってきました。「ホーケキョ・・・ケキョ!」と。ちょっとまだ足りませんが...。どうぞお体をおいとい下さいませ。そしてお遊びにお出かけ下さいませ。

  

チューリップの花をたくさん頂き、武内真木氏のピッチャーに生けました、花染に一段と明るい空気がただよい始めました。



  2018年(平成30年)3月7日

そこかしこに春がやってきました。暖かい日差しを見ると、心身ともに救われます。太陽の恵みは生物に喜びを与えてくれるのですね。
木々や草花も、この暖かさを待ち望んでいたことでしょう。
裏庭の二葉葵も、早々と芽を出し、春の目覚めです。

  

今年の冬季オリンピックは、なぜか毎日テレビを見てしまいました。時差がなかった事なのか、はたまた、日本の熱量が高かったのか? 名勝負を繰り広げる選手たちに、思わず、歓喜の声をあげました。
いつも思うのですが、何かを成し遂げる人々は良い言葉を必ず持っているのです。オリンピック選手は、お若いにもかかわらず、人の心を揺さぶる名言で感動与えてくれたと思います。

自分の思うところに至らなかった選手達は、その悔しさが、又、次の飛躍へとつながって行くのでしょう。
17日間の熱い戦いは、それぞれの人々の心にそれぞれの思いを残した事と思います。

私も昔、スキーをしていました。20歳代前半4~5年、30歳前後5~6年、トータルで10年程ですが、青春の1ページでした。
その頃、スキーは、だれでもがする普通のレジャーでしたが、今、スキー(スノーボード)は減少の一途をたどっているのですね。
関西では、神辺、鉢伏、信州は白馬、八方、志賀高原・・・。
そうそう大山・・・立山・南アルプスの山スキーにも行きました。
若い頃は冬、12月~3月 生活の中の楽しみの一片でした。その内、店を始めたので、スキーの道具も全て人にもらって頂き、すっかり足を洗ってしまいました。
今では、見てるだけでも寒さが伝わり、身ぶるいをしてしまいます。若い事は素晴らしいですね!!

話は変わって3/3(土)まで「ギャベ展」をさせて頂きました。たくさんの作品を持ち込んで、想像以上の量をご覧頂くことができ、2階は美しいアートで満たされました。お客様に楽しんで頂けたと思います。
初日はギャラリーのオーナーも来て下さっていたので、皆んなで囲み、和やかな1日となりました。
案内状に使ったギャベは初日一番早くお求め頂き、私にとりましても幸せなスタートでした。
素敵な作品はお嫁に行って嬉しいし、それでいて、ちょっと寂しいし、とても複雑な思いです。

     

お客様のお部屋の空間を彩って下さる事は、とても幸せなことです。
私共の店に大きなもの数枚、小さなお座布団のキャベ・・・を数枚残しましたので、機会がありましたら見てやって下さい。とても可愛いですヨ!

     

年明けアッと言う間に2ヶ月が過ぎましたが、仕事に追われ、心の余裕もなく日々を過ごしてしまいました。仕事は「待った!!」がききません。ひたすら前を向く暮らしです。

3/15(木)からの35周年の記念展に向け、走る毎日です。

SLIPWARE 柴田雅章の作品展
35周年に寄せて
2018・3・15〔木〕 - 3・24〔土〕
10:30 - 17:30 18日(日)・19日(月)休み



 「35周年記念展」をさせて頂くにあたって、柴田雅章氏にご協力をお願い致しました。快くお引き受け下さることになりました。
柴田氏との年月は、30数年・・・折りにつけ刺激をそして支えを頂き、何にも代えがたい大切な日々を与えて下さいました。
作品に感動したのは、花染が開店して1年目くらいの時でした。釉薬の美しさ、フォルムの美しさに魅了されてしまったのです。私もまだ走り始めたばかりでしたが、若い私が、それを美しいと感じた事を自分で誉めてやりたい・・・としみじみ思います。その出会いがあればこそです。
花染に柴田氏の作品が常設されていた事は、ここまで店をやって来られた大きな要因でもあるのです。

     

その年月の中で、柴田氏は日本屈指のスリップウェアの大家となれたのです。右に並ぶ方はいらっしゃらないと思います。ご縁を頂いたことに感謝の思いでいっぱいです。
それだけではありません。彼の美意識、そして森羅万象ことごとくに対峙する高い理念が、おつき合いの中で、私にも投影されたのです。
丹波の自然と一体となり、この質感が生まれる事を作品を拝見するたび全身に響いて来るのです。
その理念と美意識が人々を魅了してやまないのだ、と思うと胸が熱くなります。1Fと2Fに展示させて頂きます。どうぞ大いなる作品をご覧下さいませ


