日常つれづれ(2022年)

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2022年

2022年(令和4年)6月6日
緑陰を渡る風。太陽と水と風を味方に清々しい初夏です。
そして夏の暮らしが始まります。のれんを掛け、扇風機を用意し、冷房の備えを致します。

器も、少しずつ暑い夏…仕様に変えていきます。そばちょこも〔陶器・磁器・ガラス〕と思いを巡らせると、毎日の暮らしに変化が生まれワクワクして来ますヨネ。

5月21日(土)コロナ禍以後、久しぶりに「しまもと古本散歩」を開催しました。
お若い人達のグループに、ご一緒させて頂き、小さく盛り上がりました。1日限定でしたが、ご遠方からの方もおありで…とても嬉しい1日を過ごしました。
私もなつかしい本を買ったり、本好きの人達とお話をする楽しさを満喫致しました。

その後、嬉しい事に藍で染めた小さなスカーフを下さったのです。主催者の中のお1人か染め物をなさっていて、ご自身で染めたのだそうです。
コットンが…藍の色が柔らかく、心を和ませてくれたのです。こんな思いやりのある「古本市」のメンバーに、私は、いつも感謝しているのです。

新刊も5月に色々買いましたヨ。本を読んでいると一瞬、私はその世界に没頭するのです。

5月の「日常つれづれ」をお読み下さった親しいお客様が、素敵な本を贈って下さったのです。その方のお友達のお嬢さんがお書きになった「傘のさし方がわからない」岸田奈美著…とても優しい…心和む1冊でした。
ほんのり暖かい、少しずつ心が救われてゆきました。

梅雨も近いですね。柴陽花の便りが、そこかしこから届きます。花染もたくさんの紫陽花をお客様から頂きました。店内に生けると、小さな店が、とても風情ある空間になりました。

Instagramの中にも、皆さんが投稿する紫陽花で溢れています。日本人は紫陽花がお好きなのだと…とても嬉しく拝見させて頂いています。本当にお上手に写真を撮られていますヨ。

日本の美しい四季にも、とでも敏感に反応していらっしやいます。Instagramの中は、名カメラマン揃いなのです。

この美しき自然を守りながら、私達の暮らしが存在出来れば…と切に願うのです。

島本町は、どんどん開発の大波が押し寄せて来ていますが、それでも少しだけ街なかに残っている田畑へ水を引く為の水路は、清らかな水をたたえ流れています。水辺に生息する昆虫や小鳥や…生きとし生けるものにとっては、こんな小さな自然でも、とても大切なのですね。

人間という生命体も、こういう世界を感じないでは生きて行く事は出来ないと思うのですが…。容赦なく破壊されてゆく…この光景が、今の島本町の現状なのです。

この大切な小さな街で40年余り生活をしていますが、とても愛しいと思ってます。
つばめの子供も、そろそろ巣立ちをします。田植えも終る頃です。水面に青い空。つばめが低空飛行をする光景が何時まで見られる事でしょう。

そんな愛しい小さな街で、何時もお客様に助けて頂きながら、仕事をさせて頂いて来ました。お年を召されても、人生のコツを上手につかみ、お元気に心丈夫にお過ごしの人生の先輩に、あらためて感動するのです。

小さな裏庭の紗羅の木に、そろそろ白い小さな花が咲く頃です。
訳あって小さく暮らす日々ではありますが、仕事を大切に育くんで参りたいと思っています。

日々の情報は「工芸花染インスタグラム」で発信させて頂きます。たくさんのお客様にご覧頂いているインスタグラムです。作家が作品へ込める思いが、より美しく表現出来ます様、頑張ります。ご覧下さている方に心より感謝申し上げます。

今月の「日常つれづれ」も短く終わらせて頂きます。皆様のご厚情に深く深くお礼申し上げます。
急に暑い日がやってきましたね。どうぞくれぐれもお気を付けてお過し下さいませ。

