日常つれづれ(2019年)

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2019年

2019年(令和元年)12月4日

風が冷たくなりました。この季節になると、暖かい太陽の恵みを大切に思うのです。災害も多い日本ですが、この季節の変わり目があればこそ、美しき日本列島が、より美しく感じられるのですね。
アッと言う間に師走です。何が出来たのか・・・何が出来なかったのか・・・。年を重ねると、出来なかったことが多くなってしまいそうです。でも出来たことを数えましょう。慌ただしく過ごす中でも、自然体でゆるやかに仕事をしたいと思いつつ、懸命に走っている自分に、今更ながら驚くのです。

寛次郎の言葉「仕事が仕事をしています・・・。」との名言があります。
久しぶりに河井寛次郎「火の誓い」の本を本棚から出しました。

        仕事が仕事をしています
仕事は毎日元気です
出来ない事のない仕事
どんな事でも仕事はします
いやな事でも進んでします
進む事しか知らない仕事
びっくりする程力出す
知らない事のない仕事
聞けば何でも教えます
頼めば何でもはたします
仕事の一番好きなのは
苦しむ事が好きなのだ
苦しい事は仕事にまかせ
さぁ吾等は楽しみましょう

寛次郎の多くの銘文の中から、私が、努力を惜しまず・・・と心がけ前へ進もうとして来た、私の仕事なのです。
苦しい事も、楽しい事も、仕事の中で見つけるのです。そして喜びを得ることが出来ると信じています。
もがき、苦しみ、息づまる日々を背負い、それが又、生き甲斐につながって行くのだと信じて、また懸命に仕事をするのです。
仕事が入っていない休日は、どこへでも出かけ無心にブラブラ歩くのです。どこでも良いかナァ~と思っています。どちらへ行っても興味深いものを見つけることができるからです。それでも大事にしている好きな場所はありますヨ。つい先日、11月末日、紅葉を見がてら京都植物園へ出かけました。私にとってお気に入りの場所なのです。四季折々美しい木々が、花々が迎えてくれるのです。

風を感じ、暖かいお日様を感じ、「ボーッ」と歩く心地は、疲れた心を癒してくれます。
行く度に新たな発見をしてしまうのです。この度は、とても不思議な光景に出会いました。紅葉はグラデーションをなし、そして緑が美しい中に桜が咲いているのです。これは植物園でしか見られない日本の秋です。

 

桜には、「10月桜」、「四季桜」、「冬桜」、「子福桜」と名前が付いていました。こんな美しい佇まいを見ると、喜びがあふれます。長い時間、その桜に見とれてしまいました。「美しいナァ~、可憐だナァ~、日本はいいナァ~」と幸せいっぱいです。

昨年の台風の爪痕も、所々見られましたが、広大な敷地は紅葉であふれんばかりです。越冬に来た”かも”が仲良く泳ぎ、その可愛い仕草に思わず顔がほころびます。

 

大きな望遠レンズのカメラを持った”おじさん”、”おばさん”達が場所を定め、良い構図を狙って陣取っているのも、又、微笑ましいものです。自然の中で見る紅葉は、ゆっくり日向ぼっこをする心地です。

そんな日常の中に、とても嬉しいことも数々あります。
毎年、若い方々が催す「一箱・古本市」に参加させて頂いているのですが、日頃のお客様とは、一味異なった人達に出会うのです。本好きの人とのお話は楽しくもあり、心和むひとときです。
11/16(土)・11/17(日)両日、島本町内外のたくさんの人々とお話をさせて頂きました。とても親しくなった女性がいて、話は尽きる事なく・・・「島本町に引っ越して来たい・・・」とまで言って頂きました。花染をも、とてもお気に入ってくださった事は、何より嬉しい事でした。

今年で6年目ですが、年々、楽しみが多くなってゆきます。この会を運営する方々にも、私は溢れる優しさを頂き、よくぞグループに入れてくださったものだと感謝しています。そして絆も強く、より深まっていくのが、喜びでもあります。
右往左往した2日間。とても有意義でした。

11月の廣内俊之作陶展も、おかげ様で無事終わりました。温かいご飯を、季節のお料理を召し上がって頂ける優しい器でした。お人柄から生まれる器は、皆様が幸せであってほしいと心から願っています。

師走の月には、毎年、お正月の準備の為の展示会を致します。

美しい日本のお正月
うるしの器、福寿窯の器
2019・12・12〔木〕 - 12・21〔土〕
10:30-17:30  15日(日)・16日(月)休み

もうすぐお正月です。何かしらこの響きを、私達は特別な行事として一年の中でも大切に思っています。大きな節目を目の前にして、今年を振り返り、来る年に思いを馳せるのです。
うるしの器は、日本が世界に誇れる伝統の美しさです。大切に次の時代に手渡して行ければ・・・と思います。お雑煮椀・お吸物椀・そば椀・椿皿・丸重・三段重などです。
色絵の器・染付けの器など晴れの日にふさわしい器も揃えました。
身の回りを整え、思いを込めてお正月の準備を楽しんで頂けることを願っています。ちょっと時間を作って下さいませ。お出かけをお待ち致しております。

大切なお正月を無事迎えられます様、年末に向かって店を整えたいと思います。その間にはサンタさんも来てくれると良いですね。
金沢から赤地健氏・径氏の干支も届きました。お2人の作品には毎年期待を寄せています。なかなかのものですヨ!。お正月用品と共に楽しんでくださいませ。

 

祝箸のねずみも、とっても可愛いです。「米蔵に俵、小さなねずみ」心和みます。素敵な物語です。
そしてひとときゆっくりお出かけ下さいませ。

年内は、28日(土)まで
新年は、7日(火)からです。

お客様、皆様方に、並々ならぬご厚意を頂いた一年です。人の優しさを感じ、時には励まして頂き、どうにか無事に過ごせました事、とても幸せに思っております。
いつも「いい仕事をしたいナァ~」との思いでいっぱいです。
たくさんの人の手で作られた大切な品を、お客様に手渡せる事が出来れば、こんな嬉しいことはございません。
これからも、どうぞお力添え頂けます様、よろしくお願い申し上げます。
皆様がお健やかであります様、心よりお祈り申し上げております。本当にありがとうございました。心よりお礼申し上げます。

 

2019年(令和元年)11月13日

澄み切った青い空に、思わず見とれてしまいます。空気が冷えているからなのでしょうか。どこまでも高く、雲一ツない天空を見上げ、日本に四季があって良かったナァ~としみじみ思うのです。
東の山際から昇る朝日は、1日たりとも同じ日の出はないのです。季節により、日によって太陽の色は変わります。明けてゆく空も陽の光も異なるのです。オレンジ色に輝く太陽、トマトの様に赤いポッテリとした太陽、雲にはばまれ、ぼんやりした太陽。毎朝、ベランダから見る東の空を楽しみにしています。

「奇跡の星」と言われる、この地球は、太陽の恵みを受け、太陽に焼き尽くされない機能を備えているのです。なんと不思議な星でしょう。地球を守らなければならない使命を我々は持っていると思うのですが・・・。
それと同時に、この日本を、そして日本人の心を守りたいものだと思うのです。

今、NHK BSプレミアムで放映されている「おしん」にどっぷりはまっているのです。連続ドラマとして放映されたのは1983年との事です。その頃、朝、テレビを見る習慣がなかったので、見る機会を逸していたのです。
後々、是非見てみたいと思いつつ・・・、私の中で、ひっかかっていました。9月頃だったか・・・、番組欄に「おしん」を見つけたのです。

子供編はすでに終わり、東京での生活からのものでした。辛く切ない彼女に一喜一憂するのです。朝7時15分、欠く事のできない1日の始まりです。

こんな時代を生きたお母様をお持ちの日本の年配の人々。何か大切なものを忘れ、浮かれすぎではないかと思ってしまうのです。
胸に迫る15分間のひとときは、我をも戒めたい・・・と心から思える時間です。

私の母の世代は、もう少し後の世代ですが、まだまだ、その片鱗はありました。私の母も辛抱強い人でした。私の中に、その姿と内なる魂は深く刻まれ、私が生きる道しるべともなったと思うのです。

ドラマは再ブレイクしているとの事です。朝のひととき、日本の心と重ね、明治以後、健気に辛抱強く生きた女性のドラマを見ている多くの人々がいらっしゃる・・・こんな、心が荒んだ時代だからこそ、何か救われるのです。
でも、私は、いつもの通り1日中気持ちを引きずってしまうのです。次の朝まで引きずりながら・・・。

そんな気持ちを持ったまま、仕事を終え、帰り道は、すでにどっぷり暮れてしまっています。空を仰ぐと三日月の月が・・・、そして冴えた月光が、金星がとても美しいのです。妙に感傷的になってしまうのです。甘い香りがするのです。
辛抱強く優しかった母。私の子供の頃の母。20代・30代・40代・・・へと思いを馳せながら、母を思うのです。母が亡くなって7年。年を経ないとわからない母の姿が、心に痛いのです。

