- Home
- 日常つれづれ(2018年)
日常つれづれ(2018年)
2024年|2023年|2022年|2021年|2020年|2019年|2018年|2017年|2016年|2015年|2014年|2013年|2012年|2011年|2010年
2018年
2018年(平成30年)12月3日
なんと慌ただしく月日が過ぎていくのでしょう。11月も終わろうとする連休(23日・24日・25日)明けの月曜日・・・もう観光客も少しは落ち着いたかなぁ~と思い京都・東山界隈に紅葉を愛でに出かけました。 秋も、もうすぐ終わる一瞬の佇まいです。 東山一帯に紅葉の名所は数々ありますが、3本の指に入るだろうと思う、この永観堂を、早々に引き上げ、その後、バスへも乗らず四条河原町まで歩く事にしました。バスの混雑も、ただ事ではなかったのです。 話は変わります。 手書きで1文字ずつ書いていく作業は、超アナログ人間としては楽しいのです。その中に、私のつたないイラストを入れ、それに色えんぴつでカラフルに色付けをするのです。夜な夜な、夕食後、色を差していく事も、子供の頃のぬり絵のようで、結構好きなのです。色彩のバランスも考えつつネ! A4の紙に繰り広げる花染の世界。展示会を開催する月に発行するのですが、店にしか置いていないので、花染に来て下さった折に、お持ち帰り頂けると、とても嬉しいです。 ネットはしない・・・でも花染の「日常つれづれ」は読みたいのだけれど・・・。そんなお声に励まされ、始めた通信ではありますが、今ではネットをして下さる方も、書き上げるのを楽しみにしてくれています。 さぁ師走です。世間はクリスマスとお正月が同時にやって来ます。 可愛いものが苦手ですが、普段とは異なった空気を楽しんでいます。 それに、うるしの器が加わると鬼に金棒ですね。お正月はこれで万全です。 菜園をしている人からも、里芋、小松菜、ほうれん草、大根などを頂きます。みずみずしい野菜に元気を頂くのです。 赤地健・径氏のアートのような干支が届きました。 師走のお忙しい時期ではありますが、晴れの日の為に、お正月の準備の為に、ぜひお出かけ下さいませ。きっと心を豊かに満たしてくれるものに出会って頂けると思います。 そして、今年も本当にありがとうございました。たくさんの温かいお力添えをいただき、一年無事過ごす事が出来ました。 |
年末は29日(土)まで営業致します。(日・月曜日・定休日 年始は5日(土)より開店させて頂きます。 |
2018年(平成30年)11月9日
朝早く目覚め、真っ暗な中、起き出し、東の空が、しらじら明けるのを待つ冷たい朝。秋が深まっていくのを感じるのです。 つい先日などは、木枯らしの様な冷たい風が吹き、寒さに震えましたが、11月に入って、すっかり行楽日和です。秋の晴れ渡った青空、日本の美しい紅葉を、一層美しいものにしてくれることでしょうね・・・。 その京都で、折々職人さん達の仕事を目に致します。「すごいナァ~」の一言に尽きますが、最近、全く新たな感情が私の中に芽生えたのです。人知れずコツコツと日々研鑽を怠らず、ひたむきに仕事に打ち込んでいると思われる職人さん達を想像すると、胸が熱くなるのです。こんな紙面で語り尽くせない偉業を積み上げてきた姿は、本当に偉大です。 お天気に恵まれた10/27(土)・ 10/28(日)の「一箱・古本市」は大盛況のもと、お世話する方、そして私も含め右往左往致しました。 その中に、今回、宮本輝の小説がたくさんあったのですが、その話で盛り上がったり・・・。「宮本輝の小説は全て読んでいる・・・。」と言う女性がいたりして、お話は尽きることがありませんでした。 人の心を打つものを人知れず型にする、才能がある人間に心温まるものを頂くのです。 美しい大・小の作品を肌で感じさせて頂いた2週間でしたが、同時に、この絨毯を、ひたむきに織る女性達が、幸せであって欲しいと願わずにはいられません。 12月は師走の月です。毎年お正月の為の展示会を致します。
大切なお正月を無事迎えられます様、心を込めて準備をしたいと思っています。 舩木倭帆 花入・山茶花 |
2018年(平成30年)10月10日