2022年(令和4年)5月11日

天候に恵まれた5月の連休でしたね。メディアが報じる 日本列島は楽しそうに、アクティブにお出かけする人々を写し出していました。

私は事情があって4月は半月程、店を休ませて頂きました。苦しさにもがく日々ではありましたが…それが人間が生きているという事なのでしょうか。そして小さな幸せを見付けたい…と願う日々を過ごしました。

家族が健康である事を、誰しもが願うのだと思うのですが、なかなか上手くいかなくて…

でも4月は、島本町の美味しい竹の子にも幸せを頂きました。たくさんの春野菜にも恵まれました。

心地良く吹く風…緑の若葉は、日々色を濃くしています。その中で、すっかり成長したうぐいすが上手く鳴く…。そんな自然の力を借りたいものです。

 
気分転換に、好きな本でも数冊買おうか…本を読んでいると何もかも忘れられそうに思うのです。集中する時間を持てば、その一瞬が違ったものを与えてくれるかも知れません。

静かに座わって一服のお茶を…甘い物を頂きましょう。甘い物は、ひととき幸せを運んでくれる様な気がします。

そして何よりお客様が待っていてくれる…いつも信じて支えて下さるのが嬉しいです。見たり聞いたり感じた事、すべてを言葉に出来ない事がもどかしいけれど、とてもとても感謝をしています。

現在は普段どおり、店は営業致しております。
お気がむきましたら…お出かけ下さいますれば嬉しいです。

日々の情報はInstagramで発信させて頂きます。
何気ないけど愛しいものを、昭和色の濃い私の出来る事を…優しい気持につながるものを投稿して参ります。

時々散歩をする路々の自然は、すでに変化しています。田植えの為の準備が始まりました。まもなく水が張られ、美しい光景が広がるようになります。自然は順調に前をむいています。

 
この月は、こんな感じで終ろうと思います。どうかお健やかな日々をお過しになられますよう…
今後共、末永くよろしくお願い申し上げます。

2022年(令和4年)4月3日

日本の春…桜の花が満開です。青い空と桜の色は、とてもよく似合います。そして私達を晴れやかにしてくれますね。
私も毎日、家から店までの、たった5〜6分…
昨日は一分咲き…今日は三分…と桜の咲く路を走り、毎日ウキウキしていました。

待つ日々も…咲いても嬉しい…そしてハラハラと風に舞い花びらが、地面や川面を染める…そんな美しい日々を、ここにしばらく楽しみたいですね。

桜の花は、自分の歴史の数だけ色があります。小学校の校庭に咲いていた…単純に楽しかった日々。
友と仰ぎ見る花の色は希望で溢れ…大人になる程に見る桜の花は背負う人生によって色とりどり異るのです。

日本人が桜へ託す思いは格別の意味があります。
西行法師は「桜の木の下で死なんとぞ思う…。」と詠んだと…記憶の中にあるのですが、桜の花にみる死生感は、日本人独特のものなのでしょう。

先月「村松学・河井達之2人展」へお出かけ下さいまして本当にありがとうございました。今だ消えぬ不穏な中、様子を見ながらの展示会でしたが、滞りなく終える事が出来ました事、心より感謝申し上げます。

この所、公私ともに忙しい日々の連続でしたので、ちょっと気を抜くと集中力が切れ、疲れた体と心を持て余していました。

ふらりと…出かけたいナァ〜と…。
人里離れた…京都市左京区『曼殊院」へ。人が訪れる事も少ない山里にひっそりと佇んでいるのです。

静寂なる空気…まれに人に出会うくらいで山里の路を風の音とうぐいすが懸命に鳴き、迎えてくれるのです。
3/28(月)の山里は、桜はまだまだ…もみじも、やっと芽吹き始めたところでした。赤い椿の花が、とても印象的で、その美しさに、もて余していた自分の心も、自然と穏やかになってゆくのです。