そんな時には、温かいご飯が慰めてくれます。人様から頂いた新米の美味しい食感に癒され、頂いた里芋を口に頬張り、美しい秋を堪能させて頂くのです。たっぷりと器に盛り付けると、ふくよかな香りがします。「美味しい!」と言う感覚は幸せなのですね。

高橋正治さんの鍛鉄〔たんてつ〕の仕事の展示会も11/2(土)で終りました。
花染の2Fの展示会の部屋は照明を落としてみました。灯されたランプの明かりは、とても密やかで美しく、皆様、スマホで写真を撮っていました。

 

お求めくださいました作品は、お客様のお手元で、優しく暖かい光を灯してくれていると思います。本当にありがとうございました。

11月の展示会は、すぐ間近です。

廣内俊之 作陶展
2019・11・21〔木〕 - 11・30〔土〕
10:30-17:30  24日(日)・25日(月)休み

作品が優しいのです。おいしいご飯を頂き、暖かい日々を送る為に作られた器と言っても過言ではないのです。
大学で陶芸を学び、多治見工業専攻科で窯業を学び、京都市工業試験場窯業科で釉薬の研究を重ね、その後、河井武一氏に師事された経歴は、作品の確かさ、そして釉薬の美しさに、遺憾なく反映されているのです。
手のひらに作品を包み込む時、彼の人柄もプラスされている事を知るのです。
花染での展示会は2度目です。実りの秋にふさわしい器が揃います。心よりお待ちいたしております。

秋はどんどん深まります。秋の夕日を見ていると「夕やけこやけで日が暮れて・・・山のお寺の鐘が鳴る・・・♪♪」と思わず口ずさんでしまいます。この日本の風景を、日本人の佇まいを美しいと思います。
道ばたの「赤マンマ」の花を手折り、裏庭に咲いたホトトギスの花を小さな花瓶に生けました。花瓶は西川孝次さんのガラスです。冬のガラスも良いものです。

数々の事件、数々の災害に思いを致しながら終わります。
寒くなります。どうぞお風邪など召しませぬ様、おいとい下さいませ。いつもありがとうございます。心より御礼申し上げます。

 

2019年(令和元年)10月11日

どこまでも続く暑さに翻弄され、例年になく・・・と毎日ニュースは流れ、長雨・水害・竜巻・台風・気候の変動は著しく、何かしら変ですヨネ!人類が傲慢になってしまった証でしょう・・・。そのよどんだ世相を吹き飛ばす様に「W杯ラグビー日本大会」に日本中が虜になっています。
にわかファンも多いと思うけど、あの熱情と精神に、我を忘れて応援したくなるのだと思います。
まだまだ楽しみは残っているので、是非、我々を希望へと導いてほしいと思いを託すのです。

10月の声を聞くと、花染はもうお正月に向けての仕事に入ります。否応なく気持ちが急かされるのです。
デパートなどは、もっともっと早くからお正月の準備に動いています。「おせち」の予約が始まると・・・今や日本の風物詩のようになりました。その片方では、秋の味覚が溢れています。ぶどう・梨・栗・りんご・早生みかんそして松茸・・・と。日本の四季に感謝するのです。新ソバもそろそろ・・・味わいますかねぇ~。

ギャベの展示会10/5(土)も滞りなく終えました。
たくさんのお客様がお見え下さったことに深く感謝申し上げます。
従来のお客様も、2枚目、3枚目、4枚目とお求め下さいましたが、今回は特に若い方々がたくさんお見え下さいました。若い人には、お値段的にちょっとハードルが高いかもしれませんが、この美しいアートのようなギャベの敷物に触れて下さいました事は、この上もなく嬉しいです。

ギャベの仕事をさせていただいて約20年の年月が過ぎました。いつも新たな感動に包まれるのです。
私が個人的に初めてギャべを手に入れたのが25年前。たちまち虜になり、日本でギャベを扱う人を探しました。2~3年は出会わず、月日は流れ・・・。ある時、突然に降ってわいたように私の前に現れたのです。
ギャベに魅せられたギャラリーのオーナーとの出会いを重ね、熱い思いでお互い語り合える喜びを心より幸せと思っています。もしギャベに出会わなかったら、暮らしはつまらないものになっていたでしょう。過去を振り返り、嬉しさはひとしおです。
そして又、お客様と幸せを共有し、それぞれのお宅で、優しく慈しんでいただけることを心より願っています。
仕事とは言え、このギャベへの熱い思いは止まる事はありません。

ひき続き、10月の展示会です。

髙橋 正治  鍛鉄の仕事
2019・10・24〔木〕 - 11・2〔土〕
10:30-17:30  27日(日)・28日(月)休み

鍛鉄の仕事といっても、あまり身近に感じないかもしれません。鉄をコークスの火で真っ赤に熱し、ハンマーで一打一打鍛え上げて造ります。その作業を、気の遠くなるほど繰り返し、鉄のかたまりだったものが、あたかも柔らかいものの様な曲線を描くのです。
緻密で繊細な、その美しいフォルムに魅了され、男性的かつ優美・・・である事に虜になってしまうのです。
下の写真は、過去に彼が作った得も言われぬ世界観を持つ作品です。
花染では、初めての展示会です。美しいと言うことを体感して下さいませ。お待ち申し上げます。

略歴   1957  京都に生まれる
1977  東京クラフトデザイン研究所金属工芸科卒業
1983  工房を設立
1997  今日の金属造形の縮図国際展1997入選<ドイツ>
ハンドワーク会議コンプレンツ金属+ライト入選<ドイツ>
以後各地で個展
2007  メタルアート展入選<アメリカ>

高橋さんとの思い出は20年以上前に遡ります。若い頃の出会いでした。今思うと、まるで嘘のように元気でした。
彼の作品に魅せられた私は、しばらくは、じっと時期が来るのを待ちました。
まず最初の仕事は、花染の玄関ドアの取手を鉄で鍛きお作りいただく事からでした。
時を同じくして、作品を花染に常設していただく事になったのです。常設の品は、次々私共の手を離れ、お客様のお手元に渡って行ったのです。美しいランプは、それぞれのお宅で、暖かい光を灯し、大切にお使いいただいています。
この展示会の準備の為、久しぶりに出会った彼は、頭に白いもののまじり始めた、とても素敵な佇まいをしていました。美しいと言う事は何と嬉しい事でしょう。

  

話は飛びます。
数ヶ月前、柚木裕子氏「慈雨」の本の事をこの頁に書いた事があります。何という女性だろう・・・彼女の人間としての背景を・・・読み進む程に、彼女の持つ能力をもっと知りたいと思う様になるのです。

 

四国八十八ケ所を数ケ月かけて、自分の足で歩いたとしか思えない内容に加え、人間の宿命である「善と悪」「明と暗」にするどく切り込む力量にぐいぐい引き込まれて行くのです。
人の心を震えさせる、私にとって忘れがたい1冊になるであろう事は確実でした。

最近NHKBSプレミアムで「盤上のひまわり」(原作 柚木裕子)を番組欄で見つけたのです。4~5回の連続でしたが、この間、重い心を引きずりながら1週間そして又1週間と回を重ねたのです。若い頃、松本清張の本を、手あたり次第読んだのですが、手法として、松本清張に近いものがありましたが、女性の作家ならではの、細やかなタッチもお持ちでした。
哀しいのです・・・。しかし、終盤に向かって希望が見えるのです。それが救いでした。そして又、それが故に読者を惹きつけるのだと思うのです。反面、松本清張はどこまでも哀しいのです・・・。

彼女の小説が常にベストセラー入りする事がよく分かります。
「盤上のひまわり」を見ながら・・・、そんな思いにかられたのです。

つい数日前、浜田マハの「リーチ先生」を読みました。100年程前の民芸の巨匠たち、白樺派の先生方、そして絵画の印象派への一連の流れを優しく物語にした1冊でした。

100年前にこんな美しい日本があったのです。芸術、民藝をこよなく愛し、その中に生きた人々がまざまざとよみがえるのです。文化は人間のひだとなり、又、そのひだをより深いものにしてくれる・・・と信じるに値する本でした。
私の人生に、一筋の道を与えてくれた「民藝」に、そして巨匠たちに心より感謝する思いです。

仕事に翻弄される中で書いた「日常つれづれ」ですが、書き進めると、私の愛する「花染」が、より近く感じられ、幸せな気持ちにさせてくれたのです。

島本には、まだまだ美しい自然が残っています。稲穂がゆれる中に真っ赤に咲く彼岸花。金木犀の花の香りが漂い、山から吹く風に心地良さを与えられるのです。
この季節ならではの、澄み切った空気を胸いっぱいに深呼吸する・・・小さな幸せです。いつまでもそんな日本であって欲しいと願わずにはいられません。
お客様からたくさんの吾亦紅(われもこう)を頂きました。大きなピッチャー(武内真木作)に生けました。