秋がはっきり目に見えるようになりました。 そんな心地良い風情の中で、朝日新聞「人生の贈り物」のコーナーは五木寛之でした。 しかしこの「青春の門」は、未完のまま、数十年をそのままに放っておかれているのです。9部まで進み、12部まで続く構想だったのだそうです。後年、彼は仏教を学ぶ、人生観をお持ちになった・・・と記憶しています。 たぶん、彼のファンそして多くの読者は、この未完の「青春の門」を待っているのだと思うのです。 何時も、何処か、くすぶり続けていた気持ちと対峙しながら毎日このコーナーを読みました。 そうこうしていると、新聞の一面は「本庶佑・ノーベル賞」とメディアが沸き立っています。 そんな心地良い風が吹く田舎町ですが、課題もたくさんあるのですヨ。 でもでも、再び「しまもと秋のさんぽ~2018 一箱古本市」が10/27(土)・ 10/28(日)2日間開催です。島本町内外の本好きの若い人々で運営なさるのですが、私も第一回から、その中に加えて下さっています。 8月の暑い中、私の大阪での母親の様にしてくださっているAさんが「本を整理したい。取りに来る?」と声をかけて下さったので即刻出かけ、たくさん頂いて帰りました。もともとすでに私の元に集まっている本を合わせると、かなりの量になりますが、多い方がありがたいです。
これから秋は急速に深まっていくことでしょう。窓を全開し、胸いっぱい深呼吸をすると、生きている事の大切さをしみじみ思うのです。すばらしい日本であり続けて欲しいと願うばかりです。 |
2018年(平成30年)9月3日
やっと9月です。とんでもなく暑かった7月、8月。絶望的な思いで空を見上げると、抜けるような青い空、綿菓子のようなフワフワの雲、そして容赦なく照りつける太陽に圧倒されてしまうのです。 こんな8月の日々を「ボーッ」と過ごしてしまいました。外出もひかえ目だった事もあり、おかげ様で、久しぶりに高校野球に明け暮れ、一喜一憂し、釘づけでした。 そして、その後、30才代は、よく甲子園に行きました。故郷の高校が、準々決勝ぐらいまで進むのを見計らって行くのです もう一つ、私の身にも大きな喜びがありました。 数年前、本屋さんで探し、ネットでも調べたのですが・・・。 人とのご縁は本当にありがたいです。まだまだお若い40才くらいの方ですが、気持ちを優しく汲み取るお人柄にも感動しました。こんな喜びは、めったにあることではないと思うと涙が溢れそうでした。 9月は展示会を致します。
そうそう先日木村拓哉・二宮和也の「検察側の罪人」を見てきましたヨ。 それにしても季節の変わり目が、とてもあいまいになりました。それでも秋の気配が1ツ1ツ目にとまります。山側から吹く風は湿気と冷気を帯び、道端のすすきの穂が揺れ、赤とんぼが暑い日差しの中を勢いよく飛び、虫の声が、草むらから弱々しく聞こえる。 9月18日〔火〕からの展示会の頃には、秋の風情を感じる光景であって欲しいものです。 |
2018年(平成30年)8月8日
何と言う暑さでしょう。いろいろな表現がされている今年の夏は、人間の英知をも狂わせてしまいそうです。6月の地震、7月の豪雨によって被害を受け、立ち直ろうとする人々を容赦なく襲うのです。 新聞の片隅に小さな記事を見つけたのが7/13(金)。 京都・大阪・神戸3大都市での短期間の上映でしたので、即刻7/15(日)期待を胸に出かけました。 美しい日本を知らない子供達・美しい日本を忘れかけている大人達に贈る...。極上の映像によって次々と写し出される美しき国土。地球の成り立ちからしても、日本列島は奇跡の列島なのです。 この小さく細長い国土に凝縮された四季色折々の自然、山は険しく、川は急流をなし、奇跡が奇跡を作り、今の日本列島となっているのです。この圧巻の絶景、この映画をすべての日本人に、世界の人々に見て欲しいのですこの映像で体感する2時間余りは、日本人である事を誇りに思い、心打たれるのです。 挿入歌「ふるさと」...歌詞とメロディーが持つ絶大なる精神に参ってしまいました。「いかにおわす父母・・・つつがなしや友がき・・・」、不覚にも涙が溢れました。悲しいのではなく、この美しい日本に生まれ育まれ、成長してきた軌跡が画面とともにオーバーラップし、胸に迫るのです。 そんな折、丁度、時を同じくして、朝日新聞「人生の贈り物」は「志村ふくみ」さんでした。このコーナーは何時も楽しみに読ませていただいているのです。 