曼殊院は、観光地とは一線を画す存在であり名刹だと思うのです。

ひなびた佇いではありますが、狩野永徳筆の虎の間の襖(桃山時代)。滝の間・富士の間・黄昏の間の襖は狩野探幽筆。オリジナルそのものを拝見出来るのも、人里離れ、人の訪れも少い曼殊院ならではです。

穏やかなる光と身も引き締まる…冷たい風は私達に、ほど良い緊張をもたらせてくれるのです。

山里の小路をアップダウンをくり返し、ゆっくり30分…詩仙堂へ…。ここは観光シーズンには、人で溢れる人気のスポットなのです。
20幾年ぶりに訪れた、シーズンオフの、この界隈は静寂の中に佇む良き風情を醸しだしていました。

時の流れが止まった様な…春の準備の途上ある空気感に包まれ、それだけに何にも変えがたい時間が存在していたのです。シシおどしの音が響く中、清められたお庭を歩かせて下さったのは、とても幸せな時間でした。
椿の花…ボケの白い花が…黄色い花が…池の鯉が…森羅万象、ことごとくが穏やかに私達に対峙してくれたのです。

久しぶりに出会った落ち着いた時間を与えてくれた曼珠院と詩仙堂でした。

これからの季節、この辺りはすっかり様相を変えてゆく事でしょう!!
桜の花が…5月の新緑の頃…つつじが咲く頃…紫の鉄仙の花がからみつく頃…そして紅葉の頃。

日本の美意識の高さに…日本に暮らして本当に良かったと心から思えるのです。

私共の裏庭にも小さいながらも季節が移ろいます。石臼を丹念に洗い新しい水草を入れ、清らかになった水の中で、元気に泳ぐ14匹のメダカ達…。
紗羅の木は、いかにも愛らしい新芽でおおわれ、これから4月、5月、6月、小さいながらも美しい空間になるのです。

日々変化する自然の営みに、太陽や風に感謝するのです。

食材も春は芽吹く力を私達に与えてくれます。ふきのとう、菜花、タラの芽。島本町から京都西山へかけての竹の子は、絶品なのです。美味しいものを頂くのは幸せを運んで来てくれそうで嬉しいですね。

私共の店内も、たくさんの作品で充実しています。大切な大切な作家さんや作品に感謝しています。
これからの暖かい春本番の良き日を、どうぞお出かけ下さいませ。心よりお待ち致しております。

観光案内のような「日常つれづれ」で今回は終わらせて頂きます。

2022年(令和4年)3月4日
朝起きると、明るい空か広がり…朝日がオレンジ色を増し、溢れんばかりに輝いているのです。すべてを忘れて元気になります。自然も動き始めました。店の小さな裏庭にも、やっと二葉葵の芽が姿を見せ始め…例年より遅いながらも、ほととぎすも愛らしい緑色の若葉を出ました。
本格的な春が来た事を教えてくれるのです。

地球上は不穏な空気でおおわれていますが、自然は豊かな恵みを惜しみなく与えてくれているのですね。

3月は特別な月なのです。3月1日…私共の39周年記念日でした。毎年、よくぞここまで…と来し方を思わず振り返ります。山あり谷あり…尋常では過ごせなかった年月に思いを馳せるのです。
数々の出来事を思い起こすと、学ぶ事の多かった年月でもありました。そして、現在の私を支えてくれているのだと、今にして思うのです。
たくさんの方々とのご縁も私の大切な宝物です。

4年前、35周年をお客様とにぎやかに過ごした事が思い出されます。柴田先生とご家族…。そしてハープ奏者の水川亜紀さんが優しい音色を奏でて下さる中での酒宴は、より楽しさを盛り上げてくれたのです。

「次の40周年まで私の体力が持つかナァ〜。花染は続くかナァ〜!!」「出来る!出来る!」と皆様に力強い言葉を頂いた事が昨日のようです。アっと言う間でした。
来年は40周年…。驚いてしまいます。

