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日常つれづれ(2024年)
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2024年
2024年(令和6年)12月5日
気が付けば12月。何とあわただしく…夏からの日々が思い出されます。12月が突然来たような気分です。 胸の中にざわめくものを抱きながら、それでも人並みに短い秋に親しみたいと出かけました。 咲く花もあれば終わってゆく花もあり、注ぐお陽様は陽だまりを作り、自然が季節と共にある事が何より有難いと思っています。 11月25日(月)には京都・哲学の道へ。何時もながらのコースではありますが、馴染んでいるが故に優しく迎えてくれているような気がします。何時ものお店でお昼ごはん…そして、ただただブラブラ疎水べりを南へ歩きます。空は雲一ツない青空でしたし、何も考えない時間を過ごしながら岡崎まで⋯。 植物園も哲学の道も過ぎ去りし日々、これからの日々に思いを巡らし、心と体を明日へ、リセットしてくれる…そんな気がしています。度々、訪れる大好きな場所なのです。 そんなこんなと…1日が飛ぶように過ぎてゆき… 赤地健・径先生の干支は、何時どおりアートで素敵です。晴れやかなお2人の器も届きました。お正月飾りの力を借りてモチベーションを高めてゆきたいと思います。 今年最後の展示会です。
美しい日本のお正月
藤村州二の器(半泥子・仙鶴窯) 浄法寺のうるしの器 2024年12月10日(火)~12月21日(土) 10:30~17:00 15日(日)・16日(月)休み 作品を荷解きしながらドキドキ致しました。お気に入りの器を手に取ると、心が弾みます。色絵の器、染付の器・土味の器…たくさん揃いました。藤村さんの熟練の技に、あこがれを抱き、そしてまた、お客様がどのように反応してくださるかと想像すると、ワクワクするのです。どうぞご覧下さいませ。心よりお待ち申し上げております。 お正月に向けてのお買物も、大掃除も…年末までの日々を思うと頭がクラクラしそうです。まあまあ…あまり無理をしないで、それなりに致しましょう。 この所、夜明け前の東の空が茜色に染まり始める頃、ちょっと早い朝食です。少しずつお陽様が昇り、アッと言う間に ベランダから深く入り込み、部屋はオレンジ色に包まれます。 今年もたくさんの暖かいご厚情を頂き、無事過ごす事が出来ました。感謝の思いでいっぱいです。 年内は 12月28日(土)まで
新年は 1月7日(火)からです お健やかで良いお正月をお迎え下さいます様、心よりお祈り申し上げております。本当にありがとうございました。 |
2024年(令和6年)11月6日
太陽の光が穏やかになり、11月ともなると秋の気配を色濃く感じるようになりました。木々を通して差し込む日差しに心が和みます。 海外では大谷翔平選手の日本人としての美しい姿を、メディアが事あるごとに発信しています。この清々しい姿を私達も忘れないでいたいですね。この若き選手を拝見しながら…ひとりのファンでありたいと思わせてくれるのです。 先日 10/27(日)生誕100年・没後10年「阿部祐工回顧展」に行って来ました。古くからの花染のお客様たちとご一緒の小さな旅です。愛媛民藝館・伊予西条までの日帰り旅は楽しい秋晴れの一日となりました。 阿部祐工先生… 砥部祐工社では、現在の砥部のスタイルの元となる様式を確立し…柳宗悦・バーナートリーチ・濱田庄司・富本憲吉などへ働きかけ、砥部焼の指導を行い、産地としての活性化を促す事になったのです。 その後、祐工窯へと北九州に制作の場を変え…若い私は…北九州のお宅へすぐさま飛んだのです。ご立派な佇まいの先生でした。逆算すると、先生60歳代の頃だったと思います。 この度の先生の回顧展を訪れる旅は、私は、私にとって自分の来し方を振り返る貴重な旅でした。先生が砥部焼に残した偉大な業績は、今も尚、脈々と引き継がれ、その焼物は日本中の人達に愛され続けているのです。 大好きな祐工先生の作品…このコーヒーカップが欲しい!この大皿が欲しい!この壷が欲しい!とワイワイと拝見させて頂いた数時間は本当に幸せな時間でした。女性が幾人が寄ると話は尽きず、楽しい楽しいひとときを過ごしたのです。 そして年末…そこまで見え始めたお正月…一年の大きな節目を大切に企画展をさせて頂きます。 「美しい日本のお正月」 この展示会をするにあたって 三重県の津「半泥子仙鶴窯」へお伺い致しました。 その思いを坪島土平先生が継承し…そして今、藤村州二氏の代に受け継がれているのです。 いみじくも10月に旅した偉大なる先生方…。 そこかしこにホッコリとした陽だまりが出来ています。本来は11月は晩秋の頃ですね。関西の紅葉はこれからが本番でしょうね。 時間を作って何処かへ出かけたいと思っています。 京都は秋の特別拝観・一般公開の真っ最中… そんなこんなで、これからの花染はお正月に向けて忙しくなります。一階も二階も着々と進めています。寒さにむかって稲葉直人さんの土鍋もやって来ました。 |