<記念展の催し物>
アイリッシュハープ奏者の水川亜紀さんが、心地良い音色で美しい音楽を奏でてくれます。
3/15(木)初日 11時~ の演奏です。

  

とてもお若く美しい水川さんは、私共のお客様でもあります。なぜか大阪市内から花染へ、人様への贈り物などをお求めにいらして下さっていました。
昨年秋、ひょっとしたお話から・・・いろいろな所でハープを演奏している・・・とお聞きし、この企画が生まれたのです。人様との縁は本当に不思議なものです。いろいろの人に支えて頂いているのです。私も楽しみにしています。

いろいろの熱い思いを皆様方から分けて頂いていますが、昨年秋、とても嬉しいものを人様から頂きました。倉敷民藝館に携わる人からの贈り物です。最近、倉敷民藝館が瓦を葺き替え、そこに乗っていた瓦を分けて下さったのです。江戸期のものだそうです。私に子供の頃から多大な影響与えてくれた民藝館だからこそ嬉しいのです。ここに写真を載せずにはいられませんでした。
民芸に生きた先人達を思う心は深いのです。

  

この瓦を掛け花入れに見たて、カウンターの側の壁に「都わすれの花」を生け、飾りました。この染付の水滴は、私が若い20歳代に買い求めた清水焼です。長い年月を経て花染の役に立ってくれたのです。人と人とそして人の歴史は重なり合って深くなっていくのだナァ~と懐かしい思いで眺めています。とても豊かで美しいのです。

桃の花を花屋さんで買い求め、都わすれの花といっしょに柴田さんの黒釉の花瓶に生けました。

  

35年の年月は、山あり谷あり、数え切れない苦難もありましたが、どうにか無事ここまで来ました。ひとえに皆様が支えて下さったおかげです。ただただ感謝の思いでいっぱいです。
そして私と言う人間も仕事によって作られたのだと実感しております。まだまだ学ばせて頂く事ばかりです。
どうぞ今後共、末長く花染をよろしくお願い申し上げます。



  2018年(平成30年)2月9日

冷たい冷たい雪のチラつく日々を過ごしました。
2/3は節分、2/4は立春でした。日本の四季は確実に暦を刻みます。そして美しい行事があるのです。
我が家の節分は、家族の中に、鬼のお面をかぶって上手に演じてくれる人がいて、大笑いしてしまうのですヨ!。それはそれは自慢に値する出来栄えで、役者として貸し出したいくらいです。

  

年を重ねる程に食べる豆の数が増えて行き、「いつの間にこんな年になったのだろう~ねぇ~。」と毎年くり返します。人様から頂いたお菓子にも、日本の心を感じ、良いナァ~。と思わず写真をとりました

  

春はすぐそこまで来ています。明らかに日差しは優しく、温かみを増し、木々の芽はしっかり身支度を整え、万全体制で春を待っています。店の裏の紗羅の木は、しっかりした芽を付けて、日々、太陽の恵みを受け、スタンバイしています。

  

宿根草は、まだまだ先の事ですが、土の下できっと春を待っている事でしょう。楽しみです。

ごく最近、春の温く温くを思わせる様な本をお借りしました。
「大家さんと僕」(矢部太郎)さんのお描きになった漫画です。思わず矢部さん・・・と優しく「さん」づけをしたくなる・・・そんな本でした。
とつとつと描かれている事が、尚一層、人々の心に自然に暖かさをもたらすのでしょうね。私達はいつも人間関係で悩んでいますし、「誰かと暮らす、幸せ」(副題)をすっかり忘れてしまっています。

     

素朴そうに見えて、なかなか深い! 1コマ1コマ言葉の1ツ1ツが気が利いているのですヨネ~。不思議な世界に、うたた寝してしまいそうになります。
矢部さんは今もこの大家さんの2階で暮らしているそうです。87才の大家さんとの暮らしが永遠に続く事を願って、ボーっとテーブルに肘をついて考えてしまいます。