暑く長かった日々にお疲れの事と思います。どうぞ昼と夜の寒暖差にお風邪など召しませぬ様、お気をつけて下さいませ。そしてお時間を見つけてお遊びにお出かけ下さいませ。いつもありがとうございます。

 

2019年(令和元年)9月12日

8月の不順な天候に悩まされ、強い日差しや台風におののき、頻繁に起きる様になった天災・人災に、私達は、なすすべはないのでしょうか。
9月の「日常つれづれ」もちょっと遅くなりました。私の8月は「アッ!」と言う間に過ぎ去った様な気がします。
毎年8月15日前後は戦争にまつわる番組が特集されますが、何と言ってもNHKにかなう局はありません。
毎年、新たな資料が出てくるのですが、今年放映されたものも圧巻でした。

そんな8月、私にとっては大きな宿題を残してくれる大切な日々なのですが、真実は重く、とても苦しいのです。人間の悪を目のあたりにしてしまう、この種の話は、日々の暮らしを席巻してしまうくらい位大きな位置を占めるのです。
取り返すことの出来ない歴史の事実に向かってしまうのです。

8月早々「華族・最後の戦い」そして「激闘ガダルカナル・悲劇の指揮官」
何より衝撃的だった「全貌2・26事件~最高機密文書で迫る」そして「昭和天皇は何を語ったのか~初公開・秘録『拝謁記~』

 

この2件は録画したので、何度か繰り返して見たいと思うのですが、やり切れない思いです。
NHKの気概と熱量に感服してしまう、見事なドキュメンタリーでした。膨大な時間を費やし、研究者が読み解き、重大な事実を積み上げてゆく。それでも一部しか公開されていないのだそうです。

その間「アルキメデスの大戦」の映画も見ましたが、ドキュメンタリーには、到底及びません。もちろん切り取る部分が違うのですが・・・。
最後の章で田中泯氏に語らせた一語一句は、上記のドキュメンタリーに通じる悲劇そのものでした。意味のある山崎貴監督自身の深さでした。
この時期、戦争がテーマのたくさんの番組を見てしまうのですが、NHK BS早坂暁氏「春子の人形」に再び涙してしまいました。
最初NHKで見たのは2年近く前だったと思うのですが・・・その折はこの本が書かれた背景も、生前の早坂氏の姿も含めドキュメンタリータッチで描かれ、放映しました。NHKはよく再放送をするので、もう一度・・・と願っていました。

丁度、私の夏休み夕刻、BS NHKで見つけたのです。早坂暁氏は、わが故郷の偉大な作家でもあるのですが、彼の作品を系統的に読み解いた事はないのです。
彼の作品の根底に流れる反戦への思い・・・そのルーツを知りたい・・・と常々思っていました。この「春子の人形」を見て、一挙に疑問が解け、胸に迫りました。彼の自伝的作品だと言う事も知りました。彼が生涯、内に秘め、人生最後に書かれたものだったのです

人間の悪も深いけれど、人の思いの深さにも感動するのです。何か機会がありましたら、ぜひ、小説と言う媒体を通して反戦を訴える早坂暁氏に出会ってください。
春子の芦田愛菜さんのひたむきな姿を通して我々も反戦への思いを新たにするのです。
悲しく重い夏休み。気候が不順な事も重なり、疲れてしまったようです。「ボーッ!」と暮らしている自分を振り返り、ちょっと辛くなりますが、マイナスをバネに又頑張ります。

まだまだ暑さの残る9月ですが、展覧会をいたします。

?GABBEH展 ギャベ
南イラン・アマレ・カシュクリ族の人々が織る絨毯
2019・9・26〔木〕 - 10・5〔土〕
10:30-17:30  29日(日)・30日(月)休み

長い年月の中で、たくさんのギャベに出会わせていただきました。美しい物との出会いは宝物であり大きな喜びです。精いっぱい頑張って生きる為の原動力にもなります。
西アジア・イランの女性が羊毛で織り成す壮大なロマン・・・この絨毯を手に入れ、使わせていただくことの幸せを、心よりありがたいと思っています。
遠い国、南イランから8月に届いたばかりの品です。たくさんお揃えできたと思います。再び新たな感動で、溢れます。どうぞ心に留まる品を見つけて下さいませ。心よりお待ち申し上げております

この美しいGABBEHをお世話してくださるギャラリーのオーナーについて少し書きたいと思います。
まず彼のただならぬ美意識に感動するのです。時々お手紙を下さるのですが、一字一句、紙面の佇まい・・・事に対峙する姿勢。言葉に尽くせない溢れる感性に、驚きと尊敬の念を持つのです。
BCオリエント・エジプト・中東・西アジアへの憧憬の深さを、ヨーロッパ美術、音楽など・・・その情熱と探究心は、私を虜にしてしまいます。

その知性は、並々ならぬ努力の上に存在し、それが内なる教養の深さとして魅力的なのです。大きな大きな、偉大なるお仕事をなさってきた中でのギャベの仕事なのです。教えていただかなくてはならない事が山積です。長く長く、くっついて行きたい・・・との思いです。私にもフツフツと情熱が湧いてくるのです。嬉しいですね。
彼の言葉『民藝の世界から、この道に入り、たくさんの美しい世界をさまよい今此処に。』彼は73歳、ルオーが共に・・・彼のそばに・・・

そうこうしているうちに、秋の気配が確かに歩んで来ています。赤トンボが乱舞し、ひっそりと虫の音も聞こえます。すすきを道端で手折って、花入れに生けてみました。やはり秋ですネェ~。

9月26日(木)からの展示会の頃には、暑さも一段落していて欲しいものです。
そうそう8月「アルキメデスの大戦」を見た折に「記憶にございません!」三谷幸喜監督、中井貴一主演の映画の予告編をしていました。おもしろそうでしたヨ!。ディーンフジオカ氏も出てるしネェ~。
驚愕の題名の本の広告を見つけ、早速手に入れました。8月の戦争にまつわる続きです。
100万部突破、伝説的ベストセラー・・・、私の心を誘うのです。

人間の悪・苦しみもがき・苦悩する。だからこそ美しい物に感動し、そして希望と言う未来を見つけて歩みたい、と思うのです。
夏のお疲れが出る頃です。お元気でお会いできますれば嬉しいです。その日を楽しみにお待ち申し上げております

 

2019年(令和元年)7月17日

遅い梅雨を6月末頃に迎え、今、尚日差しの少ない雨模様の日々が続いています。日本各地の水害は、いかんともしがたい状況ですが、島本町は美しい緑でおおわれています。
昨年は地震に続き台風の風と雨で河川が溢れそうになったりしましたが、このあたりは今の所、大丈夫です。
日照時間が少なく作物に多大な被害が起きているようではありますが・・・。

梅雨の季節、大雨の後、水かさを増した小川に入り、楽しく遊んだ子供の頃。ヤンチャでしたので、雨靴も服もビショ濡れになりながら、たわいもない事に歓声を上げ、時間の経つのも忘れ遊び興じました。
日常の暮らしの中でも、小川は子供たちにとって格好の遊び場でした。網をたずさえ、メダカやおたまじゃくしなどの小動物を取り、バケツに入れ、いろいろの生き物を育てました。
田舎の子供には、あまりある、えも言えぬ場所でした。

そのメダカを今では売り買いするのです。
花染のメダカは、友達のご主人が育てたものを14~1 5年前から頂いています。一昨年から卵を孵化させる事を学ばせていただき、今年も、たくさんの、小さな小さな子供が元気に泳いでいます。
半年ほどの間に死んでしまう子供もいますが、数匹は成長してくれます。可愛いものです。子供の頃は、メダカは小川に生息しているのが当たり前でしたので、家で買う事はなかったと思います。

夏の風物詩、金魚売りおじさんが、天秤棒を担ぎ「きんぎょェ~きんぎょ!!」と大声で街を流すのです。子供たちは家から飛び出し金魚の入った桶に群がり、品定めをし、親にねだって買ってもらうのです。尾びれの美しい赤・白・黒の入りまじった優美に泳ぐ姿は、子供心をそそるのです。

我が家では水盤(生け花に使用するもの)の大きなものを母にもらって、長い年月育てました。大切に育てていても時には死ぬこともあるのです。畑にお墓を作り、又買ってもらうのです。
猫の餌食にならないよう、父が取り外しができる網の蓋を器用に作ってくれました。今のような餌があるわけではないので、ご飯粒やビスケットを砕いたものなどを、餌にしていた気がします。
小さい頃から、いろいろな小動物を育てましたが、生命は大切に慈しんでやらなくては死んでしまいます。植物もしかりです。

