日常つれづれ(2023年)

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2023年

2023年(令和5年)2月7日

寒い寒い…が口癖の毎日を過ごしています。
しかしニュースで報じられる日本海側、北海道の風と雪を見ると、その甚大な量に絶句してしまいます。
この所、年々雪が多くなっている…とお話になられる地元の人々の姿は痛ましい限りです。
先日の報道ステーションで何故…日本海で何がおこっているのか、荒波に観測船を出し、体を張って検証している大学チームの姿が写し出されていました。自然は「まった」がきかないのです。精査してあらためて発表する…とのお話しでした。

立春も過ぎました。日差しだけを見ていると春はそこまで…と感じられるのですが…。節分は、にぎやかに豆まきをしましたヨ。年を重ねる程に食べる豆の数が増えます。「いつの間に、こんな年になったのかナァ〜」と毎年こんな会話です。

ちょっと事情があって小さく小さく暮らしているのですが、だからこそ日常を大切にしたいと思っています。

そして小さな幸せ…。店の器を我家に持ち帰り、食器棚に並べ、得意になる喜び…美しく見えるよう配置を変え…ヨシ!ヨシ!とながめる嬉しさは、ごく普通の暮らしではありますが、大きな喜びとなっています。

我家は和食が主体の食卓ですので、昆布とかつお節で出汁をとり、冷蔵庫に常備しています。お出汁をとる香りが台所に広がると、何だか母を思い出します。娘は母と同じ事をしながら台所に立つのですね。母はもっともっと手間をかけていました。懐しく思うのです。

あくまで家庭料理ですが、美しい食卓…色彩や形状を考えた器選びは、日々を安定させてくれる様な…そんな事を心がけているのです。

美味しいものを頂く事は幸せな事ですね。
京都の行きつけにしていた洋食屋さんが、お年を召された事と奥様の体調不良で店を閉めてしまいました。ご夫婦で営む…カウンターとテーブル席が1ツ…という小さな店でしたが、長年通い、私が作るのが苦手な洋食をすべて補ってくれていたのです。いつも満足させて下さる大切な店でした。

通い慣れたイタリアンの店も閉店してしまいました。アンティークな店内・素敵な心優しいスタッフの方々に、私はとても馴染んでいました。
最近の例にもれず、店は壊され、その敷地にはホテルが…そんな京都です。ホテルばかり建てて…どうするの。小さなホテルから外国資本の超高級ホテルまで、今尚、建設は広がっています。

話は変な方何に流れてしまいましたが、私は古い情緒ある歴史ある京都を見付けながら、良き町並や文化を探して訪ねる事に致しましょう。
そういう意味では、京都はとても奥が深いのです。

私は家庭料理を、普段の暮らしの中で丁寧に作っていればいいかナァと…。でも和食には、私なりのこだわりがあるのですヨ。
そして食器とは、こんなに人の暮らしを楽しくしてくれるものだと…手前みそではありますか…そう思うのです。

そんな花染ではありますが3月、40周年を迎えます。
ふり返れば長くもあり短かくもあり、過ぎた日々が脳裏をかけめぐります。幾度となく押し寄せる苦難を…あの時、あの大変な時を乗り越えたのだから、又きっと乗り越えられる…と信じていました。

大きく健康を害した時には、もう終りか…と覚悟した時もありました。平坦な道を与えられる訳でなない…と自分を鼓舞するのです。
でも、悲しみも喜びも楽しさも、全て数限りない人々に支えられ一生懸命でした。

徳川家康の「人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし。急ぐべからず。」との言葉を思い出すようにしていました。先人達の数々の名言は、私の中で常に生きていました。
よくぞここまで…と感慨深いのです。

舩木倭帆先生の書かれた本も私の道標でした。花染開店当時からお亡くなりになるまで、優しくて強い先生は、幾度となく私を支えて下さったのです。

 

舩木先生がご健在の頃は、何時も先生の作品で記念展をして頂いていました。ご遠方からもたくさんのお客様がご来店下さって、にぎやかな時間でした。
先生と奥様、そしてお客様…そして私。笑顔溢れる花染でした。美しいガラスが2Fいっぱいに並ぶ光景は、舩木先生の思い出と共に忘れる事はありません。

今回の40周年記念展は、舩木先生の愛弟子である村松学さんにお願い致しました。
3/14(火)〜3/25(土)開催の予定です。

 

その頃には、美しい日本の自然は、光と共に輝いている事でしょう。
生きとし生けるもの、ことごとく生気を帯び…桜の花の便りも聞かれる様になりますね。

皆様への感謝の気持ちを胸に、楽しみながら準備を進めて参ります。春をむかえて、キラキラ輝く展示会にしたいと思います。

節分の次は、そろそろおひな様。店にもおひな様をお出し致しましょう。春が待ち遠しいです。温かくして下さいね。我家は20年ぶりに小さなやぐら炬燵を出しました。

そうだ、小豆が残っていました、お餅を買っておぜんざいを…アツアツを頂いて元気を出しますね。そんなこんなで 2月の「日常つれづれ」は雑多なお話しで終ります。

季節の変わり目です。くれぐれもお気を付けてお過し下さいませ。そしてお時間かございましたら、お遊びにお出かけ下さいませ。

道端に咲くすいせんです
2023年(令和5年)1月11日

明けましてお目出とうございます。
新年のご挨拶が遅くなりました。お正月の3ヶ日も無事過ごす事が出来ました事は「ー年が良き年になって欲しい…」との願いと共に、とても感謝しています。