2024年(令和6年)10月7日
遅かった秋の訪れも、やっとそれらしい風情を漂わせ始めました。季節の境目が見えにくくなり戸惑う事も多くなりましたね。 NHK朝ドラ「虎に翼」が終ってしまった事を残念に寂しく思いつつ「日本国憲法第14条」をしっかり学び考える事を教えて頂きました。この条文を決して忘れてはならないと思っています。もう一度人間としてのあり様、女性としての立場を考えてみたいと思わせて頂いた半年間に感謝したいと思います。 9月秋分の日、京都・岡崎の観世会館・能楽堂へお招きを頂き出かけました。 予約席も一般席も、すき間なく…愛好家やファンの多さに驚きつつ、貴重な時間を体感させて頂いたのです。 初心者としては、まず「何を着て行こう!!」きっとお着物の方も多いのでは…でも残暑厳しい中、とっても出来ないナァ~など数日前から大騒動…。しかし心配する事もなく、お着物の方は、ほんのチラホラ…。ほぼ普段着、街着の様相に、まずはホッとして… 開演は11時から…狂言、休憩、仕舞をはさみ3演目…..5時まで。 我が家ではそれ以後、つれ合い共々、初めての体験に話題沸騰…幾つになっても初めての事には胸が躍ります。 花染インスタグラムにも、この喜ばしき体験は感謝と共に投稿しました。 時には写真や文章をほめて下さる…幾つになってもほめて頂けるのはうれしいものです。そんな言葉に何時も力を頂いています。 作家の方々が仕事にかける荘大な時間を、私の気持ちと共に愛しみながら投稿できれば嬉しいと思っています。 色々の事…そんな事もいっぱいあって…「阿部祐工先生」 濱田庄司の一番弟子なのです。先生は心良く受け入れて下さって、作品が店へ並ぶようになったのです。その作品は実に大らか…先生の度量の大きさで溢れていました。 その折、細やかにお世話下さったのが阿部眞士さん…。彼の30才前後の若き日…懐かしいお話しです。その折に求めた眞士さんの水滴は、記念として今も大切にしています。 阿部祐工先生の「回顧展」が愛媛民藝館で開催されています。9月14日(土)〜12月15日(日)まで。生誕100年を記念するものです。 懐かしい思い出と阿部祐工先生のご立派なお姿に出会いに行こうと思っています。もっともっと先生に密着しておけば良かった…との後悔を抱えて… その頃、私も若かったのです。恐いもの知らずの開店当所だった事を思い出します。過ちも多い年月でしたが、そうそうたる先生方の作品が店に溢れていました。 もちろん阿部祐工先生・舩木研児先生・舩木倭帆先生・河井久先生・石飛勝久先生…そして魅力あるお若い先生方…民藝の窯の作品の数々…。 生田和孝先生…先生と懇意の方とごいっしょするはずになっていた矢先… やはり飛んで丹波篠山、柴田さんのお宅へお伺いしたのです。その後まもなく柴田さんは30才代という若き人気作家となられたのです。 その時以後ずっとずっと作品は花染の店に常設され展示会も折々して頂いたのです。今さらながら幸せな店です。 その柴田さんのお宅へ9月30日出かけました。 花染での展示会のお話をさせて頂き、話は尽きる事がないのです。後ろ髪を引かれながら帰路につきました。 それから京都での仕事へ、とんぼ返り…この日は体力勝負の1日でした。元気で仕事が出来る事への感謝です。 普通に元気でいる事こそ幸せですね。そんな毎日を過ごしながら…料理研究家の土井善晴氏が提案する「普通においしい!!」を目ざしています。体を傷つけない、季節のものを選びながら食事をし、飽食は極力避け、普通ほど素晴しいものはない…と心がけています。 美しく整頓された暮らしの中で食卓を清め、普通に暮らしてゆきたい…と心より願っています。 店から家路につく頃、西の山にお日様が沈み、あかね色から群青色に変わりゆく美しい光景に、しばし足を止めます。この田舎町をこよなく愛しいと思うのです。この奇跡の地球が健全であって欲しいと願うのです。 こんな「日常つれづれ」を書きながら、それでも尚、普通に暮らせないでいる…今も続く災害に苦しむ人々の事を心に留めて置かねば…と思っています。どうぞお大切に、お気を付けてお過ごし下さいます様、心より祈っています。 すすきが風に揺れています。花染の裏庭では遅くなったホトトギスの花が元気を取り戻しました。嬉しい事、小さな幸せがいっぱいあります事を願って…つれづれ終ります。 作品は藤村州二氏 掛け分け鳥文深皿 |