甘い懐かしい家族の思い出です。父が母が・・・遠き日々が幻のごとく湧き上がります。
母はまめな人でもあり、忙しい人でもありました。母から教わった事はたくさんありますが、ぬか漬けは、私も頑張ってやっています。
私はこの季節6月~9・10月くらいまでしか漬けません。夏限定です。何十年ぬか床を使っている・・・と言う話をお聞きするのですが、冬は、どんな試みをしても上手く出来ないのです。翌5月~6月に又、新しいぬか床を作ります。今とても上手くいっています。毎日「美味しいネ!」を連発して自画自賛です。

やはり生活そのものが母に連動しているのです。私が成長し大人になった頃、母から2冊の本を贈られました。その一冊「母から娘へ― お母さんの暮らし」は、今もなお大切に読んでいます。
大きな目次は「健康について」、「しきたりとしつけ」、「手紙の書き方」、「暮らしの知恵」、「衣類について」、「住まいと家具」、「食べ物について」読めば読む程感心してしまいます。
たとえば「しきたりとしつけ」の中の(おしえとエチケット)の項目には(電話のマナー・訪問のマナー・接客のマナー・隣り近所とのつき合い・親戚づき合い、話し方のマナー等々・・・)

それはそれは、ありがたい知恵と優しさで満たされ、時代が変わっても変わらないものがある事を教えてくれます。
時折、父母恋しさに涙を流します。末っ子の私には、父母共に、いつも寄り添ってくれていた暖かい記憶です。父母を思う気持ちは、年を追う程に増すのです。このエアポケットにはまると際限がなくなるのでこの辺で・・・。

最近、ちょっと嬉しい話が…。
6月のある午前中、大きなリュックを背負った女子高校生が入って来ました。お聞きすると、修学旅行でカンボジアへ行き、その帰りJR島本から街をフラリ・・・としていて花染を見付けて下さったそうです。店に入ってみると、自分の感性に響き、ゆっくり見たくなった・・・との事とです。カンボジアでたくさんの手仕事に触れ、日本での今までの暮らしに疑問を持った・・・と言うのです。機械製品、大量生産に慣れてしまっている事に・・・。日本の手仕事そして海外の手仕事の話を長い時間させて頂きました。砂が水を大量に吸い込むのと同じように、ぐいぐい話が深い所まで入る快感を覚えました。

生物にも深く関わりたい・・・との事です。「どちらの学校ですか?」とお聞きすると、この北摂では有名校なので・・・「京大の農学部を目指すと良いのでは・・・」と。彼女も「そうありたい・・・。」と話は進むのです。
私の30代のお友達に、京大の農学部出身の男性がいて、それはそれは、何とも得難い人物なのです。とても素敵です。
その女子高校生に名残を惜しみつつ・・・。お忙しい年令であり、お勉強にもお忙しいと思うので、再び花染を訪ねて下さるかどうか分かりませんが、そんな感性をお持ちの若い方がいらっしゃると言う事に安堵するのです。瑞々しい宝物をプレゼントしてもらった幸せに包まれました。

話は変わります。
6月~7月「細江義弘 木の仕事展」にたくさんお客様がお出かけ下さいました。本当にありがとうございます。彼も初日は在店して下さって、お客様方達と楽しくお好きな作品を語り合う姿は、拝見しているだけで嬉しくなります。
お膳、お茶托、トレー、小さな椅子などの小品も人気がありましたので、今後も出来る限り常設したいと考えています。

 

先月の「日常つれづれ」に・・・「何も難しい事を考えないで単純に本を読もうと2冊の文庫本を買ってあります」と書きましたが、気楽に読むつもりが結構深い・・・本とは、人間の歩く道とは素晴らしいものだとしみじみ思います。行間に滲む人の心の真実に響くのです。

本の装丁にも深い意味があると思っているので、本を手に取り、得がたいものを受け取らせて頂いています。
ゆっくり、いっぱいの本を読みたい・・・!!と叫びたいのですが、たくさんの仕事が私を追いかけます。その上、視力も体力も落ちていることにも驚いています。
ちょっとした日常の美しいものに心を癒されながら頑張っています。
まだまだこの先、魅力ある人、素晴らしい物に出会い、私に勇気と元気を与えて下さる様、いつも願っています。

★ 8月の夏休みは、11日(日)から19日(月)までの予定にしていますが、まだ決定ではありません。
★ちょっと一休み・・・8月の「日常つれづれ」はお休みにいたします。
★ 9/26(木)~10/5(土)ギャベ展を致します。
まだ暑さの残る日々だとは思いますが・・・。ギャベをお世話して下さるギャラリーの方は6月~7月南イランに入りました。きっと上質の素敵な作品に出会わせて下さる事を確信しております

今日は京都祇園祭山鉾巡行です。夏本番ですが、このまま行くと冷夏になりそうです。大きな被害が出ない事を心より願うばかりです。

多分7月・8月・9月不順なだけでなく、過酷な日々ですヨネ。どうぞくれぐれもお気を付けてお過ごし下さいませ。そしてお時間のおありの折には、花染へお遊びにいらして下さいませ。お店を涼しくしてお待ち致しております。

今月7月のHPの更新が遅くなってしまいました。いつも欠かさずご覧頂いているお客様に失礼してしまいました。本当に拙い文章をお読み下さいましてありがとうございます。

 

2019年(令和元年)6月5日

あふれる緑とあふれる光の中で、良いお天気が続いています。
グリーンもみじの葉は大きく指を広げ透き通って輝き、目を楽しませてくれています。
5月・6月の日常は、窓を全開し、風を部屋いっぱいに取り込み、自然を満喫するのです。
島本町は西の山からオゾンを含んだ、ちょっと冷んやりした風が流れ心地良いのです。この季節、田舎町の風情を体で感じ、生き返る思いがします。

田植えの終わった水面に映る青い空と白い雲。うぐいすが鳴き、そしてかえるも鳴く・・・、そんな街をとても美しいと思っています。
私どもの庭にも初夏が、沙羅の白い花が咲きました。水引草も、ほととぎすも、背丈を伸ばし、もうすぐ花を咲かせるでしょう。

日本に四季があり、日本人の感性を育み、情緒あふれる美しき国土となるのです。

5月のガラスの展示会も終わりました。丁度、真夏のような暑い日が続いたので、キラキラ輝く器は、尚、美しく感じました。
冷たいお菓子に熱いお煎茶は、とても美味しかったですよ。

グラスやガラスの器は盛夏に向けて、今、充実しています。
ちょっと涼しげに暮らしたいナァ~。と感じる折には、是非見にいらしてください。

先月の「日常つれづれ」に、ちょっとレトロな街歩きの話を書きましたが、元気を分けてもらいに行きましたヨ。
大宮から三条通りを東へ東へ、堀川まで・・・。大きな商店街なのですが、日曜日、定休日の店が多かったせいで人通りはあまり多くなく、ちょっと残念でした。こういう街は、人がにぎわう姿が良いですね。
B級の洋食屋さんへ入って、お昼ご飯を頂き、店主から楽しいお話をたくさんお聞きしました。商店街の店主達が「令和」と白くロゴの入った黒いキャップを被って盛り上げていました。

 

たくさんの商店が並び、穏やかな空気が流れる、人に優しい雰囲気を醸し出していました。おしゃれすぎる街よりホッコリさせて頂いたのです。
堀川通りから東へ向かう三条通りは徐々に近代的になってゆくのですが、今、どこにでもあるこじゃれた感じで、かえって平凡に思ってしまうのは不思議です。
もう1日、美しい緑を求めて哲学の道へ出かけました。「どれだけ好きなのだろう…!!」と思う程、心をいやし、そぞろ歩きは、体のいやしとなるのです。
美しいスポットは、とてもたくさんありますので、写真の選択は難しいのですが、2枚掲載しました。

 

東山三条まで下り、そこからは、レトロな古川町商店街に入りました。随分前に好奇心で歩いた時より、かなり進化していました。今と昔が混在する、摩訶不思議、興味深い佇まいに、やはりホッコリさせて頂きました。

この様に、今、又、少しずつ古い昔からの商店街が見直される事はとても、良い傾向ですね。
出町柳商店街もしかりです。タイムスリップしたレトロな小さな映画館も出来ています。開館して4~5年くらい・・・と思うのですが、ブータンの映画を見に行った事があります。
どんどん近代化される中で、人々はやはりアナログの世界を求めているのだと思います。
私自身も超アナログ人間なので、「よしよし・・・!!」と共感してしまいます。是非、訪ねて見て下さい。
偶然入った店のカレーが美味しかったり・・・、小さな幸せを見つけることができます。

