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日常つれづれ(2019年)
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2019年
2019年(令和元年)12月4日
風が冷たくなりました。この季節になると、暖かい太陽の恵みを大切に思うのです。災害も多い日本ですが、この季節の変わり目があればこそ、美しき日本列島が、より美しく感じられるのですね。 寛次郎の言葉「仕事が仕事をしています・・・。」との名言があります。
寛次郎の多くの銘文の中から、私が、努力を惜しまず・・・と心がけ前へ進もうとして来た、私の仕事なのです。 風を感じ、暖かいお日様を感じ、「ボーッ」と歩く心地は、疲れた心を癒してくれます。 桜には、「10月桜」、「四季桜」、「冬桜」、「子福桜」と名前が付いていました。こんな美しい佇まいを見ると、喜びがあふれます。長い時間、その桜に見とれてしまいました。「美しいナァ~、可憐だナァ~、日本はいいナァ~」と幸せいっぱいです。 昨年の台風の爪痕も、所々見られましたが、広大な敷地は紅葉であふれんばかりです。越冬に来た”かも”が仲良く泳ぎ、その可愛い仕草に思わず顔がほころびます。 大きな望遠レンズのカメラを持った”おじさん”、”おばさん”達が場所を定め、良い構図を狙って陣取っているのも、又、微笑ましいものです。自然の中で見る紅葉は、ゆっくり日向ぼっこをする心地です。 そんな日常の中に、とても嬉しいことも数々あります。 今年で6年目ですが、年々、楽しみが多くなってゆきます。この会を運営する方々にも、私は溢れる優しさを頂き、よくぞグループに入れてくださったものだと感謝しています。そして絆も強く、より深まっていくのが、喜びでもあります。 11月の廣内俊之作陶展も、おかげ様で無事終わりました。温かいご飯を、季節のお料理を召し上がって頂ける優しい器でした。お人柄から生まれる器は、皆様が幸せであってほしいと心から願っています。 師走の月には、毎年、お正月の準備の為の展示会を致します。
大切なお正月を無事迎えられます様、年末に向かって店を整えたいと思います。その間にはサンタさんも来てくれると良いですね。 祝箸のねずみも、とっても可愛いです。「米蔵に俵、小さなねずみ」心和みます。素敵な物語です。
お客様、皆様方に、並々ならぬご厚意を頂いた一年です。人の優しさを感じ、時には励まして頂き、どうにか無事に過ごせました事、とても幸せに思っております。 |
2019年(令和元年)11月13日
澄み切った青い空に、思わず見とれてしまいます。空気が冷えているからなのでしょうか。どこまでも高く、雲一ツない天空を見上げ、日本に四季があって良かったナァ~としみじみ思うのです。 「奇跡の星」と言われる、この地球は、太陽の恵みを受け、太陽に焼き尽くされない機能を備えているのです。なんと不思議な星でしょう。地球を守らなければならない使命を我々は持っていると思うのですが・・・。 今、NHK BSプレミアムで放映されている「おしん」にどっぷりはまっているのです。連続ドラマとして放映されたのは1983年との事です。その頃、朝、テレビを見る習慣がなかったので、見る機会を逸していたのです。 子供編はすでに終わり、東京での生活からのものでした。辛く切ない彼女に一喜一憂するのです。朝7時15分、欠く事のできない1日の始まりです。 こんな時代を生きたお母様をお持ちの日本の年配の人々。何か大切なものを忘れ、浮かれすぎではないかと思ってしまうのです。 私の母の世代は、もう少し後の世代ですが、まだまだ、その片鱗はありました。私の母も辛抱強い人でした。私の中に、その姿と内なる魂は深く刻まれ、私が生きる道しるべともなったと思うのです。 ドラマは再ブレイクしているとの事です。朝のひととき、日本の心と重ね、明治以後、健気に辛抱強く生きた女性のドラマを見ている多くの人々がいらっしゃる・・・こんな、心が荒んだ時代だからこそ、何か救われるのです。 そんな気持ちを持ったまま、仕事を終え、帰り道は、すでにどっぷり暮れてしまっています。空を仰ぐと三日月の月が・・・、そして冴えた月光が、金星がとても美しいのです。妙に感傷的になってしまうのです。甘い香りがするのです。 そんな時には、温かいご飯が慰めてくれます。人様から頂いた新米の美味しい食感に癒され、頂いた里芋を口に頬張り、美しい秋を堪能させて頂くのです。たっぷりと器に盛り付けると、ふくよかな香りがします。「美味しい!」と言う感覚は幸せなのですね。 高橋正治さんの鍛鉄〔たんてつ〕の仕事の展示会も11/2(土)で終りました。 お求めくださいました作品は、お客様のお手元で、優しく暖かい光を灯してくれていると思います。本当にありがとうございました。 11月の展示会は、すぐ間近です。