2024年(令和6年)9月7日 朝夕は、今までとは異なる空気感に包まれる様になりました。お日様にも、通り抜ける風にも季節が移ろっている事を知るのです。 花染の朝は、開店時間より少し早目にシャッターを開け、表に水を撒き、玄関先の植物や裏庭に水をやり…そこから始まります。石や土が水を含み「サア〜今日も1日…。」と自分を励まします。 8月は戦争を学ぶ月と位置づけ、新聞の記事を詳細に読み、テレビのドキュメンタリー番組は必ず拝見し… 79年という時代を経て、新たに出て来る事実も多いのです。今までにも、多くの事をこの頁に書きましたが…実体験を語れる人々も90才を越え、少なくなる中で語りつぐ事こそ大切と思うのです。 今年は特に「特攻」「一億特攻への道」が多く報じられた印象があります。 あらためて私達の生き方が問われているのです。 オリンピック選手の勇姿…高校野球の圧巻の甲子園…。重ね合わせ、とても複雑な思いでした。 「学ぶこと」「学習する事」を毎日教えて頂いているNHK朝ドラ「虎に翼」。 「日本国憲法第14条」しっかり考えるきっかけになったと思います。 このドラマの象徴的な事柄ではないかと、毎回思いを深くするのです。 現代に生きる私達の問題として…男性、女性を問わず人間としてのあり様を模索したいものです。 そして…ちょっと気持ちを軽くして…昭和感満載のお話しを… 花染を始めて間もなくの1985年の発行です。たくさんの本を読んでいた中で、出会った…この一冊。 この本は、花染のお客様達の中を廻りに廻り…八尾に出かけた人もありました。この時代はまだまだ…その情緒を感じられる密やかなものだったと思います。 古い本なので…書こうかどうしょうか迷ったのですが⋯。 パラパラとめくると、やはりもう一度読んでみよう!小さな文字で書かれた懐かしさと共にタイムスリップしてみたくなりました。 デジタル化した時代に逆ってみたい人…胸の痛みと対峙したい人…今の時代にあって、こんな世界も良いものです。 話は変わります。 ゆっくりお散歩のように立ち寄り、たまにお買い物をする…どの店舗も広々とした空間を持ち、粋でお酒落で…ご用のある方、常連さん…そんなお客様がゆったりと楽しんでいるのです。 ファッション関係も、チョコレート屋さんも、日常品を売る店も、メガネ屋さんも…スターバックスまでも…何もかも時間がゆっくり流れているのです。 地下1階・2階は「丸善・京都本店」。6階までの全てのお店が、ーツの理念で統一されている様にお見受けします。 異業種を見る事は、とても大切と思っていて、たくさんのヒントを頂くのです。当然出来ない事ばかりなのですが、ーツでも実行可能な事があれば有難いですね。 ちょっとした食事やお茶を…ホッとひといき…どこまでも、このゆとりを忘れないでいたいですネ。 地下の「丸善」の本屋さんで、プレゼントの絵本も…2才の女の子へのお誕生日のお祝いも選びました。 大混雑の京都の街中の一服の清涼剤として、何時までもオアシスであって欲しいと願っています。 暑さはまだまだ続きそうです。今も尚、災害に苦しむ人達がたくさんいらっしゃいます。どうぞお体をおいとい下さいませ。 17日(火)は15夜。特に秋の月は四季の中で一番清く美しいのだそうです。草むらで虫の音が…秋の七草も求めましょう。 |
2024年(令和6年)7月4日
例年より遅い梅雨を迎えたかと思うと一気に大雨に見舞われ、各地で大きな被害が出ています。何時の頃からか線状降水帯なるものが日本列島に異状な雨を降らせるのですね。 この梅雨の季節は、私は個人的には好きなのですが…。 子供の頃、水かさを増した小川で自然と戯れ…小動物を捕え洋服が濡れるのもかまわず、遊びに興じた…日常の懐かしい思い出です。 自然の中で育くまれる小動物達…水の豊かな水無瀬川には、以前は普通に、ホタルが乱舞していました…ヨ。水無瀬川の浅瀬で子供達が小さな網を持ち水遊びをしている姿を見かけると…島本町に水無瀬川があって良かったとしみじみ思うのです。 私のウォーキング道、散歩道には、少しだけ田畑が残り、今年も田植えをしていました。山の方を眺めると、土手の上をJR京都線が走る…何時までもこの光景を見ていたい、と願っているのです。 島本町は交通の便も立地も良好な田舎町なので、ここ数年人口が増え続け、大型マンションがニョキニョキ立ち上がっています。 今月の「日常つれづれ」は国産広葉樹の無垢材で作る家具…木工…に言及して書きたいと思います。 その旨を「Instagram」に投稿しましたので、長くなるかも知れませんが、それにまつわるお話をさせて頂きたいと思います。 店を始めて間もなく「作家の方々の作品」特に器を入れる食器棚、食卓を作りたい…単純な思いから木工作家を探しました。 つくし工芸の拭き漆の家具・吉田璋也の拭き漆の鳥取民芸家具・松本民芸家具・北海道家具…それぞれ見事な作品です。しかしあくまで、形状も雰囲気も決っていました。もっと自由が欲しかったのです。 私は強運だったかも知れません。細江義弘さんとの出会いです。その当時、3人の木工作家とのお仕事もしましたが、細江さん1人に絞ったのです。 最初は小品から、椅子…そしてたちまち食卓・食器棚・飾り棚・くつ箱…それはそれは多岐に渡り、進化を続けながら楽しい二人三脚でした。