遊んでばかりもいられません。ちょっと気を抜くと山程の仕事が私を追っかけて来るのです。最近は残業すると疲れるので、朝7時過ぎに店へ来たりして、溢れる仕事をこなしています。1日の労働時間は、とても長いのです。
それでも、若くキラキラ輝いていた頃の半分しか仕事が出来ていないかもしれないナァ~と。ついつい自分に「カツ」を入れてしまうのです。

?細江義弘の木の仕事展
暮らしと共に・・・
2019・6・27〔木〕 - 7・6〔土〕
10:30-17:30  30日(日)・1日(月)休み

樹と深いかかわりを持ちながら樹に寄りそい生きて来た先人達。この無垢の木との出会い、私達は家具や道具として利用させて頂き、自然を与えられて暮らしている事を強く感じるのです。
細江氏は、優秀な木材がたくさん集まる岐阜で仕事をしています。
よく使う材料は栃・栓・楡・?・栗など国産の広葉樹。仕上げは拭き漆または、天然オイル。大きな家具から小品まで、どの作品からも、のびのびとした風格が漂っています。
本物を使う事の歓びをお伝え出来れば幸せです。
日々の暮らしの中で、何十年を経て使い込まれ、すべてを包み込み、代々引き継がれて行って欲しいと願っています。

  

2019年4月(平成31年)4月7日の「日常つれづれ」に「ビリーブ 未来への大逆転」の映画の話を書きました。主人公のモデルは米国最高裁の現役女性判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ。戦う姿は美しくもあり過酷でもあり・・・。
正義感に打たれ、生き方に感銘を受けずにはいられない・・・。と感動をお伝えさせて頂いたのですが、今、全国の映画館で「RBG最強の85才」彼女のドキュメンタリー映画が上映されています。

1993年 女性として史上2人目となる最高裁判事に指名され、法の下の平等の実現に向けて果敢に切り込んでいく・・・絶大な支持を得る「RBG」はいかにして誕生したのか?
この辺りでは、京都シネマ6/14(金)まで上映です。心身共に引き締まります。彼女の知力と勇気を知って頂きたいと思うのです。

最近、上野千鶴子氏の東大の入学式での祝辞が取りざたされています。この入学式の後、私は、この祝辞を活字で読ませて頂き、感動しました。
彼女の本は数冊しか読んでいないし、メディアに登場して発言する・・・あくまで編集された言葉に、時々心を留める事はあっても、それ以上ではありませんでした。
ご自身が長く積み重ねて来た知力から発する言葉、しかも若い人に向け・・・そして世の中に発信した、この祝辞は壮大であり人の心を動かすには充分でした。現在あるべき姿、そして未来あるべき生き方の方向性に感銘を受けたのです。
もう一度「最強の85才」ルース・ベイダー・ギンズバーグに映画館で出会いたい思い強くかられたのです。

これから梅雨を経て、本格的な暑い夏がやって来ます。「ボーッ」としているつもりはないのですが、毎日が飛ぶように過ぎるのです。
山積する世間の荒い波を乗り切る術を学びたいと思う日々を暮らしています。かなり辛くなる自分を持て余しています。
何も難しいことを考えないで一区切りついたら単純な本を読もうと2冊の文庫本を買ってあります。
「海の見える理髪店」「慈雨」けっこう楽しみにしています。
そぼ降る雨に濡れるアジサイの花も美しいです。日本の四季が香るお花を育てている、いつもの方から鉄せんの花が届き・・・こんな幸せは贅沢です。心安らぎうっとりします。

不順な天候です。どうぞ体調くずさない様、お健やかにお過ごしくださいませ。

 

2019年(令和元年)5月8日

4月、「令和」の発表以来、日本中が大騒ぎです。万葉のいにしえ人は、如何に感じているのでしょう。4月30日?5月1日・・・何とも異様です。
昭和という時代が長く、平成に生まれ育った人々が、これからの日本を支えてゆくのです。メディアも含め、お祭り騒ぎとしか言いようがありません。
昭和という時代を戦争を挟んで重く背負っている多くの人達が、今なおいらっしゃることを忘れてはいけないと思うのです。
粛々と平成から令和へ移行する事が出来ないのでしょうか。
こんな日本人ではないはずです。

テレビの「ポツンと一軒家」と言う番組に見る日本。見れば見る程、深いのです。そこで生きた人々の歴史が、そして生きる姿勢が・・・。
それゆえ魅了されるのです。消えゆく日本の暮らしに深い感動を得るのです。1ツ1ツの事例は、まさしく明治・大正・昭和そして平成の歴史なのです。自然と共に生きた日本人の姿なのです。
「令和」という時代・・・凄まじい勢いで消えて行くのであろう日本の暮らしに、えもいわれぬ哀しみを持ってしまうのです。
山は荒れ、海は荒れ、日本人は何処に向かうのでしょう。
もちろん時代と共に変わって当たり前なのです。しかし魂の中にある自然への畏敬の念は持ち続けなくてはならないと思うのです。

皆様は長い連休を如何お過ごしでしたでしょうか。私は、通常通りの営業でしたので、店に缶詰めでした。
店をながめ「花染を可愛がってやっているかナァ~!」と反省し、隅々まで愛情を注いでゆく日々は、とても楽しく満ち足りていました。

 

そして定休日は、ちょっとレトロな街を、目的もなく歩く・・・、そんな休日を過ごしました。
京都も、街中を過ぎると、昔からの商店街があり、寄り道をしながら歩くのは、とてもまったり、良いものです。
今回は、新大宮商店街をぶらりです。歩き始めてびっくりです。
北大路通りから北へ直線に伸びる街は、なんとも驚くほど、長い商店街なのです。一昔前は、この界隈になくてはならない商店街であり、住人の生活を支えていたのでしょう。

花みずきの大木が街を彩り、それを見る限りでも、古い大きい商店街だったことが偲ばれるのです。「あっちへフラリ、こっちへフラリ・・・」行けども行けども北に伸びる商店街は、地味ではありますが、今もこの地域に根ざしている事がわかります。そこに暮らす人々の役に立っているであろう事が想像できます。
そして、その商店街を東へ折れ、北山通りを東へ東へ・・・素敵な店に出会ったり、楽しいものに偶然出会う喜びは、歩く事でしか得ることができないでしょうね。

まだまだ「ブラリ!」は続きます。
島本町山崎~大山崎をぶらり歩きです。大山崎山荘でお庭をゆっくり散策し、山崎駅前で昼食・・・そしてコーヒーをいただき、大山崎町の円明寺に向かって歩くのです。おだやかに流れる風の中をポチポチ聖天さんを抜け・・・自然の中をゆるりとしたのはいいのですが、ここから島本町の我が家まで歩こうと言う事になり、ちょっと大通りよりそれた道を選んで歩き始めたものの、途中後悔する程、道は遠く・・・島本町も小さい街とはいえども広いのです。
こんな形で歩く事は無いかもしれない・・・となぐさめつつ、新しい発見に励まされ、ひたすら歩きました。
この街に暮らして45年になりますが、最近の変化が凄まじく、開発が進んでいるのです。
この田舎街の風景や人情を残したいものです。疲れはしましたが、心地良い1日でした。

連休が終わったらサァ~仕事です。

吹きガラスの仕事と練り上げの器
西川孝次・村松学・河井達之
2019・5・16〔木〕 - 5・25〔土〕
10:30-17:30  19日(日)・20日(月)休み

名残の春。5月の緑は美しく、風も爽やかにして、生きとし生けるもの全てが輝きを増す季節です。
西川孝次さんのガラス。30幾年のお付き合いを経ても変わらない若々しい作品。そして久しぶりに展示会に作品をお送り頂いた村松学さん。舩木先生の意思を継ぎながら、独自に前を向く姿。
河井達之さんの練り上げの器の斬新な姿。それぞれ3人3様の個性をお伝え出来れば嬉しいと思っています。
まったりとした昼下がり、ちょっと怠けてビールでも・・・。グラス片手に甘いお菓子もいいですね。日々を楽しむ暮らしは喜びでもあります。
どうぞ、お気に入りの1品を見つけにいらして下さいませ。

この度の展示会のために、河井家の工房へ参りました。河井久先生がお仕事をなさっていた当時と佇まいは変わって行きますが、ご長男一喜さん、次男達之さんが一生懸命お仕事なさっていらっしゃいます。

久先生がお亡くなりになって、この季節で3年が過ぎました。先生の作品の品格は、私にとって、とうてい忘れる事は出来ません。先生ご自身、まだまだお仕事をなさるおつもりの活力をお持ちでした。陶芸家としては、働きざかりの74才でした。お亡くなりになるつもりではなかったと思います。
作品は、まだまだ工房にあるので、この3年間、お伺いしては、生前と同じ様に作品を頂いて来ています。ただ、新作に出会えないのが、とても残念です。