秋はどんどん深まります。秋の夕日を見ていると「夕やけこやけで日が暮れて・・・山のお寺の鐘が鳴る・・・♪♪」と思わず口ずさんでしまいます。この日本の風景を、日本人の佇まいを美しいと思います。 数々の事件、数々の災害に思いを致しながら終わります。 |
2019年(令和元年)10月11日
どこまでも続く暑さに翻弄され、例年になく・・・と毎日ニュースは流れ、長雨・水害・竜巻・台風・気候の変動は著しく、何かしら変ですヨネ!人類が傲慢になってしまった証でしょう・・・。そのよどんだ世相を吹き飛ばす様に「W杯ラグビー日本大会」に日本中が虜になっています。 10月の声を聞くと、花染はもうお正月に向けての仕事に入ります。否応なく気持ちが急かされるのです。 ギャベの展示会10/5(土)も滞りなく終えました。 ギャベの仕事をさせていただいて約20年の年月が過ぎました。いつも新たな感動に包まれるのです。 ひき続き、10月の展示会です。
高橋さんとの思い出は20年以上前に遡ります。若い頃の出会いでした。今思うと、まるで嘘のように元気でした。 話は飛びます。 四国八十八ケ所を数ケ月かけて、自分の足で歩いたとしか思えない内容に加え、人間の宿命である「善と悪」「明と暗」にするどく切り込む力量にぐいぐい引き込まれて行くのです。 最近NHKBSプレミアムで「盤上のひまわり」(原作 柚木裕子)を番組欄で見つけたのです。4~5回の連続でしたが、この間、重い心を引きずりながら1週間そして又1週間と回を重ねたのです。若い頃、松本清張の本を、手あたり次第読んだのですが、手法として、松本清張に近いものがありましたが、女性の作家ならではの、細やかなタッチもお持ちでした。 彼女の小説が常にベストセラー入りする事がよく分かります。 つい数日前、浜田マハの「リーチ先生」を読みました。100年程前の民芸の巨匠たち、白樺派の先生方、そして絵画の印象派への一連の流れを優しく物語にした1冊でした。 100年前にこんな美しい日本があったのです。芸術、民藝をこよなく愛し、その中に生きた人々がまざまざとよみがえるのです。文化は人間のひだとなり、又、そのひだをより深いものにしてくれる・・・と信じるに値する本でした。 仕事に翻弄される中で書いた「日常つれづれ」ですが、書き進めると、私の愛する「花染」が、より近く感じられ、幸せな気持ちにさせてくれたのです。 島本には、まだまだ美しい自然が残っています。稲穂がゆれる中に真っ赤に咲く彼岸花。金木犀の花の香りが漂い、山から吹く風に心地良さを与えられるのです。 暑く長かった日々にお疲れの事と思います。どうぞ昼と夜の寒暖差にお風邪など召しませぬ様、お気をつけて下さいませ。そしてお時間を見つけてお遊びにお出かけ下さいませ。いつもありがとうございます。 |
2019年(令和元年)9月12日
8月の不順な天候に悩まされ、強い日差しや台風におののき、頻繁に起きる様になった天災・人災に、私達は、なすすべはないのでしょうか。 そんな8月、私にとっては大きな宿題を残してくれる大切な日々なのですが、真実は重く、とても苦しいのです。人間の悪を目のあたりにしてしまう、この種の話は、日々の暮らしを席巻してしまうくらい位大きな位置を占めるのです。 8月早々「華族・最後の戦い」そして「激闘ガダルカナル・悲劇の指揮官」 この2件は録画したので、何度か繰り返して見たいと思うのですが、やり切れない思いです。 その間「アルキメデスの大戦」の映画も見ましたが、ドキュメンタリーには、到底及びません。もちろん切り取る部分が違うのですが・・・。 丁度、私の夏休み夕刻、BS NHKで見つけたのです。早坂暁氏は、わが故郷の偉大な作家でもあるのですが、彼の作品を系統的に読み解いた事はないのです。 人間の悪も深いけれど、人の思いの深さにも感動するのです。何か機会がありましたら、ぜひ、小説と言う媒体を通して反戦を訴える早坂暁氏に出会ってください。 まだまだ暑さの残る9月ですが、展覧会をいたします。