すでに40年目に突入です。「一生懸命は奥が深い!!」と我身に念じつつ…思いを込めて前を向きます。

花染のインスタグラムも、直接参加はしていなくても、たくさんのお客様が見て下さっています。そしてお声をかけて下さるのです。嬉しくもあり…ちょっと面映ゆくもあり…と言ったところです。本当に有り難うございます。

最近 BS・NHKで放映した宮尾登美子の『蔵』を3部一挙・3〜4時間、腰をすえて見入ってしまいました。
雪深い新潟…言葉につくせない人々の心情が胸に響くのです。人間の「明と暗」宮尾登美子の描く世界に、私は心酔してしまうのです。

「雪がシンシンと降る音が聞こえる…!」聞こえるのです。私が尊敬する作家の力量です。

久しぶりに本棚から『蔵』上下を出し…手の中へ。私にとって大切なものなので、驚く程綺麗な状態であった事が、嬉しかったのです。

本の装丁・帯はすべてを物語ります。それも、全く損傷する事なく…。私を釘付けにしてしまいました。本の姿、そのものも美しいのです。装丁の力です。

本の出版は1993年9月…28年前です。毎日新聞連載は「1992年3月〜1993年4月まで」宮尾登美子が連載中「こんなことは初めて」と語るように、驚く程の反響があったのです。オーバーではなく、それは社会現象のようでもありました。
生きる哀しみと喜びを描きつくした宮尾文学の逸品なのです。
装画さし絵は智内兄助…毎日新聞連載の頃から読者の心をつかみ、評判となり、私も両者にどっぷり浸ってしまったのです。

その後まもなく、さし絵を含む智内兄助の作品展が開催され、熱い思を抱え見に行った若き日が鮮明によみ返ります。
語れば益々長文になりそうなので、この辺りで…。

尚、帯には『生きる勇気』とあります。生きる事は軽くはないのです。ファッション的でもなく…。今、生きにくさを抱えている若い女性こそ読んで欲しい宮尾文学なのです。

この「おこもり生活」を少しでも元気に過ごしたい…本や新聞など活字が友達です。
テレビ欄を細かく探してゆくと、とても良い番組に出会うのです。再放送も含め、さぐりあてる楽しさも捨てたものではありません。さぐりあてたものは哀しくもあり、美しくもあり…そして辛くもあり…人生は、人の歴史は…そして偉大なる地球の自然の力にも感動するのです。

おこもり生活の中で与えられるものも沢山ありますが、自分でつかみ取ったものでないと、時間が経過するほどに記憶が薄れてしまうのです。
行動を起こし自身で体感する事こそ大切な気がします。

先日2月27日、終盤近くなってしまった『岸田劉生と森林・松方コレクション』を岡崎・京都国立近代美術館で拝見して来ました。

劉生の初期から晩年までの画風の流れを見る事が出来たのです。
こんな状況下なので、人混みを避け、朝一番、開館と同時9:30入館しました。入館者の少ない中で、ゆっくり出来たのも有り難かったです。

関東大震災を機に京都に転居し、南禅寺あたりに居をかまえ、2年半を過ごした時期があった事も、初めて知りました。

ゴッホに影響を受け、白樺派の人々と交わり…私の好きな方々の名が…彼の一連の流れの中に登場するのです。高村光太郎が、志賀直哉が…バーナートリーチが…かかわり合った良き時代が見えて来るのです。

彼の最大の支援者だった芝川照吉。その時代の画家達とのあつれき…等々、劉生が生きた時代に思いを深くするのです。

明治に生まれ〜大正〜昭和初期を、美の深求を深くしながら生きた38年の短い創作活動であった事が、いかにも惜しまれます。

そして、森村・松方コレクションの中の青木繁『女の顔』が妙に印象深く胸裏に鮮烈に残ってしまった事を書き留めたいと思います。

そして。私の中にあるもう一点。大原美術館が持っている、林武『梳る女』に思いを至してしまったのです。中学生の頃から、その色彩と女性の姿が、ずっとずっと胸の内に残っているのです。