民藝の先人達とも深いご縁で結ばれていた関係で、2度お目にかかった事がありました。ふくよかなそのお姿、佇まいは、仕事一筋に偏らず、より一層深い柔軟な豊かさをお持ちなのだナァ~と、あこがれにも似た感情でながめた事を思い出します。 15~6年くらい前、滋賀県立美術館で、集大成とも言える大がかりな、展覧会が催され、拝見させて頂きました。「こんな色がどうして...こんな織りがどうして...」とあまりの美しさに時を忘れてしまいました。 その後2016年(平成28年)2月~3月・京都国立近代美術館で、大きな展覧会をなさいましたが、残念ながら拝見の機会を逸してしまいました。 昔、30幾年前、私がこの仕事に打ち込み始めた時、フッと感じたことがありました。その当時、まだまだ若輩ではありましたが、人生に無駄な事はない...喜びも哀しさも、辛く苦しいことも、涙も、そして仕事以外の勉強も読書も、絵画も自然も森羅万象すべてが、自分の血となり肉となる事へ繋がり、自分を豊かにする事へと繋がっていることを実感したのです。 6月の地震の折、事務書類を入れる棚の1番上から箱が落ちてきました。たくさんのお手紙を仕舞っていた箱でした。 それにつけても、志村ふくみさんのあのお顔は、お姿は、何と美しいのでしょう。94歳の日々は、たくさんのお仕事に満たされ、歩んだ道程が豊かであったからでしょうか。 お盆休みまで、あと幾日でしょう。あまりの暑さに、お客様もまばらでした。ちょっと寂しい思いでした。 花染の夏休みは、8/12(日)~8/16(木)までです。 今回もつたない「日常つれづれ」をお読み頂いてありがとうございます。 |
2018年(平成30年)7月11日
突然の地震でした。6月18日(月)、朝食を終え、立ち上がりかけたその時、ぐらっと衝撃が来たのです。食器棚の上に飾っていたガラスの蓋物が真っ逆さまに落下。あわてて隣の部屋の飾り棚にかけ寄りました。ギリギリの所でセーフでしたが・・・。 舩木先生の作品は高い位置に、それも奥行きの浅い棚に置いているのです。全く動いた気配がなかったのですコロコロ、ポロポロ落ちた作品もありましたが、被害は最小だったと思います。 割れたものを片付け、余震の不安もあるので、高い位置の作品のみ下ろしていると、心配してくださる人々のメールや電話が入り始めました。店に居ても気分が悪いので、早々に家に帰り、お返事をしたり・・・でその1日は瞬く間に過ぎました。 翌日19日(火)は、普段通り営業しようと、高い所も含め、元の位置に戻し、この機会に大掃除をやろうと変に頑張ってしまいました。 私も平常心で仕事をする努力はしましたが、余震がある度、気持ちが悪く、落ち着かない日々が続きました。 「涼を誘う・吹きガラスとのれん展」の丁度、真っ只中の地震でしたので、中途半端なことになってしまいました。 引き続き、そのまま、7月・8月展示会を致します。暑い夏を涼やかに過ごして頂ける品が、そして普段遣いの美しいガラスの器がいっぱいです。お気に入りのモノと出会って頂ければ、この上もなく嬉しいです。 ちょっと嬉しい話が2つです。 もう1つ・・・。裏庭のメダカが子供たくさん生みました。今までは、どうして良いか分からず、どうも食べられてしまったようで、昨年は1匹のみしか助けてやれませんでした。 その姿を見るのが可愛くて、毎日楽しみにしています。1年で、約1.5cmくらいになるでしょうか。そのくらいの大きさになると、食べられる事もなくなりそうです。 私も、このところ気持ちの晴れない疲れた日々を送っていますので、メダカと暮らす日々は、心和みます。 そんなこんなが重なって、「日常つれづれ」も元気がない日常で終わります。皆様もどうぞお気をつけてお過ごし下さいませ。フラリとお出かけ下さるのをお待ち致しております。 |
2018年(平成30年)6月4日