この美しいGABBEHをお世話してくださるギャラリーのオーナーについて少し書きたいと思います。 その知性は、並々ならぬ努力の上に存在し、それが内なる教養の深さとして魅力的なのです。大きな大きな、偉大なるお仕事をなさってきた中でのギャベの仕事なのです。教えていただかなくてはならない事が山積です。長く長く、くっついて行きたい・・・との思いです。私にもフツフツと情熱が湧いてくるのです。嬉しいですね。 そうこうしているうちに、秋の気配が確かに歩んで来ています。赤トンボが乱舞し、ひっそりと虫の音も聞こえます。すすきを道端で手折って、花入れに生けてみました。やはり秋ですネェ~。 9月26日(木)からの展示会の頃には、暑さも一段落していて欲しいものです。 人間の悪・苦しみもがき・苦悩する。だからこそ美しい物に感動し、そして希望と言う未来を見つけて歩みたい、と思うのです。 |
2019年(令和元年)7月17日
遅い梅雨を6月末頃に迎え、今、尚日差しの少ない雨模様の日々が続いています。日本各地の水害は、いかんともしがたい状況ですが、島本町は美しい緑でおおわれています。 梅雨の季節、大雨の後、水かさを増した小川に入り、楽しく遊んだ子供の頃。ヤンチャでしたので、雨靴も服もビショ濡れになりながら、たわいもない事に歓声を上げ、時間の経つのも忘れ遊び興じました。 そのメダカを今では売り買いするのです。 夏の風物詩、金魚売りおじさんが、天秤棒を担ぎ「きんぎょェ~きんぎょ!!」と大声で街を流すのです。子供たちは家から飛び出し金魚の入った桶に群がり、品定めをし、親にねだって買ってもらうのです。尾びれの美しい赤・白・黒の入りまじった優美に泳ぐ姿は、子供心をそそるのです。 我が家では水盤(生け花に使用するもの)の大きなものを母にもらって、長い年月育てました。大切に育てていても時には死ぬこともあるのです。畑にお墓を作り、又買ってもらうのです。 甘い懐かしい家族の思い出です。父が母が・・・遠き日々が幻のごとく湧き上がります。 やはり生活そのものが母に連動しているのです。私が成長し大人になった頃、母から2冊の本を贈られました。その一冊「母から娘へ― お母さんの暮らし」は、今もなお大切に読んでいます。 それはそれは、ありがたい知恵と優しさで満たされ、時代が変わっても変わらないものがある事を教えてくれます。 最近、ちょっと嬉しい話が…。 生物にも深く関わりたい・・・との事です。「どちらの学校ですか?」とお聞きすると、この北摂では有名校なので・・・「京大の農学部を目指すと良いのでは・・・」と。彼女も「そうありたい・・・。」と話は進むのです。 話は変わります。 先月の「日常つれづれ」に・・・「何も難しい事を考えないで単純に本を読もうと2冊の文庫本を買ってあります」と書きましたが、気楽に読むつもりが結構深い・・・本とは、人間の歩く道とは素晴らしいものだとしみじみ思います。行間に滲む人の心の真実に響くのです。 本の装丁にも深い意味があると思っているので、本を手に取り、得がたいものを受け取らせて頂いています。 ★ 8月の夏休みは、11日(日)から19日(月)までの予定にしていますが、まだ決定ではありません。 今日は京都祇園祭山鉾巡行です。夏本番ですが、このまま行くと冷夏になりそうです。大きな被害が出ない事を心より願うばかりです。 多分7月・8月・9月不順なだけでなく、過酷な日々ですヨネ。どうぞくれぐれもお気を付けてお過ごし下さいませ。そしてお時間のおありの折には、花染へお遊びにいらして下さいませ。お店を涼しくしてお待ち致しております。 今月7月のHPの更新が遅くなってしまいました。いつも欠かさずご覧頂いているお客様に失礼してしまいました。本当に拙い文章をお読み下さいましてありがとうございます。 |
2019年(令和元年)6月5日