女性を描く、絵画のモデルは、ほとんどの場合、男性目線なのが、いつも気になります。はんなりとした優しい女性像が多いい気がしてなりません。

ここに挙げた2点の作品は、それ程大きな作品ではありませんが、しっかりとした強い意志を持っている…その表情に私は強く惹かれるのです。

コロナ禍の中、あきらめざるを得ない事も沢山ありますね!
オリンピックを見て思う事…そしてパラリンピックも…。
問題を抱えなから明日…又、前を向く…そして幸せはコツコツ見つけるもの…と最近思うのです。

そんな思いと平行して、私共も展示会を致します。

春の光とともに…
村松学・河井達之2人展
2022年3月15日(火)~3月26日(土)
10:30~17:00 20日(日)21日(月)休みやっと明るい光が…そして春が来ました。日々がめまぐるしく変化しています。
そんな中で、お2人に若々しい展示会をして頂きます。
村松学さんは舩木先生のお弟子さん。河井達之さんは河井久先生のご次男です。次の世代がやって来ています。そして作品も、それぞれの形が出来上がりました。
日常の作品が揃います。日常という事が、如何に大切か…。大きく動く時代の中で、その素晴しさを実感出来る作品展にしたい。と思っています。
是非お出かけ下さいませ。心よりお待ち申し上げております。

これから、うぐいすも幼いヨチヨチ歩きで鳴き始めます。
最近、開発が進み過酷になって行く島本町の自然ですが、大切に鳥や虫や草木の声を…風の音を聞いてやりたい…と思う今日この頃です。
どうぞ、この不穏な中、くれぐれもお気をつけてお過し下さいませ。

2022年(令和4年)2月3日

またたく間に過ぎて行った1月。異状とも言える、この地球の危うさを、どうする事も出来ず、1日が暮れゆきます。そして再び明日が来るのです。
それでも東の空に変わりなく昇る朝日は美しすぎて、よけいにその落差に複雑な思いを抱くのです。

今日は2月3日節分です。豆まきを毎年、滞りなくやるのですが、たくさんの豆を食べ、年の数だけ…なんて…だれが決めたのでしょうね…と、これも毎年同じ会話を致します。


しかしながら、節分が過ぎ立春となると春の足音がゆっくり近づく気配が見えます。自然が動いているのを確かに肌で感じ取る事が出来ます。
日本には春を待つ詩情豊かな風物が溢れているのですが、その穏やかな優しい感性も、「おこもり」の日々では世間が狭くなってしまいそうです。

「春よ来い!!早く来い!!」お外へ出られない日常に心が痛いです。

そんな日々の中にあっても、長年書き綴った「日常つれづれ」への思いは深いのです。
早朝、店へ出かけ、シャッターを閉めた中で書き始めるのです。店へ来ると、仕事モードに切り変わります。
まずカウンターから、すべてを排除し、シャーペンと紙以外は目の前から無くします。

自宅では、生活が見えて来るし、あれもこれも気になり、気が散ってしまい集中できないからです。
ちょっと前までは、何処ででも書けたのです。電車の中ででも、思いついた事を書き出すと、ペン先から言葉が溢れていました。
年と共に集中力にも、体力にも陰りが見え…一気に進めるには体力がいるのだと気付いたのです。

私共の店のカウンターは巨大です。タモ材・長き235cm・厚さ60cm・一枚板…
見事なのです。この存在に助けられて、すべての仕事をこなしています。

物書きの机にも、お客様の接客にも、そして、もろもろ全ての仕事をも容認してくれる包容力があるのです。

奥との境には、芹沢銈介の若い頃・オリジナルの暖簾が…状況は整っています。

数百年の広葉樹のカウンターの年輪は、私に生命を伝えてくれるのでしょうね。このカウンターの力強さは、無意識に私の支えになっているのです。

最近は、軽いもの…一枚板で作らせて頂くとしても、優しく軽く作る事を求められる事があります。
私は重厚なものが好きなのですがねぇ〜。余談ですが、事の条理も、もろもろ森羅万象、重いものに心引かれるのです。重いものを包えて人生を送った先人達や小説に出会うと、並々ならぬ魅力を感じてしまうのです。