大きい作品も、小さな器も、優しく、美しく先生の人格そのものです。
仕事・・・そして人としての姿勢を寛次郎から学んだ、とお聞きしていました。
先生の様に大きくなりたいと願っていますが、一朝一夕に、事は成りません。先生の作品が存在することによって花染も風格が保てるのです。
ファンであり続けて下さるお客様がいてくれる限り、先生の作品をお届け出来る様にしたいと思っています。

 

島本町の春もそろそろ終わりです。例年より、ずっとずっと遅くなった竹の子も終りました。竹の子寿司、竹の子ご飯、木の芽あえ、竹の子とえびのかき揚げ、天ぷら、そうそう春の野菜と共にスープにもしました。
そして最後に、佃煮まで作りました。これは、冷凍し、これから先、少しずつ頂きます。この季節の喜びを堪能し、楽しませていただきました。

田植えの支度がそろそろ始まります。水面にうつる青い空と白い雲。夏に向かって一直線です。
太陽の陽差しをいっぱい浴び、元気に前を向きましょう。
裏庭の「白雪げし」も「一人静」も花をつけました。もうすぐ沙羅の花も咲く事でしょう。古来より名付けられた花の名は、侘びて、そして日本人の感性に響くのです。

★ 今後も、ちょっとレトロな街歩きが続きます。素敵ではなくても良い・・・モダンでなくても良い・・・。そこに暮らす人々の生活を支え商店主も含め、地域が一体となり、一生懸命生きている街は、日本の素晴らしい暮らしが息づいているのです。次は京都三条通り商店街を訪ねます。大宮から三条通りを東へ東へ進みます。

 

? 2019年(平成31年)4月7日

日本の春を彩る・・・そして日本中が待ち焦がれる桜を追う4月です。 今年の桜は、冷たい気温のおかげで、長く楽しむことが出来ます。
毎日、店へと通う道すがら、昨日は一分咲き、今日は三分咲き・・・と。そしてとうとう満開です。心をざわめかせる日々を、もう少し楽しみたいと思います。

桜の花は、自分の歴史の数だけ、咲く花の色が異なると思うのです。幼い頃、家族で、ご近所さんで遊んだお花見は、純粋な花の色。 小学校の入学式。校庭の大きな木に見事に花開く桜の花の色。友と毎年、仰ぎ見る桜の花は希望で溢れていました。そして高校への進路は、さまざまな道。そこで見る花の色は、ちょっぴり寂しく、大人への一歩、 大きく舵を切るのです。大人になると言う事は、花の色に変化が生じるのです。哀しい色、美しい色豊かな桜色・・・色あせて見える年もあります。

背負う人生が色に重なり、その分深くなる様な気がします。
そこには、日本人独特の死生観が投影され、私たちを魅了してやまないのです。散る花に日本人らしさを見るのです。
「桜」を書きながら、忘れていた記憶が次々と蘇り、ちょっと感傷的になるのは、私だけではないでしょう!!

ある日、ある時3/22(金)の夕刊に映画の記事を見つけたのです。
「ビリーブ 未来への大逆転」50年前性差別をただすため
突然、目に飛び込んできた、小さな記事に引き寄せられてしまいました。
この様ようなものに敏感に反応するのです。
即刻3/25(月)私共の定休日に出かけました。

主人公のモデルは米国最高裁の現役女性判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ。映画は、彼女の生きる姿勢を物語るかのごとく、すごいテンポで進みます。
「すべての人間は法の下に平等」・・・と。この時代の差別は、これ程までに聡明で優秀な女性をも、男性社会はあざ笑うのです。
女性の戦う姿は美しくもあり、過酷でもあり、スクリーンのこちら側の人間を引きずり込み、意識を?き立て釘づけにしてしまうのです。
思わず身を乗り出す2時間余りは、瞬く間でした。観客は少人数でしたが、とても良い映画でした。

もう一ツ・・・。映画を見終わって数日後、この映画評論家の記事をもう一度読み返したのです。人の心を掌握する的確な表現は、短い文章を尚、魅力あるものにしていました。

この文章を読んで飛んで行ったのですから・・・。
評論家は、最後に「映画の出来以前に、ルース本人の正義感に打たれ、生き方に感銘を受けずにはいられない」、「裁判から約50年。ようやくMe Too運動も始まったが、まだ先は長い。」と結んでありました。

この同じ時期、全国の女性議員へのセクハラ問題が新聞に掲載されていました。
内容を読むと、言語道断、なんと低レベルのおぞましい人々が巣食っている社会なのか、と憎悪すら覚えます。
差別と戦ってきた長い歴史があるにもかかわらず、今後も絶えることのない「人間の悪意」は続くのでしょうか。自分の頭で考え、自らの目で本質を見抜く為にも、本を読み、活字を読み・・・文化に触れ・・・視野を広げる事の大切さを肝に銘じたのです。

もう一ツ見たい映画があります。
渡辺智史監督の「YUKIGUNI」 。「雪国」と呼ばれるカクテルを考案し、92歳にして、今なおシェーカーを振る伝説のバーテンダー井山計一さんのドキュメンタリー映画です。

見た目にも気高い美しさを備えたカクテルを求めるファンの方々。
凛とした姿・・・生涯現役の生きざまの裏と表、明と暗を拝見したいと思っています。京都シネマ4月6日からです。

姜尚中さん・・・。ここ数年の内で私を捉えてしまった事に間違いはないのですが、あまりの深さに、私自身を問いかける日々です。
朝日新聞「人生の贈り物」3/11(月)~3/29(金)・・・15回。
心して、読ませていただきました。私が持っている本は、たかが5?6冊ですが、新聞の記事、特集、姜氏がたどるテレビ番組など、意識してチャンネルを合わせ、私の気持ちはいつも前のめりです。

この紙面で語る姜氏は、すべてを飲み込み、すべてを許容し、人生の道程を、しみじみ言葉に託し、深い人格が溢れる、想像に余りある人でした。
年齢を重ねることで至る思いがあるのだと・・・。晴れやかな笑顔を見せる最終回でした。近著に『母の教えの10年後の「悩む力」』があるそうです。再び「母 オモニ」を読んでみたくなりました。

それでも、私と言う人間は、まだまだ凡人の道を迷っていくのでしょう。
こんな事を考える日々は、辛くなるのです。思いを引きずってしまうのです。私の手足をもぎ取る様に、ここ数年の間に、大切な人をたくさん亡くしました。辛い思いを重ねても嘆くばかりです。
複雑な思いを抱え、その上で静かに語る・・・そんな事が出来る人に私はなりたい・・・。男女を超え人種を越え・・・。

でも春です。うぐいすも美しい声で鳴いています。「ホーホケキョ!!」もすっかり板につき、お上手です。
季節は、待ったなしで進みます。
4月、5月は緑豊かな優しい風が吹き、気持ちを温めてくれます。
世界は、あらぬ方向へ行っています。この島本町の、この小さな美しい街も、変貌して行きます。いつまでも田舎街であって欲しいと願う事はぜいたくな事なのでしょうか。我が店の裏では、小さな営みが、小さく息づいています。小さな小さな世界です。

年号も変わります。「令和」いにしえの風流を旨とした人々に思いをめぐらし、新しい時代を、ちょっとゆっくり良いご縁を結びながら歩いてみたいと思います。

4月は展示会は休みます。春爛漫、どっぷり身を沈め、5月の展示会の準備にかかります。
島本町の春は、桜が終わると竹の子のシーズンがやって来ます。
どうぞお健やかにお過ごし下さいます様。そしてどうぞお出かけ下さいませ。お待ち申し上げております。

「初春の令月にして、気淑く風和ぎ」 大伴旅人

 

2019年(平成31年)3月6日

3月。すべての自然が動いています。この季節の太陽は、私達人間や森羅万象ことごとくに豊かな恵みを与えてくれているのだと思います。大地は瑞々しく、生きとし生けるものすべてが輝くのです。
もえいずる春となるのです。
裏庭でまっ先に幼い葉を出したのが二葉葵、そしてほととぎすです。力いっぱいに芽吹こうとしています。

花染の店内に生けている「青もじ」も膨らみ始め、一昨日は2ツ・・・昨日は加えて3ツ、そして今日は7ツと葉を広げています。そんな姿を見ているのが大好きです。
大好きなものの中に「コケ」があるのですが、お客様のお家に自生している「コケ」を頂いて鉢に植えました。園芸師さんに育て方を学んだのですが、裏庭のものも、なかなか根付いてくれないのです。
この春は再び庭の「コケ」に挑戦してみようと思っています

 

忙しい日々の合間に、ホッとする時間です。忙しいからこそやりたいのです。
自然と生活が共存している人が、花染のお客様には大勢いらっしゃいます。冬には、たくさんのお野菜を頂きました。壬生菜のぬか漬けもおいしく頂きました。昨日は「ふき味噌」を小さな瓶に詰めて頂きました。メチャメチャ春です。京都・綾部からのふきのとうの贈り物です。
木々や草花にも造詣が深い人、そしてお花の名前をよくご存知の方。尊敬してしまいます。