あふれる緑とあふれる光の中で、良いお天気が続いています。 田植えの終わった水面に映る青い空と白い雲。うぐいすが鳴き、そしてかえるも鳴く・・・、そんな街をとても美しいと思っています。 日本に四季があり、日本人の感性を育み、情緒あふれる美しき国土となるのです。 5月のガラスの展示会も終わりました。丁度、真夏のような暑い日が続いたので、キラキラ輝く器は、尚、美しく感じました。 グラスやガラスの器は盛夏に向けて、今、充実しています。 先月の「日常つれづれ」に、ちょっとレトロな街歩きの話を書きましたが、元気を分けてもらいに行きましたヨ。 たくさんの商店が並び、穏やかな空気が流れる、人に優しい雰囲気を醸し出していました。おしゃれすぎる街よりホッコリさせて頂いたのです。 東山三条まで下り、そこからは、レトロな古川町商店街に入りました。随分前に好奇心で歩いた時より、かなり進化していました。今と昔が混在する、摩訶不思議、興味深い佇まいに、やはりホッコリさせて頂きました。 この様に、今、又、少しずつ古い昔からの商店街が見直される事はとても、良い傾向ですね。 遊んでばかりもいられません。ちょっと気を抜くと山程の仕事が私を追っかけて来るのです。最近は残業すると疲れるので、朝7時過ぎに店へ来たりして、溢れる仕事をこなしています。1日の労働時間は、とても長いのです。
2019年4月(平成31年)4月7日の「日常つれづれ」に「ビリーブ 未来への大逆転」の映画の話を書きました。主人公のモデルは米国最高裁の現役女性判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ。戦う姿は美しくもあり過酷でもあり・・・。 1993年 女性として史上2人目となる最高裁判事に指名され、法の下の平等の実現に向けて果敢に切り込んでいく・・・絶大な支持を得る「RBG」はいかにして誕生したのか? 最近、上野千鶴子氏の東大の入学式での祝辞が取りざたされています。この入学式の後、私は、この祝辞を活字で読ませて頂き、感動しました。 これから梅雨を経て、本格的な暑い夏がやって来ます。「ボーッ」としているつもりはないのですが、毎日が飛ぶように過ぎるのです。 不順な天候です。どうぞ体調くずさない様、お健やかにお過ごしくださいませ。 |
2019年(令和元年)5月8日
4月、「令和」の発表以来、日本中が大騒ぎです。万葉のいにしえ人は、如何に感じているのでしょう。4月30日?5月1日・・・何とも異様です。 テレビの「ポツンと一軒家」と言う番組に見る日本。見れば見る程、深いのです。そこで生きた人々の歴史が、そして生きる姿勢が・・・。 皆様は長い連休を如何お過ごしでしたでしょうか。私は、通常通りの営業でしたので、店に缶詰めでした。 そして定休日は、ちょっとレトロな街を、目的もなく歩く・・・、そんな休日を過ごしました。 花みずきの大木が街を彩り、それを見る限りでも、古い大きい商店街だったことが偲ばれるのです。「あっちへフラリ、こっちへフラリ・・・」行けども行けども北に伸びる商店街は、地味ではありますが、今もこの地域に根ざしている事がわかります。そこに暮らす人々の役に立っているであろう事が想像できます。 まだまだ「ブラリ!」は続きます。 連休が終わったらサァ~仕事です。
この度の展示会のために、河井家の工房へ参りました。河井久先生がお仕事をなさっていた当時と佇まいは変わって行きますが、ご長男一喜さん、次男達之さんが一生懸命お仕事なさっていらっしゃいます。 久先生がお亡くなりになって、この季節で3年が過ぎました。先生の作品の品格は、私にとって、とうてい忘れる事は出来ません。先生ご自身、まだまだお仕事をなさるおつもりの活力をお持ちでした。陶芸家としては、働きざかりの74才でした。お亡くなりになるつもりではなかったと思います。 大きい作品も、小さな器も、優しく、美しく先生の人格そのものです。 島本町の春もそろそろ終わりです。例年より、ずっとずっと遅くなった竹の子も終りました。竹の子寿司、竹の子ご飯、木の芽あえ、竹の子とえびのかき揚げ、天ぷら、そうそう春の野菜と共にスープにもしました。 田植えの支度がそろそろ始まります。水面にうつる青い空と白い雲。夏に向かって一直線です。 ★ 今後も、ちょっとレトロな街歩きが続きます。素敵ではなくても良い・・・モダンでなくても良い・・・。そこに暮らす人々の生活を支え商店主も含め、地域が一体となり、一生懸命生きている街は、日本の素晴らしい暮らしが息づいているのです。次は京都三条通り商店街を訪ねます。大宮から三条通りを東へ東へ進みます。 |
? 2019年(平成31年)4月7日