最近作らせて頂いた中から2点…写真を上げたいと思います。

小ぶりではありますか、しっかり日本の伝統に乗っ取った仕事を丹念にお作りさせて頂きました。木工作家・細江義弘氏の手によるものです。

今年の最初の家具の仕事になるだろうものは、大きなリビングの大きなテしビ台になると思います。
少しずつ、私の中でデザインをまとめてゆく…使い勝手、佇まい…など考慮しながらの仕事は、楽しくもあり、責任重大でもあるのです。形が無いものを形にしていく…

お客様のご希望や生活形態を聞き取りながら入念に打ち合わせ。とても大切な作業です。
こんな嬉しい仕事は長年の信頼あっての事です。お作り頂いた方が1ツまた1ツつと増やして下さる…そんなご注文が多いのも嬉しい事です。

そして、私自身がー番励まされる事…それはお客様が素敵に生活の中でお使い頂いている事。
お作りさせて頂いた家具などの写真のアルバムを見ると、花染の歴史が見えて来ます。38年…作品1ツ1ツにお客様と私…そして作家「細江義弘」の3者の深い思いが、お顔が浮かぶのです。
ご遠方の方もいらっしゃるので、今、どうなさっているかナァ〜と写真を見ながら思いを巡らせるのです。

私も超アナログ人間だけれど、花染の仕事は全て超アナログ…お家で過ごす時間は、とても大切だと思います。今は不自由な慕らしですが、こんな事を考えながら丁寧に過ごそうと努力する日々なのです。

お正月からの残りのお餅を、小豆を煮て、おぜんざいにしよう…! 甘い美味しいものへの愛は止まる事はありません。

大根の頂いたものを又、又、干し大根にして…これは我家の冬の風物詩。
ベランダで寒風を受けて美味しく仕上がります。そして近しい人へおすそ分け!

2月の展示会はお休みです。
3月15日(火)〜26日(土) 村松学(吹きガラス)・河井達之(陶器)2人展
楽しく準備をしています。春の光とともに素敵な企画で皆様をお迎え出来ますれば幸せです。

節分が終わればおひな様。やっと春が来る…!!
梅の花も、蝋梅の花も、芳しい香りを漂わせ、我が裏庭の石臼で冬眠しているメダカも、そろそう目覚める頃です。

何よりも太陽が暖かい日の光を与えてくれる様になります。

そうそう2月はバレンタインデーもありますね。どんなチョコレートにしょうかナァ〜。
それとも、チョット高価な贈り物…イヤイヤですね。

お目にかかれる日を楽しみにしています。くれぐれもお気を付けて下さいませ。
春はそこまで…。

2022年(令和4年)1月10日

美しく輝く初日出。新しい年を迎える、この地球が、そして私達の暮らしが無事であって欲しいと、思わず太陽に手を合せます。
元旦の朝、この島本町は、うっすらと雪景色でした。見上げる空は、どこまでも青く澄み渡り、この地球を愛おしんでくれている様でした。

年を重ねる程に、今がこうしてある事に感謝の思いがい深くなります。
自然の恵がいっぱい詰ったお節。古来よりの決め事を確かめながら、日本文化の美しさを教えて頂くのです。

そして温かいお雑煮。ふる里の父母との暮らしが蘇えり、ちょっと切なさも…。私の中に、お正月の暮らしの中に生きている母の面影を大切にしなければ…と新年に思いを込めたいと思います。
日本の豊かな感性あればこそですね。