瑞々しい光景が広がっています。田植えが終わり、水面に白い雲、青い空が・・・。どこからやってくるのか、蛙が「ゲロゲロ」と鳴き、これからの梅雨の季節を待っています。水の豊かな島本町は、緑が溢れ、光が溢れる麗しい日々です。 何がある訳でもないのですが、今年に入って幾度か京都・左京区の「哲学の道」を疎水沿いに歩きました。銀閣寺道から南へ下るのです。脇を平行して流れる川は南から北へ・・・。 琵琶湖から流れ出たと思われる大きな鯉が、私達の目を楽しませてくれました。 あまり人が訪れない季節外れの2月末、この山門前におびただしい数の赤いやぶ椿の花が散り落ち、アッと息をのむ風情は、この世のものとは思えません。 日々の暮らしの中で、ちょっと感動したお話です。 話すほどに話は奥が深く、多趣味ゆえに話は楽しく、貴重な時間でした。 もう一つ偶然、凄いものに出会ってしまったのです。 6月展示会を致します。
6/21は、早くも夏至。半年はまたたく間に過ぎ、本格的な暑さがやってきます。 5月に入荷した赤地径氏のそばちょこは、とても斬新で、今までのイメージを変えてくれます。絵変りを種々揃え、華やかに食卓を演出してみるのも素敵です。大きくゆったりしているのもオススメの一因です。普通サイズのそばちょこもあります。 花染の裏庭の紗羅の花も咲きました。水引き草は、たくさんの葉を茂らせる、日に日に大きくなります。 緑美しい小さな庭です。 |
2018年(平成30年)5月9日
とても良い季節ですね。マンションのベランダで風を受け、泳いでいた小さな鯉のぼりも、姿を消し、ゴールデンウィークも終わってみるとアッという間でした。 この季節、私は、京都植物園へブラリと出向く事があるのですが、とても身近にある、風を感じることができる場所なのです。私の痛んだ心を修復し、そして緑の風は私をいやしてくれるのです。 私が出かけた5月初旬、たまたま「山野草展」が開かれていました。小さな鉢に植えられた小さな植物は、小さいながらそれぞれが存在感を漂わせ、私の目は釘付けです。 世の中に「雑草」と言うものは無い・・・。どれにも名がある・・・。と、昔お聞きした事があり、いたく感心したことを思い出しました。 ついこの間、鴨川の土手でピンクの花をつけたクローバーを見つけました。この花には、幼かった私と父との懐かしい思い出があります。 私が小学校低学年の頃、手の平に載るほどの小さな子供のうさぎをもらってきたのです。父はうさぎ小屋を作ると同時に、畑にこのクローバーの種をまいてくれたのです。このうさぎが食べる草を遠くまで取りに行かなくてもいいように・・・。雨の日でも、このクローバーを刈り取り、新鮮なものを食べさせて上げるように・・・との優しさでした。 なぜ、このクローバーだったのかは思い出せません。その生命力は、たちまち畑一面広がって行ったのです。 ちょっと辛い映画を見ました。タイトルは「女は二度決断する」。題名にも惹かれたのですが、ポスターに映る女性の苦渋に満ちた顔やファッションに心惹かれたのです。なぜそんなに苦しいのか・・・と知ってみたいと思いました。 全編に流れる彼女の悲しみ、砕け散った家族への思いが胸に迫り、見る側の私達でさえも重く鉛のように沈み込んでしまいました。 ドイツ警察戦後最大の失態と言われる、ネオナチによる実際の事件に着想を得て生まれたとの事でした。 以前このページに「不動不変」と書いた事があります。「どんな事態になっても、いかなる時にも、自分を見失わない・・・」との意味だそうですが、私は毎日心が振り子のように揺れ、自分を見失っています。 その毎日の平凡な暮らしの中で・・・ 店の中の風がそよぐ中に吊るして見ました。ゆるやかに揺れる姿は、いつまで見ていても飽きる事はありません。このショールを肩にふわりと巻き、おしゃれをしてお出かけしたであろう数十年前のルーマニア女性の姿が目に浮かびます。 古今東西の女性の手による古い布を、今までもたくさん手に入れて来ました。そこには生活を楽しむ姿が生き生きと見えるのです。 どうして古いものかというと、時代とともに、環境も、手仕事への理念も変わって来てしまっています。そのものにかける思いと時間が昔と今とでは全く異なるのです。 もうしばらくすると梅雨の季節ですね。部屋の中から見る雨は風情があり大好きです。雨に濡れる草木は一層瑞々しく、美しい佇まいになります。今年の梅雨は大量に降って短い!!との天気予報です。災害を引き起こさなければ良いですね。 この所、朝早く起きだし、誰もいないリビングで1人、この「つれづれ」を書くひとときも、また良いナァ~と感じています。 6月に向けて【涼を誘う、吹きガラスとのれん展】を準備しています。 美しいものを見つける花染でありたいと・・・。そして何時も蘇れる自分でありたいと思いながら、仕事に支えられています。 とてもお花を上手に育てる方が、ご自分で作った都わすれの鉢植えをお持ち下さいました。玄関先はお花畑です。 ちょっとだけ嬉しい話をしてもいいですか? もう一ツ美しい事への追加です。つい先日、素敵な場所と人に出会いました。 日々の平凡な暮らしに変化がチョットだけ生まれます。 |