思えば大勢のお客様のお宅へ無垢の家具をお作りさせて頂きました。 お客様と作家…そして花染…喜びを共有できたと思っています。 国産の広葉樹…自然の恵を大切に栃・栓・楡・栗・楢・タモなどに新しい生を吹き込むのです。「木の声を聞き、木の言い分を聞き添ってやる事」だと思うのです。 それは何時も真剣勝負なのです。形のないものを形にし、ご満足頂ける作品に仕上げる。お客様の生活空間に添えるよう…お好み、もちろんサイズなども丁寧に聞き取りデザイン・ディテールを決める。その行程に最も時間を費やします。 そして作家との連携を密に…私の重要な仕事であり、責任でもあります。作品が出来上り、お納めし、そのお宅にピタリと馴染み、お喜び下さる姿を拝見し、私は次の仕事への力を頂くのです。 花染の店内にも数々の細江さんの作品があります。 玄関を入って正面には一枚板の大きなかウンター。これは私の為でもあります。 その事以上に…我が家は、これらの物の実験台として考えています。 使う材木もそれぞれ、栃・楡・栗・タモ…すべて異なる材料が、何如に共鳴してくれるのか…。拭き漆仕上げ、オイル仕上げも、全てを包み込んで尚、存存感を増す。その凄さを実感しています。 壁を飾るのは、油彩画・アフリカの古い布・インドの古い鉄の道具、東南アジアの更紗・イカット・刺繍…中近東はキリム・ギャべ…。そしてアンティーク家具…北欧・イタリアのものも加わります。 7~8年前まで花染はアンティーク家具も扱っていましたので…イギリス・朝鮮・日本…その全てを調和させ、まさに実験であり実証なのです。 明治~大正時代のガラスのランプシェードが天井から下り、蛍光灯は使用せず…。使い方を模索し、より良い空間が出来る喜びは格別なのです。 多くのお客様が、その1ツ1ツをご自宅で実証し、多文化を融合させる…私の願いを支え、応援して下さったのです。 まだまだこれから先、どんな素晴しい魅力あるものに出合うのでしょう!!楽しく物を見てやろう…と…そんな事を思うとワクワク致します。 花染41年目にして…すべての人々に、すべての事柄に感謝をしています。 一気に書き上げましたが、それぞれ個々に色々の考え方があり感性が異なります。ここに書きましたものはあくまで私の主観です。生活や暮らしむきを考える1ツのきっかけにして下さいますれば嬉しいです。 梅雨が終われば本格的な夏の到来です。蝉も梅雨が明けるのを土の中で待っている事でしょう。京都の祇園祭りのおはやしが「コンコンチキチン!!」と聞こえます。無病息災…早目に「ちまき」を買いに行ってもらいます。花染の玄関に、我が家の玄関にも…。 自転車で走る路々に扶蓉の花が咲いていました。優しい佇いです。花染の裏庭にも水引草の花が咲きました。小さな楽しい事を見付けて、元気に暮らせれば嬉しいですね。 水無瀬の風は心地良いです。是非お遊びにお出かけ下さいませ。お待ち申し上げております。 ★8月の「日常つれづれ」は休ませて頂きます。 |
2024年(令和6年)6月4日
青い空と白い雲。初夏の溢れる光と、緑がより深くなる木々。 幾つもの季節をくり過し、また訪れる夏。こうして年を重ね自然と共に生きる…何と愛しい事でしょう。花染の沙羅の木も豊かに美しい葉を繁らせ可憐な白い花をいっぱい付け、暮らしを潤いあるものにしてくれています。 住宅街にも路々にも、とりどりの花や木が涼やかな風情をたたえ風に揺れる…小さな街の佇まいです。 先月…5月。急に思い立ち東京へ行ってきました。夫が18日(土)六本木・国立新美術館で会合があり…日帰りを…と言うのです。それでは私も…日曜日と月曜日が花染の定休日なので…出かけよう…と宿と新幹線を2人分慌てて予約し、出立したのです。 久しぶりの東束…あそこもここも…と思いを巡らせるも、月曜日は美術館は休館。本当は根津美術館と三菱一号館美術館へ行きたい…と思っていたので…調べると、前者は展示変えの為、5月は休館…三菱一号館美術館は秋まで休館との不運。 この両者の美術館は、来年この新緑の季節に再び訪れたいと思っています。 コロナ禍の3~4年、関西近辺しか出かける事がなかったので、ワクワクするような刺激を受けた…予想外に楽しい出来事でした。 年々体が衰える中で、この旅によって弾みが付き、もっともっと腰が軽く旅に出かけられれば、嬉しい限りです。 6月の展示会の案内です。
〔陶器〕 河井達之