ちょっと前までお祖母ちゃんが、そして母が、楽しみつつ生活していた自然との共存が日本の暮らしにはあったのです。
子供の頃の祖母を思い出す時、我が家には「そば打ち」がありました。私も、大好きだった「おから寿し」も忘れません。そして「きんかん」を行平でコトコト甘く煮ていた姿が、今も鮮明によみがえります。
そうそう、お祖母ちゃんの「えび味噌」も格別に美味でした。

母は、これは大変な人で「手作りの食品」は、どこまでも幅が広く素晴らしいのです。好奇心が旺盛でしたので、何にでも挑戦していました。少しだけ連ねてみようと思ったのですが、ちょっと思い出すだけでも大変な数だと気が付きました。どれも甲乙つけがたいのです。
文旦の皮をお砂糖で煮て「カリッ、ふわっ」と仕上げたものは、母は晩年まで作り続け、花染へ送ってくれていましたので、お客様の中には、召し上がってく下さった方も多いのです。私も挑戦しましたが、「ベタッ」として、何度やっても、コツを聞いても不可能でした。
日本の暮らしは、先人達は偉大です。

花染は、日本の暮らしや、伝統をそして先人たちの素晴らしさを、皆様と語り合い、お伝えする店でありたいと願っているのです。
「土と自然」 「うるしと自然」 「吹きガラスと自然」 「織物・布と自然」 「木と自然」 偉大なる日本の美と手仕事に感動して欲しいと思うのです。

3月の展示会は、まさしく自然からの贈り物です。
東北の山野で自生する山ぶどう・あけびづるの作品展です。

山ぶどうの手さげかご&あけびづるの小物
2019・3・12〔火〕- 3・23〔土〕
10:30 - 17:30  17日(日)・18日(月)休み

山ぶどうの手さげかごのお仕事をさせて頂くようになって30数年になりますが、年々進化を続けているのです。
良質の山ぶどうばかりを集めて編まれたものの中には、よくぞここまで・・・と思う美しくも端正な佇まいのものがあります。山野に自生するものなので、おのずと個性があり、素朴で野趣味あふれる作品も又、素晴らしいものです。
その上、百年以上、使用可能と言う事にも驚きます。
年月を経る程に美しい「ツヤ」を生み出し、それを持つ人と一体となり、同じ顔となるのです
この度は、あけびづるの小物も、たくさん送って頂きます。
職人さん達の思いを受け取り、生活の道具として使っていただければ幸いです。

3月1日は花染の36周年です。たくさんの人々との良いご縁で結ばれ歩んで来ました。深い深い思いに浸っています。
その中の1ツ・・・。
20数年前、私共のお客様だったお若いご夫婦が関東に転勤になり、引っ越されました。その後、食卓テーブル、椅子のご注文を受け、作らせて頂き、お送り致しました。
ずっと、ずっと長くご縁をつなげて下さっています。私共のホームページをご覧になり、お電話をいただく年月が幾十年と続いているのです。
信じられない程の信頼を寄せて下さっているのだと思うと胸が熱くなります。その折々、お電話でお話しさせて頂く奥様のお声は、いつも私の励みになるのです。若い若い頃「丁寧に暮らして下さいね・・・。」と申し上げた言葉を、今も覚えて下さっていて・・・そのもののお人柄なのです。
先日も、丁寧なお手紙を頂いて、私はその心に震えました。彼女の感性を言葉に託し、私に伝えて下さるのです。美しい文字が、万年筆で丁寧に書かれていました。そして、それは、椿の花の美しい封筒に入っていたのです。

2月の「日常つれづれ」に書いた「イノダアキオさんのコーヒーがおいしい理由」の本を取り寄せて、一気に読んでしまいました・・・と。深い話もありました。器とご家族の食卓、ご子息と器、そして本物と暮らす意味・・・等々、私にとっては、最大の応援の言葉です。
日常は、はるかに私を超え、見事に花開いている事に喜びはひとしおです。こんなにも嬉しい、こんなにも大切な贈り物があるでしょうか。

作家の先生方から、そしてお客様から、たくさんのお葉書、お手紙を頂きます。
私にとりましては、すべて宝物です。皆様からの深い愛情とご縁を頂いたことに感謝の思いでいっぱいです。
37年目をしっかり歩みたいと思わずにはいられません。仕事によって、私の人生は作られたと言っても過言ではないと思います。一生懸命学ばせて頂きたいと思っています。

そしてまた、仕事のご縁がつながりました。
舩木先生が亡くなって、何となく途絶えていた、先生のお弟子さんとのご縁を再開致しました。村松学さんとの良いご縁です。
村松さんは長い年月、舩木先生の工房で修業をなさったのです。
一番親しい間柄だったのですが、先生がお亡くなりになった後、私は、気持ちの上で、迷う日々を暮らしていました。
久しぶりに送って下さった作品は、とても丁寧に美しく作られたものでした。添えられたお手紙は、数年の空白を埋めて下さる、優しい言葉でした。
こんな嬉しい事はありません。
舩木先生の作品を復活させたものもありました。

 

先生が亡くなった事の大きな悲しい痛手から立ち上がって行く事ができれば、この上もない幸せです。
長い人生、山あり谷あり・・・。頂いたご縁を大切にして行きたいと思います。

まだまだ寒暖の差が激しい3月です。お気をつけてお過ごし下さいます様、そしてお遊びにお出かけ下さいませ。心よりお待ち申し上げております。

 

2019年(平成31年)2月6日

もう2月です。節分も過ぎ、4日は立春。日差しが春めくと共に、木々の芽は膨らんできています。身の回りにある植物を手入れしていると、明らかに毎日変化してゆくのです。生き物は、冬の間もしっかり様子をうかがいながら機嫌を見てやり、愛情をかけないと、春から夏の美しい姿を見る事は出来ません。
愛情をかければ必ず、それに応えてくれ、見事な花を咲かせてくれるのです。
我が家では、これから、まっ先に椿の花が咲いてくれます。
こうして四季がはっきりしている日本の自然は、世界でも特別な存在だと思うのですが・・・。
四季折々の行事が、日本各地で古来より大切にされ、自然を「神」と崇拝する風習が私達には子供の頃からそなわっていると思うのです。

ろう梅が花を咲かせ、芳しい香りを漂わせ、梅の花の便りが、そこかしこから届きます。
日本は良いですねェ?。

つい最近、日本の美しい心の本を求めました。
「イノダアキオさんのコーヒーがおいしい理由」と言う小さな本です。
この本の書き出しを参考に致します。

『イノダコーヒ三条店には、名物店長がいました。創業者である猪田七郎さんの甥っ子で、創業当初からイノダコーヒで15歳から働いてきた、猪田彰郎(イノダアキオ)さん。初代店長として三条店をまかされたのは38歳の時。焙煎から接客まで、すべてやってきました。

ほぼ毎日の常連さん、家族代々通ってくださる方、遠方の方、高倉健さん、吉永小百合さん、筑紫哲也さん、原田治さん・・・、円形カウンターではたくさんの出会いがありました。』

ちょっと手をかけてやればコーヒーはおいしくなります。コーヒーは生きものです。こちらの気持ちが伝わります。
おいしくなったらみんなが喜んでくれる。おいしいコーヒーから、ええご縁がつながる・・・。
普通のようで、なかなか出来ない事だと、我が身を振り返ってしまいます。

戦後まもない昭和22年、豆が手に入りにくい時代から、本物のコーヒーを・・・と今の本店の場所で始めたのだそうです。
大変な時代に本物を・・・と志を持つ事が、いかにご苦労が多く、そして又、大切なことか・・・。
三条店は昭和45年(1970)開店したのです。
「大きな円形のカウンターの中でコーヒーを淹れ、お客さんは、まわりからそれを見ながらコーヒーをじっくり楽しむ・・・、そんな特別感のあるお店をここに作ろう!」と、創業者の猪田七郎さんがイメージしたのです。
そして初代店長として店を任されたのが猪田彰郎(イノダアキオ)さんです。
それから、ここだけのコーヒーの味を探すのです。
「軽くてキレがよく、それでいてイノダコーヒーらしく、しっかりと深いコクがあるもの」本店とは違う、コーヒー好きの客さんへと、彼の心は向かっていったのです。

私も、この大きな円形カウンターが大好きです。常連の人々が座る特別な雰囲気があるのです。時々、この店をおとずれ、ここに座り、店の方々に会釈をしながら味わうコーヒーは格別なのです。

この三条店の深い味わいを、この本から受け取りました。コーヒーの話だけではないのです。お客様への姿勢、そして生きる姿勢が行間から溢れているのです。きれいな心で対峙する。ちょっと気持ちを込める。仕事は何でも一生懸命ひたむきに続ける。