2018年(平成30年)4月4日
見事に景色が変わりました。まさに百花繚乱、春爛漫です。なんと美しい日本なのでしょう。こんなに一気に劇的に春がやって来た事は無いような気がします。 それと歩みを揃える様に種々の花が咲き始めました。花染の小さな庭の水引草、ほととぎすなどなど宿根草が次々若葉を出し、木々は芽生えこれから5月にむかって、瑞々しい佇まいを醸し出してくれるのです。 島本町の自然もいつもの年の様に花吹雪が舞う光景ではありますが、ここへ来て大きく変わろうとしています。 島本町の竹の子は格別に柔らかく美味しいのですが、これも環境の変化で水脈が切られ、農家の人達は、とても心配していました。それでも、私は、ある竹の子農家の人に長年に渡って良くしていただいています。朝掘りのものを薪で炊く大きな釜で茹で上げたものをお分け頂くのです。 こんな優しい大切なものは、こちら側も、背筋を伸ばし、料理をしなくてはいけません。 3月15日(木) 「35周年記念展」をさせて頂きました。 私も、柴田氏との出会いから、彼の美意識に大きな影響を受けた・・・などなど、軽くお話をさせて頂きました。 午後は、皆さんで、お酒やお料理を囲み、それはそれは和やかにして、にぎやかなひと時を楽しみ、とても開放的で自由な雰囲気を満喫したのでした。我が家の舩木先生のワイングラス、ビールグラス等を全て持ち込み、色を添えさせて頂いたことも、お喜び下さいました。 36年目、いかに花染の方向を示せば良いのか思案の真っ只中にいます。今は我が家に次々と咲く椿の花を手折り、店の至るところに生け、一人、穏やかに過ごしています。 花の中でも椿の花は、私の体質に合っているのか好きなものの筆頭に上げられます。 今朝も早起きをし、朝日が昇る前、春のあけぼのの中、家族がまだ居ないリビングで、イギリスのお土産に頂いた美味しい紅茶を柴田氏の紅茶碗で頂く、ボーッとした時間は至福の時です。 こんな幸せな時間を持って頂きたいが為に、花染は仕事をし、山あり谷ありの中、一生懸命歩んだ様な気がします。 そうそう全くの余談ですが、今「うめ婆行状記」を読んでいます。少し前、朝日新聞夕刊に連載された作品です。その折も読ませて頂いたのですが、すでに作者(宇江佐真理)は余命を宣告されている中での執筆だったとお聞きしています。1949年生まれとの事ですので、早すぎる死だったのです。1冊の本になると、また格別です。 現代の示しのきかない暮らしの中で、生きている私たちへの警告です。主人公のうめさんは、際立って美しい心の女性です。庶民の暮らしであるがゆえに、又、参考にさせて頂けるのです。この作者の宇江佐氏は、きっと、この様な姿勢で生きられたのではないでしょうか。 最後になりましたが、花染を支え、愛して下さいました皆様に心から感謝とお礼を申し上げます。 チューリップの花をたくさん頂き、武内真木氏のピッチャーに生けました、花染に一段と明るい空気がただよい始めました。 |
2018年(平成30年)3月7日
そこかしこに春がやってきました。暖かい日差しを見ると、心身ともに救われます。太陽の恵みは生物に喜びを与えてくれるのですね。 今年の冬季オリンピックは、なぜか毎日テレビを見てしまいました。時差がなかった事なのか、はたまた、日本の熱量が高かったのか? 名勝負を繰り広げる選手たちに、思わず、歓喜の声をあげました。 自分の思うところに至らなかった選手達は、その悔しさが、又、次の飛躍へとつながって行くのでしょう。 私も昔、スキーをしていました。20歳代前半4~5年、30歳前後5~6年、トータルで10年程ですが、青春の1ページでした。 話は変わって3/3(土)まで「ギャベ展」をさせて頂きました。たくさんの作品を持ち込んで、想像以上の量をご覧頂くことができ、2階は美しいアートで満たされました。お客様に楽しんで頂けたと思います。 お客様のお部屋の空間を彩って下さる事は、とても幸せなことです。 年明けアッと言う間に2ヶ月が過ぎましたが、仕事に追われ、心の余裕もなく日々を過ごしてしまいました。仕事は「待った!!」がききません。ひたすら前を向く暮らしです。 3/15(木)からの35周年の記念展に向け、走る毎日です。