日本の春を彩る・・・そして日本中が待ち焦がれる桜を追う4月です。 今年の桜は、冷たい気温のおかげで、長く楽しむことが出来ます。 桜の花は、自分の歴史の数だけ、咲く花の色が異なると思うのです。幼い頃、家族で、ご近所さんで遊んだお花見は、純粋な花の色。 小学校の入学式。校庭の大きな木に見事に花開く桜の花の色。友と毎年、仰ぎ見る桜の花は希望で溢れていました。そして高校への進路は、さまざまな道。そこで見る花の色は、ちょっぴり寂しく、大人への一歩、 大きく舵を切るのです。大人になると言う事は、花の色に変化が生じるのです。哀しい色、美しい色豊かな桜色・・・色あせて見える年もあります。 背負う人生が色に重なり、その分深くなる様な気がします。 ある日、ある時3/22(金)の夕刊に映画の記事を見つけたのです。 主人公のモデルは米国最高裁の現役女性判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ。映画は、彼女の生きる姿勢を物語るかのごとく、すごいテンポで進みます。 もう一ツ・・・。映画を見終わって数日後、この映画評論家の記事をもう一度読み返したのです。人の心を掌握する的確な表現は、短い文章を尚、魅力あるものにしていました。 この文章を読んで飛んで行ったのですから・・・。 この同じ時期、全国の女性議員へのセクハラ問題が新聞に掲載されていました。 もう一ツ見たい映画があります。 見た目にも気高い美しさを備えたカクテルを求めるファンの方々。 姜尚中さん・・・。ここ数年の内で私を捉えてしまった事に間違いはないのですが、あまりの深さに、私自身を問いかける日々です。 この紙面で語る姜氏は、すべてを飲み込み、すべてを許容し、人生の道程を、しみじみ言葉に託し、深い人格が溢れる、想像に余りある人でした。 それでも、私と言う人間は、まだまだ凡人の道を迷っていくのでしょう。 でも春です。うぐいすも美しい声で鳴いています。「ホーホケキョ!!」もすっかり板につき、お上手です。 年号も変わります。「令和」いにしえの風流を旨とした人々に思いをめぐらし、新しい時代を、ちょっとゆっくり良いご縁を結びながら歩いてみたいと思います。 4月は展示会は休みます。春爛漫、どっぷり身を沈め、5月の展示会の準備にかかります。
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2019年(平成31年)3月6日
3月。すべての自然が動いています。この季節の太陽は、私達人間や森羅万象ことごとくに豊かな恵みを与えてくれているのだと思います。大地は瑞々しく、生きとし生けるものすべてが輝くのです。 花染の店内に生けている「青もじ」も膨らみ始め、一昨日は2ツ・・・昨日は加えて3ツ、そして今日は7ツと葉を広げています。そんな姿を見ているのが大好きです。
忙しい日々の合間に、ホッとする時間です。忙しいからこそやりたいのです。 ちょっと前までお祖母ちゃんが、そして母が、楽しみつつ生活していた自然との共存が日本の暮らしにはあったのです。 母は、これは大変な人で「手作りの食品」は、どこまでも幅が広く素晴らしいのです。好奇心が旺盛でしたので、何にでも挑戦していました。少しだけ連ねてみようと思ったのですが、ちょっと思い出すだけでも大変な数だと気が付きました。どれも甲乙つけがたいのです。 花染は、日本の暮らしや、伝統をそして先人たちの素晴らしさを、皆様と語り合い、お伝えする店でありたいと願っているのです。 3月の展示会は、まさしく自然からの贈り物です。
3月1日は花染の36周年です。たくさんの人々との良いご縁で結ばれ歩んで来ました。深い深い思いに浸っています。 2月の「日常つれづれ」に書いた「イノダアキオさんのコーヒーがおいしい理由」の本を取り寄せて、一気に読んでしまいました・・・と。深い話もありました。器とご家族の食卓、ご子息と器、そして本物と暮らす意味・・・等々、私にとっては、最大の応援の言葉です。 作家の先生方から、そしてお客様から、たくさんのお葉書、お手紙を頂きます。 そしてまた、仕事のご縁がつながりました。 先生が亡くなった事の大きな悲しい痛手から立ち上がって行く事ができれば、この上もない幸せです。 まだまだ寒暖の差が激しい3月です。お気をつけてお過ごし下さいます様、そしてお遊びにお出かけ下さいませ。心よりお待ち申し上げております。 |