〔木工〕岩橋正隆 2024年6月11日(火)~6月22日(土) 10:30~17:00 16日(日)・17日(月)休み 【河井達之さん】 【岩橋正隆さん】 東京行きのアクティブな3日間も楽しかったのですが、もう1ッ5月には嬉しい事がありました。 ずっとずっと長年「花染で家具を作りたい…。」とおっしゃって下さっていたお客様のお宅に<飾り棚>を作らせて頂き納品させて頂きました。出来映えを凄く喜んで下さったのです。 小さな…人口の少ない街での私の仕事ではありますが、他府県からご遠方から足をお運びくださる方や、もちろん近くの花染を愛してくださるお客様…そして物作りをしてくださる作家の人達…たくさんのお力添えを頂きながら平常心を失わないで努力をしていたいと思うのです。 大きなお仕事を、今もたくさん頂いています。ゆったりとした環境の中でお客様と気持ちを通わせ…そして昭和色の濃い超アナログの性格を生かし、お応えさせて頂きたいと思っています。 つばめの子供もそろそろ巣立ち、田植えも終る頃です。これから梅雨に入ります。雨の被害が災害クラスにならない事を願うばかりです。 私は、朝日を浴び、夕日に向かい…自転車を走らせます。6段変速の小さな愛車は、島本町の小さな街を走るには丁度いいのです。 小さな幸せ、小さな自転車そして小さな街…そんな「日常つれづれ」今月もこんな感じで終わります。 |
2024年(令和6年)5月8日 爽やかな5月…1年の内でも最もお気に入りの季節です。目立たないけど、ひっそりと佇む小さな5月を探して暮らしています。早朝から店へ来る事が多く、ちょっとひんやりの島本の風を切って自転車をぶっ飛ばして走っています。この爽快感…ついついスピードを出してしまうのです。 ゴールデンウィーク中も花染は普段通りの営業をさせて頂きました。長いお休みを楽しまれた方々も、そろそろ平常にもどった頃ですね。花染も思わぬお客様に出会ったり、久しぶりのお客様とお話しをさせていただいたり、それなりの日々でした。 島本町内を自転車で走ると、そこかしこ環境破壊が否応なく進んでいるのを目のあたりに致します。 今を生きながら、全く昭和の感覚で生きている私としては、この移り変わる自然を、そこかしこに見てしまう事は、何より悲しい胸が痛む事なのです。 昭和の私は、花染での書き物にはほぼシャープペンシルを使用します。紙へのあたりが柔らかく、失敗しても簡単に修正ができるから… 「日常つれづれ」の下書きは、このシャープペンシルで思いを一気に書き上げるのです。修正し、削り、書き加え…それを繰り返し仕上げます。納得しないで見切り発車…ネットに上げてしまう事も多いのですが…。 私の子供の頃は、ボールペンは無く、書き物は鉛筆でした。この鉛筆には、濃密な父との思い出があります。小学低学年の頃は、私の鉛筆は父がナイフで削ってくれていました。それはそれは、丁寧に綺麗な姿に削ってくれるのです。子供ながらも…とでも美しい物を感じていました。 いつの頃からか、私もバランスを考え、美しくある事を考えながら鉛筆を削る事を意識するようになりました。父と同じような形状なのが不思議です。今もその習慣は私の手の中に残っているのです。 時折発行している手描きの「花染通信」はシャープペンシルで文字を書き、イラストは色鉛筆で彩色を致します。その父との思い出を大切に色鉛筆を美しく丁寧に削りたいと…心懸けています。 そして、もうーツ「墨の力」の威力です。 店内のポップも、ほぼ毛筆で書きます。マジックインクで書いたものは、たちまち色あせ生気を失います。「墨のカ」は凄いです。全く衰え知らず…を実感するのです。 以前にもこの頁に登場させた話ではありますが… 再三、お手紙が往復する中で…自分の個性でいいのでは…と、私も挑戦を始めたのです。その巻き紙の中の空間は絵画のごとく、墨の濃淡・強弱・かすれ…間をとる事…上手くなくても自分なりの手紙が書けるようになったのです。斐伊川和紙は、それを助けてくれました。 私の名刺も、その当時は、この板張りのものを一枚一枚印刷したものを使っていました。写真の名刺は過去と現在…時代を感じます。 長い年月、そうありたいと努力したのですが、少しずつ今の時代に合わないのでは…ひどく大層に感じるようになり、毛筆での手紙は止めてしまいました。 その頃はお客様の中にも毛筆でお手紙をお書きになる方が数人いらっしゃって、その為にだけ巻き紙・便箋・葉書き・封筒をお売りさせて頂きました。 その頃のお客様…箕面の方から突然お電話があり「花染さん! 巻き紙は、今も置いている…?」との有難いお言葉でした。時代は否応なく変化するのです。そんな大切なものを店から消してしまった…扱わなくなってしまった花染にも間題ありと思っています。 斐伊川和紙は普通の巻き紙の2〜3倍程のお値段ですが、その力は書いてみた人には分かります。墨を含み…書き始め…細く細く最後まで…それは見事な美しい墨跡なのです。 仕事をしていると時代の流れに苦しむ事は、たくさんあります。自分にできる事は何なんだろう…自分の弱さと向き合う日々です。お若いお店とは当然異ってしかり…です。目標を立てる…困難に立ち向う自分と言うものを持つ事はできるでしょうか? 今回の「日常つれづれ」は鉛筆の話から思わぬ方向へ行ってしまいました。 NHK朝の連続ドラマ「虎に翼」にも熱い視線を向けています。あの時代にあって絶えず挑戦し続ける姿にワクワクさせられます。録画して深夜ひっそり自分を鼓舞しているのです。 