<記念展の催し物> とてもお若く美しい水川さんは、私共のお客様でもあります。なぜか大阪市内から花染へ、人様への贈り物などをお求めにいらして下さっていました。 いろいろの熱い思いを皆様方から分けて頂いていますが、昨年秋、とても嬉しいものを人様から頂きました。倉敷民藝館に携わる人からの贈り物です。最近、倉敷民藝館が瓦を葺き替え、そこに乗っていた瓦を分けて下さったのです。江戸期のものだそうです。私に子供の頃から多大な影響与えてくれた民藝館だからこそ嬉しいのです。ここに写真を載せずにはいられませんでした。 この瓦を掛け花入れに見たて、カウンターの側の壁に「都わすれの花」を生け、飾りました。この染付の水滴は、私が若い20歳代に買い求めた清水焼です。長い年月を経て花染の役に立ってくれたのです。人と人とそして人の歴史は重なり合って深くなっていくのだナァ~と懐かしい思いで眺めています。とても豊かで美しいのです。 桃の花を花屋さんで買い求め、都わすれの花といっしょに柴田さんの黒釉の花瓶に生けました。 35年の年月は、山あり谷あり、数え切れない苦難もありましたが、どうにか無事ここまで来ました。ひとえに皆様が支えて下さったおかげです。ただただ感謝の思いでいっぱいです。 |
2018年(平成30年)2月9日
冷たい冷たい雪のチラつく日々を過ごしました。 年を重ねる程に食べる豆の数が増えて行き、「いつの間にこんな年になったのだろう~ねぇ~。」と毎年くり返します。人様から頂いたお菓子にも、日本の心を感じ、良いナァ~。と思わず写真をとりました 春はすぐそこまで来ています。明らかに日差しは優しく、温かみを増し、木々の芽はしっかり身支度を整え、万全体制で春を待っています。店の裏の紗羅の木は、しっかりした芽を付けて、日々、太陽の恵みを受け、スタンバイしています。 宿根草は、まだまだ先の事ですが、土の下できっと春を待っている事でしょう。楽しみです。 ごく最近、春の温く温くを思わせる様な本をお借りしました。 素朴そうに見えて、なかなか深い! 1コマ1コマ言葉の1ツ1ツが気が利いているのですヨネ~。不思議な世界に、うたた寝してしまいそうになります。 私には、1ツ大きな悔いがあります。20才代前半、とてもとても大切にしていた友人がいました。 まだまだ冷たい空気が漂う中、2月の展示会は「ギャベ」です。
3月は花染の35周年です。記念展は、やはり柴田雅章氏にお願いさせて頂きました。 ご子息が建築の工程を細かく写真にしたものを、パソコンを開いて見せて下さいました。柱などのキザミも、勉強しながら、又大工さんに教えて頂きながら前へ進んでいる・・・との事に、ご子息が持っている人間力に脱帽です。 |
2018年(平成30年)1月12日
初日の出がとても美しい元旦でした。神々しく輝き、山際から昇る太陽に思わず感嘆の声を上げ、大きく丸い太陽になるまで数分間、見惚れてしまいました。年令を重ねる度に益々、自然の美しさに感銘を受け、実に偉大な存在であることに驚愕するのです。 お天気に恵まれた三が日でした。毎年2日は初詣を致します。何十年ぶりに石切神社に行こう・・・と言うことになり早朝から出かけましたが、島本町より電車を乗り継いで約2時間の結構遠い道程でした。 それなりのお詣りを済ませはしましたが・・・。 「京都くらいの小さな街がちょうどいいネェ~」が、実感でした。凄くなくても良い・・・。私達の体力に合った落ち着いたお正月を・・・と、3日は仕切り直しです。 そこかしこのお正月飾りを見せて頂く事は、日本人としてこんな嬉しい事はありません。こうして三が日は大した事もなく無事終わりました。 話は変わります。私の実家の漆のお椀の話です。 母はまだ元気な折に私の為に別の場所に取り置いてくれていたのです。覚えてくれていたのです。 母の思いを込めて、お正月を迎える喜びをこの上もない幸せと気持ちを新たにするのです。 「日常つれづれ」はゆるく終わりたいと思います。
|