2019年(平成31年)2月6日
もう2月です。節分も過ぎ、4日は立春。日差しが春めくと共に、木々の芽は膨らんできています。身の回りにある植物を手入れしていると、明らかに毎日変化してゆくのです。生き物は、冬の間もしっかり様子をうかがいながら機嫌を見てやり、愛情をかけないと、春から夏の美しい姿を見る事は出来ません。 ろう梅が花を咲かせ、芳しい香りを漂わせ、梅の花の便りが、そこかしこから届きます。 つい最近、日本の美しい心の本を求めました。 『イノダコーヒ三条店には、名物店長がいました。創業者である猪田七郎さんの甥っ子で、創業当初からイノダコーヒで15歳から働いてきた、猪田彰郎(イノダアキオ)さん。初代店長として三条店をまかされたのは38歳の時。焙煎から接客まで、すべてやってきました。 ほぼ毎日の常連さん、家族代々通ってくださる方、遠方の方、高倉健さん、吉永小百合さん、筑紫哲也さん、原田治さん・・・、円形カウンターではたくさんの出会いがありました。』 ちょっと手をかけてやればコーヒーはおいしくなります。コーヒーは生きものです。こちらの気持ちが伝わります。 戦後まもない昭和22年、豆が手に入りにくい時代から、本物のコーヒーを・・・と今の本店の場所で始めたのだそうです。 私も、この大きな円形カウンターが大好きです。常連の人々が座る特別な雰囲気があるのです。時々、この店をおとずれ、ここに座り、店の方々に会釈をしながら味わうコーヒーは格別なのです。 この三条店の深い味わいを、この本から受け取りました。コーヒーの話だけではないのです。お客様への姿勢、そして生きる姿勢が行間から溢れているのです。きれいな心で対峙する。ちょっと気持ちを込める。仕事は何でも一生懸命ひたむきに続ける。 そのアキオさんの気持ちは、あの高倉健さんをはじめ、あらゆる本物を知る人々に愛されたのです。 「イノダコーヒのはじまり・・・」は、私達、人様と接する仕事をしている者にとっては、大きな指針となるのです。 コーヒー一筋70年の美しき道程です。今も元気です。 私にとって身つまされるお話なので、何だか小さな本に感動してしまったのです。 私は、まず船木倭帆先生を思わずにはいられませんでした。「普段着のガラス」をお作りになり、全国に多くのファンをお持ちになられていました。 先生がお亡くなりになって早くも5年余の月日が流れました。 2月の寒い時期ではありますが、ほっこりしていただきたくてカップの展示会をさせていただきます。
雪もチラチラ、まだまだ寒い日が続きます。 |
2019年(平成31年)1月9日
神々しく太陽が輝く元旦の朝、新たな気持ちで向き合う初日の出。 元旦の朝はゆっくりと年相応のお正月をおくります。お節を頂き、母が残してくれた実家のうるし椀にお雑煮を...。母を忍ぶのです。 新しく掛けたカレンダーも初々しく、12ケ月、12枚分の中味はまだ何の陰りもなく、1年が美しく輝いている様に見えるのです。 今年は特別な年になりますね。元号が変わり、新天皇が即位し、時代が新たな歩みを始めます。
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「亥」の年なので、参拝客がいっぱい・・・と覚悟はしていたものですが、神社に到着すると想像を絶する人の列に呆然としてしまいました。守衛の人にお聞きすると2時間待ち!!との事。 しかしそれにしても京都は大変な事になっています。とにかく人で溢れています。小粋な佇まいの京都は何処へ向かうのでしょう。 日本の文化を大切に日々を暮らしていきたいと。決意を新たに、そして今年の目標にしたいと思っています。 平成を懸命に仕事をし、その仕事を通して人々とつながり、たくさんの事を学ばせていただきました。36年と言う月日を花染と共に走り抜け新年号を迎える幸運は本当にありがたいです。 これから私の大好きな椿の花が咲き始めます。白・薄桃色・そして赤い椿。心癒されるのです。 お正月明けは5日(土)から店を開けました。 例年のごとく切り干し大根をベランダに吊るし、冷たい風と優しいお日様に包まれて美味しく仕上がるのを待っています。 日本の食文化を、日本の四季を生活を楽しみながら次世代につなげて行きたいです。 最後にちょっと嬉しいお話です。 |