私には、1ツ大きな悔いがあります。20才代前半、とてもとても大切にしていた友人がいました。
音信不通になった彼女の事が、近年、妙に気持ちに引っ掛かってしまうのです。自分がおざなりにしたばっかりに、気がつくと全く連絡がつかない状態に陥ってしまっていたのです。
彼女も私も、周りの人達も、幾度か引っ越しをする中で見失ってしまったのです。ご縁をたどれば引き寄せられる・・・と思い込んでいたのですが・・・。
あまりに親しかったので、いつか又・・・とたかをくくっていたのでしょう。30才代~40才代・・・と仕事や、自分の事で忙しく、目先のことに追われてしまったのです。
どこかで「バッタリ出会わないかナァ~」と日々妄想するのですが、全く出会う事はありませんでした。
この「矢部太郎さん」の本を読み、大切な人を見失ってしまったことへの後悔と自責の念にかられ、ちょっとへこみます。
でも、まだまだ希望は失っておりません。たった1ツの手がかり「長岡京市乙訓高校第一回卒業生」と彼女から聞いた事があります。
懐かしいだけではない・・・人生のある時代を楽しさも悲しさも含めて生きた軌跡なのです。
矢部さんの様に、大切な人と偶然出会い、大切な人を大切に思う暮らしにホッとします。

まだまだ冷たい空気が漂う中、2月の展示会は「ギャベ」です。

GABBEH展 ギャベ
南 イラン・アマレ・カシュクリ族の人々が織る絨毯
2018・2・22〔木〕 - 3・3〔土〕
10:30 - 17:30 25日(日)・26日(月)休み



 「GABBEH」 ギャベと呼ばれる絨毯との突然の出会いから22年。その時の感動と喜びを忘れる事はできません。私共で初めて展示会をさせて頂いたのは今から18年前。別の大きな広い会場を借りて、それはそれは見事なギャベを床・壁一面にディスプレー致しました。素足でその上を踏んで頂きました。暖かさと優しさを併せ持つ美しいアートでした。その光景は今も目に焼きついています。それ以後、幾度となく花染の2Fでギャベ展をさせて頂きました。ギャベを追い続ける年月は幸せな時間でした。もし、これに出会っていなければ、とてもつまらない暮らしだったと思うと感慨深いものがあります。
これからも、このアートのような素敵で品質の高いギャベを探し、出会えることを願っています。そしてその情熱は、さらに私を熱くすることと思います。
2階いっぱいに広げます。ゆっくり座り込んで感触を味わって下さいませ。
小さなお座布団くらいの大きさ(40×40)のミニギャベも、とても良い絵柄で集まって来ました。
今回の展示会にご協力くださった、ギャラリーのオーナーを囲んで、より深い魅力をお聞き出来るのも楽しみです。
初日、22日(木)お見え下さいます。


3月は花染の35周年です。記念展は、やはり柴田雅章氏にお願いさせて頂きました。
先日2月4日、冷たい強風の寒い丹波路を身を縮めながら工房へ向かいました。幾十回お宅へお伺いさせて頂きましたが、お住まいは自然の中にあり、季節ごとにまったく異なった光景が広がります。冬枯れの季節も良いものです。
暮らし方も、その自然と共生し、穏やかな空気が流れているのです。
風や空気や土や森羅万象すべてが相まって彼の作品が生まれる事を実感します。私達には、到底はかり知れない厳しさとも対峙なさっていると想像できるのです。
新しい登窯も、ほぼ出来ておりました。作品を整理する倉庫を作っている・・・とご子息からお聞きしていたのですが、驚きました。
昔ながらの工法で、ご子息を中心に、自分達で作っているとの事です。たくさんの人達の応援あっての事とは思いますが、友人、知人達が力を注いでくれる人間関係にも美しいものを感じ取りました。

  

ご子息が建築の工程を細かく写真にしたものを、パソコンを開いて見せて下さいました。柱などのキザミも、勉強しながら、又大工さんに教えて頂きながら前へ進んでいる・・・との事に、ご子息が持っている人間力に脱帽です。
そんなこんなで、3/15(木)~3/24(土)柴田雅章作品展をさせて頂きます。35周年のイベントも企画していますので、どうぞお出かけ下さいませ。楽しいものに出来ます様頑張ります。



 2018年(平成30年)1月12日

初日の出がとても美しい元旦でした。神々しく輝き、山際から昇る太陽に思わず感嘆の声を上げ、大きく丸い太陽になるまで数分間、見惚れてしまいました。年令を重ねる度に益々、自然の美しさに感銘を受け、実に偉大な存在であることに驚愕するのです。

  

お天気に恵まれた三が日でした。毎年2日は初詣を致します。何十年ぶりに石切神社に行こう・・・と言うことになり早朝から出かけましたが、島本町より電車を乗り継いで約2時間の結構遠い道程でした。
これ又、参拝客の多さに呆然とし、信じがたい行列に圧倒されながらも、せっかく来たので・・・とここは辛抱しかありません。