そのアキオさんの気持ちは、あの高倉健さんをはじめ、あらゆる本物を知る人々に愛されたのです。
おいしいコーヒーをつくる・・・。それはコーヒーではなく生き方なのです。
高倉健さんとの出会いはアキオさんをより深いところへ導いたのだと思います。健さんとの会話の中から勇気を得、「一生懸命・・・には、なんぼでも上があるんやな」と、心意気が変わったと言うのです。
健さんとのご縁が、たくさんのご縁につながって行くのです。吉永小百合さんとのお話も、とても深いものがありました。

「イノダコーヒのはじまり・・・」は、私達、人様と接する仕事をしている者にとっては、大きな指針となるのです。
決して難しいことでは無いのだけれど、難しい・・・。
私も、すでに、イノダコーヒに出会って50年になります。イノダアキオさんが三条店を退職して20年。アキオさんは退職後、全国のイノダファンのみならず、何処へでもコーヒーの淹れ方を教えに行ったのです。
ご家庭でおいしいコーヒーを淹れてみてください・・・と。

コーヒー一筋70年の美しき道程です。今も元気です。
『まっすぐ歩いてきてよかったと心から思います。幸せな人生です。』と結んでいます。

私にとって身つまされるお話なので、何だか小さな本に感動してしまったのです。

私は、まず船木倭帆先生を思わずにはいられませんでした。「普段着のガラス」をお作りになり、全国に多くのファンをお持ちになられていました。
先生のファンは、先生と作品とご自身がつながる事を誇りとしているのです。私もその中の1人です。店を始める以前に出会わせて頂き、先生を一筋追い求める花染でした。多くの言葉、気持ちで支えて下さった事は私の宝物です。
先生の生きる姿勢を教科書とし、36年の月日を歩んだ気がします。「こんな人口の少ない街で、よくこのレベルを保ったネ・・・。」いつも誉めて下さいました。奥様は「花染はいつも一生懸命、熱心だったから・・・」と、嬉しい言葉でした。
この季節毎年2月は、船木倭帆先生の「吹きガラスの展示会」をさせて頂いていました。全国から大勢のお客様がご来店下さって、にぎやかな展示会でした。美しいカラスが2Fいっぱいに並ぶ光景は、先生の思い出と共に忘れる事は出来ません。

先生がお亡くなりになって早くも5年余の月日が流れました。
お別れの会は2014年2月10日。冷たい横なぶりの強い風が吹く寒い日でした。悲しみの中ではありましたが、普段の先生とは異なった姿が写し出されるスクリーンを拝見しながらのお別れでした。
鮮明に記憶にとどめています。 2月という月は、すべて先生とつながっているのです。

2月の寒い時期ではありますが、ほっこりしていただきたくてカップの展示会をさせていただきます。

? 器と時間を楽しむ
ホッとひといき
2019・2・12〔火〕- 2・23〔土〕
10:30 - 17:30  17日(日)・18日(月)休み

日差しがすっかり春めいてきました。木の芽がふくらみ、そこかしこに春の花も咲き始めました。この何かを待つ季節は、私達も気持ちが浮き立つのです。
お部屋に好きな花を生け、ポットでお茶を入れ、美味しいお菓子を頂く・・・格別なものです。そんなたわいもない幸せを感じる事ができる生活を大切に出来れば嬉しいと思っています。
たくさんの作家さんから、作品を集めました。それぞれの個性が生き生きと伝わって来る作品であって欲しいと願いつつ展示会をさせて頂きます。
フリーカップ・マグカップ・ゆのみ・カップ&ソーサー・・・和菓子・洋菓子をよりきわ立たせてくれる銘々皿、ケーキ皿などです。
竹菓子切・銀のフォーク・竹のフォーク・ティマットなど、そばに置いて使いたいものが揃っています。
日々の暮らしに彩りを添え、心も体も優しくしてくれそうです。
楽しい1日をお過ご頂けますよう、心よりお待ち申し上げております。

  

雪もチラチラ、まだまだ寒い日が続きます。
でも、もう春です。店にはおひな様を飾りました。春のお花を買って来ましょう!

2019年(平成31年)1月9日

神々しく太陽が輝く元旦の朝、新たな気持ちで向き合う初日の出。
今年も無事迎える事が出来た事に感謝の思いです。この美しき太陽に願いを込め、どうぞ良き年になります様祈るのです。

元旦の朝はゆっくりと年相応のお正月をおくります。お節を頂き、母が残してくれた実家のうるし椀にお雑煮を...。母を忍ぶのです。
料理が好きだった母の面影を感じつつ、美しく飾る椀の中は思い出で溢れていました。日本のお正月を迎える事は、大切な家族との絆でもあります。

新しく掛けたカレンダーも初々しく、12ケ月、12枚分の中味はまだ何の陰りもなく、1年が美しく輝いている様に見えるのです。

今年は特別な年になりますね。元号が変わり、新天皇が即位し、時代が新たな歩みを始めます。
平成の30年間を、充分に生きる事が出来たのだろうか...。花染36年の大部分を占めている平成と言う年号に改めて思いを巡らせるのです。
穏やかな天候に恵まれた3ケ日でした。毎年2日は初詣をする事に決めています。
京都烏丸通り、御所・蛤御門前に「護王神社」という和気清麻呂を由来とする神社があります。
清麻呂公が災難に遭われた際、300頭もの猪が現れ、公をお守りした事が「日本後紀」に記されている...。
その故事にちなみ「狛犬」ならぬ猪が「狛いのしし」として一対石像が建てられているのです。・・・と言う事でお参りに出かけました。

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「亥」の年なので、参拝客がいっぱい・・・と覚悟はしていたものですが、神社に到着すると想像を絶する人の列に呆然としてしまいました。守衛の人にお聞きすると2時間待ち!!との事。
「狛いのしし」を写して帰ろうとしたのですが、「ツレ」が、この行列に並ぶと言うのです。12年前の「亥」の年に参拝した折には、全く普通でしたので、甘く見ていたのです。
しぶしぶ最後尾へ・・・、気の遠くなる長蛇の列・・・。何と辛抱強いのでしょう。でも思わぬお話相手に恵まれ、楽しんで列を進んで行きました。私達の前に並んでいた岐阜からのご家族4人とお話が弾んだのです。
その娘さんが同志社女子大に在学中と言う事で、ご両親共々京都を楽しんでいる・・・。「娘が京都にいる間に街を堪能したい・・・。」と。京都と言う街と歴史そして日本文化を心から愛していらっしゃるお嬢さんのお姿は、幾十年昔のかつての私自身を重ねて見る思いでした。
何だか今年は良い年の始まりの様です。
「京都は狭いので、又どこかでお目にかかるかも知れませんね!」とご挨拶を交わし、偶然の出会いを喜んだのです。

しかしそれにしても京都は大変な事になっています。とにかく人で溢れています。小粋な佇まいの京都は何処へ向かうのでしょう。

日本の文化を大切に日々を暮らしていきたいと。決意を新たに、そして今年の目標にしたいと思っています。
話し言葉も大切ですね。美しい日本語で人様とお話しをする事は日本人の品格を保つ為にも必要ですね。仰々しくではなくちょっと気をつける程度として考えながら、さりげなく日常を過ごせると嬉しいと思うのです。いかがでしょうか?

平成を懸命に仕事をし、その仕事を通して人々とつながり、たくさんの事を学ばせていただきました。36年と言う月日を花染と共に走り抜け新年号を迎える幸運は本当にありがたいです。
かつて無い時代の変化の中で右往左往しているのも正直な花染の姿です。
日本人の美意識を花染なりにお伝えできますれば幸いであり喜びです。
平和を願い、心豊かであって欲しいと願うのです。

これから私の大好きな椿の花が咲き始めます。白・薄桃色・そして赤い椿。心癒されるのです。
我が家の椿の花は、ちょっと遅め、3月末頃です。今はかたい蕾ですが、暖かい日差しに誘われる様に、わずかずつ動いている気がしています。

お正月明けは5日(土)から店を開けました。
インフルエンザが流行する季節でもありますので、くれぐれもお気をつけて、お大切にお過ごし下さいませ。
新春、初のお目見えを心よりお待ちいたしております。どうぞお出かけ下さいませ

例年のごとく切り干し大根をベランダに吊るし、冷たい風と優しいお日様に包まれて美味しく仕上がるのを待っています。

日本の食文化を、日本の四季を生活を楽しみながら次世代につなげて行きたいです。

最後にちょっと嬉しいお話です。
店の空間に素敵なモビールが欲しいナァ~。と思っていたのですが、お正月休み、とってもお洒落なお店で、出会わせて頂き、即決で買い求めました。ゆらりと揺らめくその姿に大満足です。今年は春から・・・いいですねぇ~!

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