私の初詣は、今年は奈良・春日大社と奈良国立博物館と決め、2日、早朝に出かけました。昨年から決めていたのです。

藤田美術館 所蔵・竹内栖鳳筆「大獅子図」奈良国立博物館に展示されているのです。

大阪・都島・藤田美術館は藤田博三郎(1841~1912)の蒐集に始まるコレクションです。

明治に入り、廃仏毀釈の嵐か吹き荒れる、その時代にあって、壊されたり、安価で売買されたり、海外に流出する日本文化を、力の限り手元に求め集められたのです。その数は日本最大とも言われています。

どうして明治は、日本文化を軽視する様な事がおきたのか…。その事も含めての奈良国立博物館だったのです。私は全くの素人なので、こう言う事に出会うと美術史を学びたい衝動にかられるのです。
学校で学んだのは、岡倉天心とフェノロサの業績と活動くらいですネ!!

4~5年前から、長期にわたり藤田美術館はリニューアル中。
2022年4月・リニューアル後のオープだそうです。
楽しみではありますが、人で溢れるでしょうから、しばらくしてから…となりますでしょうか?

竹内栖鳳の「大獅子図」はこの度で2度目の拝見となりますが、その姿に言葉を失うのです。
この様な明治の頃にあってヨーロッパへ留学し、西洋美術を学び帰国後、筆をとった作品だそうです。遠近法が用いられ、日本の絵師達の先をいったのだと思います。
虎の絵図はたくさんあるけれど、たぶんライオンは描かれた事はなかったのでは…。

ずっとずっと昔、京都美術館(現・京都市京セラ美術館)で栖鳳と上村松園の師弟展が催された折、初めてこの「大獅子図」を見て驚き…虜になってしまったのです。

その折、やはり見たい見たいと願っていた上村松園「序の舞」にも出会わせてもらいました。
先月12月の「日常つれづれ」に書かせて頂いた宮尾富美子に通じる話です。写真で見た事はありましたが、実物を拝見し、その美しさに若い私は、震える思いでした。
想像していたより大きい作品から受ける印象は夢のようでした。

そして、宮尾富美子の小説「序の舞」がよみがえるのです。もし興味をお持ち頂ければ読んで欲しいと思うのです。

京都嵯峨野にあった竹内栖鳳美術館へも、奈良の松柏美術館へも…とにかく開催される展覧会は、ことごとく出かけ…のめり込んだ日々がありました。

そして又、今回の奈良国立博物館で思わぬ事にも出会わせて頂いたのです。
重要文化財・金剛力士立像・阿形(像高505.8cm)吽形(優高506.2cm)見上げる巨像…全身にみなぎる力動感…圧巻でした。
特別公開とあり、写真撮影OK…にも喜んだのです。

南北朝時代(1339)吉野郡吉野町に位置する金峯山寺(きんぶせんじ)の仁玉門(国宝)に安置される…と…。
運慶・快慶が造立した奈良東大手南大門像に次ぐ大作として高い価値を有している…と説明されていました。
それをスッピンで見せて頂いた事の凄さに驚愕したのです。

そんなこんなで時間は過ぎ、午後になり、春日大社へお参りに行った頃には、人波で溢れていました。写真を撮るのも一苦労。良い映像にはなりませんでした。
絵馬と破魔矢は買う事が出来ました。

またまた、仕切り直して出かけたいものです。ここから続く万葉植物園へも行きたいし…新緑の頃にしましょうかねぇ~。

そうこうしている内に七草がゆの日も過ぎ、本格的に始動です!
不穏な空気の中ではありますが「笑う門には福来たる!!」これで行きたいものです。
そうだ!!たくさん頂いた柚子で柚子ジャムをたんと作りました。
この2~3日、店へ持って来て、柚子湯を作って飲んでいます。とっても美味しいです。よろしかったらお出かけ下さい…!

今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。お目にかかれれば嬉しいです。風邪は万病のもとです。くれぐれもお気をつけてお過し下さいませ。

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