一気に書き上げてしまいましたが…心が弱っている方も、ご病気を抱えている方も…それなりにお元気な方も、たくさんのお話ができる店でありたいと思っています。人間とは…弱いものだとの認識を持っていたいと…。 花染も絶望と希望の繰り返しの中で生きています。 又、前を向いて歩けます。2階に別の場所を作って展示させて頂いています。丁寧に大切にインスタグラムに投稿して参ります。(こうしている間にも、この数日で…求められお客様の手に渡った作品もあります…が…) そんな思いでいっぱいの現在の花染です。 6月は展示会を致します。 ★河井達之さんは何度目かの展示会です。従来の作品に加え、新しい作品もお考え頂いています。呉須・辰砂・スリップウェアー・練り上げ…おしゃれな出来上がりになる事を楽しみにしています。 ★岩橋正隆さんは私共での展示会は初めてです。椅子の製作が本来の仕事なのですが、カトラリ一・器・トレーなど小品もお願いし…この度の2人展にさせて頂きました。 まったくの手仕事…スプーンは3Dの世界です。削り込んでゆく行程、根跡が特に気に入っています。そのフォルムは作家のセンスです。美しさとはセンスがもの言うものだと思っています。スプーンだけでも50本余り作って下さっている様です。 お2人共…とでも頑張ってくれています。楽しみに待つ事…その日々は心を幸せにしてくれているのです。そして皆様が、それによって心も健康であって欲しいと願いながら5月の「日常つれづれ」は終わります。 |
2024年(令和6年)4月4日 やっとやっと本格的な春が来ましたね。桜の咲く大きな木の下に立ち、降り注ぐ光と風…木もれ日の穏やかな日和を享受しています。 3月…春が来ると期待していたにもかかわらず、寒い冷たい、その上雨が多い日々にウンザリしていました。 まず展示会初日は、土砂降りの冷たい雨でした。ちょっぴり諦めかけていた自分がいました。ところが朝一番お客様は雨の中さっそうと来て下さったのです。「嬉しい!!」思わず大声でのお迎えをしたのです。 そんなこんなで最終日も大雨でした。でも皆様方が「最終日にやっと間に合った!」と嬉しいお声を下さったのです。本当にありがとうございました。心より感謝とお礼を申し上げます。 同時に悲しい出来事が… あの内面から溢れる輝く勇姿…きっときっと喜びを分かち合い歓喜に湧く日々が必ず訪れる…そうあって欲しいと、世界中のファンの人々と共に願わずにはいられません。 日本列島は美しい桜が満開です。アメリカも、日本国との親善として贈られた桜が満開になる事でしょう。これも日本の誇りです。 急速に来た春爛漫。新入学の子供達も元気です。今年の入学式は桜の満開の中で…と考えると…ちょっと変だった3月も、ヨシヨシ!と思う事に致しましょう。 そんな話とはうらはらに… すさまじい音響…原子爆弾投下の爆発を意識しているのでしょうか。光と音は全編を通して…体感させようとしていたのだと思うのです。 ナチス・ドイツ、ソ連、そして引く事の出来ないアメリカ…どうしてもアメリカは他の国に先んじて原爆を使用しなければならなかったとしか思えないのです。 アメリカは、日本との戦争を早く終らせねばならない…そしてその破壊力の凄まじさを世界に知らしめる事で戦争を無くし、世界平和を…との認識に落ち入っているのです。 ナチス・ドイツが連合軍に降伏し、ヒットラーが死す。ソ連とアメリカの縮図がこの原爆実験へ到らしめたと考えるのです。 監督はクリストファー・ノーラン…映画「ダンケルク」の監督でもある事を一筆添えたいと思います。 2月19日(月)放映したNHK映像の世紀〈オッペンハイマーの栄光と罪〉このドキュメンタリーを見ていなかったら、私も理解しづらかった気がします。 核兵器は、今なお世界を脅かせ続けているのです。 人間の悪…底知れぬ誰もが持っている得体の知れぬ悪を知りたい…と若い頃から本を読んで来ましたが、人類がもたらす非情の悪を見せ付けられた思いがするのです。 メディアを通して見る世界、目を覆う惨劇が繰り広げられている事への憤りを…心底憎むのです。そして私達に出来る事…もっともっと身近にある私達に与えられた選挙権。投票する一票から考えて欲しいと願うしかないのです。もし心あらば…。 デパートのお菓子売り場は桜づくしです。こんなに平和に見える日本をどのように考えればいいのでしょう。 花染の裏庭にも季節が移ろいます。石臼を丹念に洗い、新しい水草を入れメダカが12匹、春の光の元で愛らしい姿を見せています。 4月・5月は展示会は致しません。次々送られて来る作品。ご覧頂きたい作品で店内は充実しています。常設に力を入れる2ヶ月を過ごしたいと思っています。暖かい良き日をお出かけ下さいませ。 街と歩くと道端に水路の脇に春の花が咲いています。歩みを止め、自然の成りゆきに目を留めて頂きたいと思うのです。 今月の「日常つれづれ」は、こんな感じで終ります。どうぞお健やかな日々をお過しくださいませ。いつも最後までお続み頂きまして本当にありがとうございます。 |