  

それなりのお詣りを済ませはしましたが・・・。
その続きで梅田へ出て阪急百貨店まで・・・これが又、大変な事でした。言葉にならない人波にすっかり辟易した1日となってしまいました。
しかし、阪急百貨店の大きな5つのショウウィンドウは、四季折々見事な展開をして私達に夢を与えてくれているのです。見て帰りたいと正面に回りました。いつにも増して、豪華絢爛、圧倒されるスケールで、私達を魅了するに余りある世界観を構築していました。

     

「京都くらいの小さな街がちょうどいいネェ~」が、実感でした。凄くなくても良い・・・。私達の体力に合った落ち着いたお正月を・・・と、3日は仕切り直しです。
京都で何時も立寄るコーヒー屋さんの店先の趣ある門松に心癒され、ホッとした気持ちです。日本文化は健在です。

     

そこかしこのお正月飾りを見せて頂く事は、日本人としてこんな嬉しい事はありません。こうして三が日は大した事もなく無事終わりました。

話は変わります。私の実家の漆のお椀の話です。
私が里にある漆のお椀を欲しがったのは、ずいぶん前30年余り前の事です。子供の頃から大勢のお客様の折に使われる漆のお椀に心惹かれていたのです。実家で古くから使われていた漆の道具はたくさんありましたが、以前より、これだけは・・・と母に「これ頂戴ね・・・。」とねだると、母は「私が死んだらあげる・・・。」と何時も言うものですから、その内私も言わない様にしていました。
5年前、母が亡くなった時には、私も体調を崩し、6ケ月店を休んでいましたので、それどころではありませんでした。母の死後も2年程は実家に帰ることが出来ずにいました。
しばらくして義姉に「漆はどうした・・?」と聞くと、全部人にあげたとの事に、ショックでしたが、それも仕方のない事と諦めざるを得ませんでした。
その後、数ヶ月経った頃、実家から電話があり、別の場所にお椀らしき木箱が入っているとの話がありました。母の3回忌に帰り、その数個の木箱を開けてみると3種類の蓋付吸い物椀、蓋付菓子椀、蓋付煮物椀が出てきたのです。それは10客ずつセットになっていました。

  

母はまだ元気な折に私の為に別の場所に取り置いてくれていたのです。覚えてくれていたのです。
優しい母の心を受け取り、涙が止まりませんでした。母親とは何かとかけがえのないもの・・・。
それ以後、そのお椀をお正月のお雑煮椀として使う事にしました。

  

母の思いを込めて、お正月を迎える喜びをこの上もない幸せと気持ちを新たにするのです。
年賀状にも人々の気持ちが溢れています。皆さんに守られ育てて頂いていることを受け取り、自分を高め頑張って行きたいものだと思います。
今はもう12日。ろう梅の花の香りが芳しく香る中を店へ自転車を走らせながら、今年も元気でお客様を花染を大切にしたい・・・と誓うのです。
我が家の椿の花の蕾はまだ硬く、メダカは冬眠中ではありますが、例年のごとく切り干し大根をベランダに吊るし、冷たい風とお陽様を受ける光景は、やはり日本の四季があってこそです。

  

「日常つれづれ」はゆるく終わりたいと思います。
どうぞお風邪、インフルエンザ等にお気をつけて下さいませ。花染は暖かくしてお待ちしております。お遊びにお出かけ下さいませ


今年最初の展示会です
アトリエ・アル
石河道春ジュエリー展
2018・1・26〔金〕 - 1・27〔土〕
10:30 - 17:30



石河道氏と出会ったのは、古く40年前の事です。
その当時、ジュエリーは、ごく一般的なものが宝石店に並んでいました。今の様に世界のブランドジュエリーがデパートに並ぶ時代ではありませんでした。そんな中、ちょっとした偶然で彼と出会ったのです。どちらかと言うとジュエリーは、女っぽいデザインが多かった時代に彼の作品はシャープで力強く、品質が格段に上質だったのです。すべてハンドメイド、一点一点作られると言う事は、この作品を、自身が持つ喜びを感じさせてくれたのです。初めて花染の店の一角で展示会をさせていただいたのは2006年でした。今回で8回目になります。
お客様の心と目が輝いていくのは、私にとっても喜びです。どうぞお気軽に楽しみにお出かけ頂けますと幸せでございます。心よりお待ち致しております。