2024年(令和6年)3月7日 自然が動き始めました。嬉しい3月です。お日様が光を増し明るく輝いています。寒暖の差の厳しかった冬を越え、やっと来た春です。 良い事が待っていてくれそうな…きっと良い事があるに違いないと思わせてくれるのです。 そろそろ五感も覚醒してくれるでしょうか。たくさんのモノに出会ったり、見たり経験したり…自分の視点を広く大きく持つ事こそ内面を大きくする事に繋がるのではないかと思っています。 ちょっと疲れ気味だった2月。まだまだ寒かった花染の定休日の2月25日(日)。 日曜日・朝のコース~NHKさわやか自然百景~Eテレ趣味の園芸~日曜美術館そして読売テレビ…グっと地球便~所さんの目がテン「科学の里」これらは人間の英知を信じる事が出来る番組だと思っています。 一昨年から我が家に登場したやぐら炬燵の中にどっぷり浸ってテレビを見る怠惰な姿…。しかし、内容は余す所なく見ていますヨ。 日々、こんな状況とは裏はらに、テレビや新聞では悲嘆にくれる人々の姿を、目を覆う惨劇を繰り返し報道しています。 NHK「映像の世紀」「NHKスペシャル」も人類に問題を提起し、発信しているのです。立ち上れない程の事実を突き付けて来るのです。 2月19日(月)「映像の世紀」は『オッペンハイマーの栄光と罪』をドキュメンタリータッチで古いフィルムを掘り起こし…私にも理解出来るように組み立てていました。知識として知っている事実も多くありましたが…人間への憎悪・人間の悪に困惑し、悲しくなるのです。 2023年7月に世界的ヒットとした 《オッペンハイマー》の生涯を描いたアメリカ映画にも言及していました。 唯一の被爆国日本での公開予定はなかったそうですが、さまざまな議論の末、今年公開に踏み切った…との事です。 第ニ次世界大戦が拡大する戦禍の中、世界の科学者を原爆開発に巻き込んだのです。 たくさんのモノや事に出会い、思い考え悩む…苦しみの中から生まれて来る得がたい真実も多いのではないかとも思うのです。 いかなる高僧も、逃れられないものがある…。と何かの本で読みました。 この「日常つれづれ」の頁に、戦争が引きおこす罪も、ナチス・ホロコーストも、そして重い重い本の話も、いっぱい書いてきました。 美しい精神と姿勢があれば、思い惑う心を、元の位置に戻してくれるのではないか…との考えに到るのです。その場所に心を寄せたいと思うのです。最終的には、精神論になるので、難しい事は出来なくても、すべては感謝の上に立っているのだと…。 ちょっとホっとする、よろこびの歌。 いかにも新鮮な感動を私達に伝えてくれている…自然への讃歌です。志貴皇子は天智天皇の皇子なのです。 春一番は、村松学さんの「吹きガラスの展示会」です。
松村学 吹きガラス展
2024年3月12日(火)~3月23日(土) 10:30~17:00 24日(日)、25日(月)休み
舩木先生から脈々と流れる村松学さんへの道。今年も作品はタップリです。年を重ねる程に高まる枝術と美意識。美しいガラスは春の喜びを謳歌しているようです。 展示会中は毎日Instagramに写真を投稿させて頂きます。たくさんのお客様がご覧下さっていて、さまざまご縁を頂きました事に感謝しつつ展示会を楽しいものにしたいと思っています。 田舎から送られてきた「ひじき」。大豆・人参・しいたけ・あげ・レンコンなどを入れて優しく煮てみました。この季節…冷たい海の磯に入り、ひじきを取り、湯がき、天日で干し…大変な作業です。大切に美味しく出汁をとり煮ましたヨ。磯の香りが台所に漂い…故郷を思い起こさせます。 日本で暮らす事、日本人のDNA…祖母から母から受け取るお惣菜の味を、心より有難いと思う日々を送りたいと思っています。 すごい日本人が…ニュース番組・スポーツニュースは大谷翔平選手の話で今年もにぎわいそうですね。あの笑顔が世界中に溢れ、それがいつまでも続いて欲しいと願わずにはいられません。 桜も、そろそろ日本列島を南から駆け上がって来る頃ですね。美しく咲いて潔ぎよく散ってゆく…日本人の魂のようです。 まだまだ寒さも残っています。どうぞ気温の変化にお気をつけてお過ごし下さいませ。 |
2024年(令和6年)2月6日 どことなく春の気配を感じるようになりました。 2月3日を過ぎると暦の上では春なのですね。節分の豆まきをしましたか。寒いので鬼も家の中へ入れてあげましょう!! 店へ通う道端に、プックリと咲く紅梅の花が冷たい2月の空で映えています。そばの水路の脇に水仙が群生しているのを見付けました。 しかし日本列島は北から南から、長い列島なのですね。北海道は吹雪、伊豆では桜が…沖縄は夏日…。 私達は何もなかったように暮らしています。それがとても不思議なのです。 1月の大相撲初場所では石川県出身の大の里(おおのさと)が大活躍をしました。郷里を背って頑張ったのですね。敢闘賞を受けられた事は、郷里の人々に大きく貢献したと思います。 近年とみに思うのです。 人様にお客様にお世話になった花染…どうずれば喜んで頂けるのか… 日本列島は何時、何があってもおかしくない…自然災害が、いちじるしく多発しています。 作者は光孝天皇…権力にあまり興味を持たず、容姿も人柄も優れたお方だった…と。そして光源氏のモデルではないかとの説もあります。美しい天皇とこの歌があいまって、いつまでも心に残るのです。 NHK大河ドラマ「光る君へ」。時代と衣装を学ぶつもりで見ています。紫式部の好まざる方向へ進んでゆくのでしょう。美しい絵巻きを今後も楽しみにしています。 花染の裏庭で「ほととぎす」が一番に新芽を出しました。宿根草は静かにその時を待っています。メダカも暖かい日には水面に浮かび上りウロウロしています。ゆっくり泳ぎはじめると、そろそろ春です。自然界のバロメーターですね。 本格的な春が来ると花染はガラスの展示会です。 一昨年より昨年…そして今年。ますます上手くなる作品を眺めていると喜びを感じます。舩木先生の工房で修業をなさっていた頃から幾十年のお付き合いでしょう!!村松さんとの出会いに感謝しています。お仕事を共にさせて頂く事が心地良いのです。こんな有難い幸せを大切にしながら準備をさせて頂きます。展示会が開かれる頃には、そろそろ桜も開花を始めますね。 春の代表格のようなチューリップの花を買って小鹿田焼きのピッチャーに生けました。この小鹿田のピッチャー…最近、店の倉庫を整理していて見つけたのです。 そう言えば底の部分がふくらんで安定が悪いので、お売りしないでしまい込んでいたのです。懐かしいナァ~30数年前の小鹿田への旅を昨日の事のように思い出しました。 「春が来る!!」なんとも良い響きです。時代におもねる事なく流されず、そして時代を見すえ、前を向く。春のエネルギーを頂き、超アナログの暮らしを良しと致します。 そろそろおひな様も飾りましよう! 河井達之さんの小皿・豆皿…小鉢など、小さい作品をたくさん持って来て頂きました。スリップウェアー有り、呉須の作品あり…コロコロ食卓に表情を与えてくれると思います。 |
2024年(令和6年)1月12日 新たな年を迎えます。元旦早朝の初日の出!神々しい光景に思わず手を合せます。地球上に等しく降り注ぐ太陽に感謝の祈りを込めるのです。 たくさんの人達から頂いた地元のお野菜で、お雑煮を作る事から始まるお正月です。 家族の面影が、子供の頃から慈しんだ暮らしが脈々と受け継がれ、生活に生かされている事にも感謝しています。 「おせち」の中は古来よりの決め事が大切に詰められ健やかな一年を祈願する美しい日本の心です。 世界を日本を見渡し、この家族の絆が永遠に続いてくれる事を心より願っているのです。 そして真白いカレンダーに1年を託し仕事への覚悟を誓うのです。 2日の初詣は下鴨神社と年末から決めていました、春のような晴天…雲ーツない青空でした。広大な古代の趣きを残す糺の森は幾度お参りしても清々しい空気が漂い、新年に相応し佇いです。 コロナ明けと言う事もあり例年より沢山の人出でしたが、ゆるりとした時間が流れ、一年の無事を祈ったのです。 我家は一昨年の冬から「おこた」を出しています。このお正月も炬燵の中でまったり…お正月料理に明け暮れ、甘い物にもついつい手を出し、心も体もゆるみっぱなし…ホッコリです。 そんなこんなで、3日の朝、運動がてら京都・六波羅密寺まで行こう!!と思い立ち四条河原町から歩く事30分余り…観光客が比較的少ない裏の道を抜け、鴨川に架かる松原橋を渡り、東山の坂道を…。 混雑も心配していたのですが、思った程ではなく、ゆっくりお詣りが出来ました。 この六波羅密寺は、平清盛をお祀りしているのです。この辺り一帯は平家一族の屋敷が…平清盛が広大な屋敷を構え栄華を極めていたのでしょう。 壮大な時代絵巻きがくり広げられたであろう夢は…昔…。 こんな事を考えていると思い出すのです。 哀愁を込めて琵琶を奏でる…幽玄の世界。時間とご縁があれば「平家物語」をこの音色と語りと共に演奏する世界感を体感してみたいと思っているのですが…。 日本に京都があって良かった!! 大石静氏の脚本にも興味があります。男女の機微を大石さんらしい言葉で綴り、紫式部を表現して欲しいと思っています。 7日は七草がゆの日でした。土鍋で炊く白いお粥の中は春があふれます。邪気をはらい無病息災を願い、お正月の疲れを取り、胃を休めなさい…と言う先人の智恵ですね。 今年も皆様への感謝の気持ちを大切に…何をして差し上げられるかを考え、仕事に臨みたいと思っています。 皆様にとりましてもお健やかな一年となりますよう心よりお祈り申し上げます。 末尾になりましたが、能登で被災なさいました方々が安心して暮らせる日が一日でも早く来ます事を心より願ってお見舞いの気持ちと致させて頂きます。 今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 |