「七草がゆ」も過ぎました。ふっくら、ゆったり土鍋で炊き上げた白いおかゆの中に七草の緑が映えて…春が近い事を告げてくれるのです。
お正月で疲れた胃を休め、季節を感じさせてくれる…先人達の自然感は素晴しいですね!いっぱい智恵を授けてくれますね!

そして1月…茶道の世界は初釜の頃です。
昨年12月の展示会の折、半泥子・仙鶴窯・藤村州ニ氏の作品の中にとってもいい…向附けがありました。隠やかなのに1ツ1ツ手の中に包むと、彼の力量が肌を通して伝わって来るのです。
作陶の試練の中で生まれる伝統の技だと思うと…尚、大切に使いたいとの思いにかられるのです。

 

向附けを拝見していると…思い出すのです。
私のお茶の先生が初釜やお茶事にお使いになる趣き深い向附けの事を…。

粉引の時もありました。西岡小十の唐津の事もありました。先生がとても懇意になさっていた丹波の石田陶春のお道具も、ひんぱんに使われていました。

私は、こう言う折は朝3時起きです。いそいで着物を身に付け、仕度をし、始発電車で向かうのです。先生がお作りになる懐石料理を側で学ばせて頂きながら…お手伝いをさせて頂くのです。

よく叱られました。「はい!気を付けます!!」この言葉をいつも念頭に…お稽古は私にとって 修業のようでした。
先生は懐石料理の達人でもあり、深い知識と造詣をお持ちの方でした。初釜も、お茶事も、懐石料理は…全て先生のお宅で作るのです。
たとえば…ごま豆腐の為のごまを、すり鉢で摺る事から始まるのです。

たくさん教わりましたが…鯛の身を昆布で締めた薄作りを美しく重ね、わさびを天に添え、白醤油と少々の酢を合わせたタしをかける…今も私がお客様を自宅にお迎えする折、真似をさせて頂いています、昔はなま物は茶席では使わなかったそうです。
アレンジを加えながら多くの事を、あくまで真似をさせて頂き、料理の巾を広げて来ました。

すべて片付けをし、帰路につくのは、夜中でした。家に帰って…くやしいのか…何がくやしいのか…知らない事が、出来ない事が情けないのか…
大泣きをしていました。

でも私の仕事柄、他の人達より、お茶のお道具には少しばかりは詳しいし、辛抱強い心も持っているので、特に目をかけて下さっている事は私に伝わりました。

こうして初釜や季節ごとのお茶事は、辛い心を抱えたまる終えるのが常でした。

1週間に1度の普段のお茶のお稽古は長い年月、1度も休んだ事はありませんでした。それも6時に店も閉め、夜7:30から12時近くまでのお稽古でした。

若かったですねぇ~…あの4畳半の世界は格別に大好きでした。

そして5年に一度…大阪・谷町の大きなお寺でお茶会とお花の会を催すのです。これが大仕事です。
前日は、弟子が総出でお寺の大掃除です。お花は「山村御流」。
お花も、お道具も運び込みます。

お茶会のお客様は約200人…。粗相があってはならず、4月の袷せの着物と帯は汗でぐったりでした。

そんなこんな思い出は昨日の様に懐しく思うのです。休カも気力も同時に持ち合わせていた頃の事です…ネ!

私を導いてくれた先生方が…そして、暮らしの中で出会う人達が、今の私の支えになってくれている事を、感謝と共に思うのです。

令和になって早くも5年目です。今年3月1日は花染40周年です。
私の人生…そのもののような40年を花染といっしょに走りました。

日本の文化や素敵なものを、私の出来る限りの力でお伝えしたい…皆様への心配りを忘れないでいたい…ひたむきに考えながらの花梁です。

平和を願い、心豊かな生き方をして欲しい。それが私の幸せでもあります。

お正月休みの間、新聞のテレビ欄を指でなぞりながら…目を凝らして探し…毎目のように藤沢周平原作のドラマを見ていました。
こんなにも美しい日本が…そして日本人の心に感動するのです。

自然が豊かであり、そこには人の誠と正義があります。外国の人達が日本人のその部分をチャントご覧下さっているからこそ…「日本が大好き!!」
と言って下さるのだと思うのです。

所作が美しい…言葉が美しい…そして人を思いやる心が美しい!!
これからの日本を背負う若い人が、こんなドラマを見てくれると嬉しいです。

そうそう…私の店のお若いお客様で、必ずご夫婦お2人でお見えになる方がいらっしやいますが…私が「これこれ…こうこうの話で…いいですョ!」とお見せする本を次々と読破して下さる奥様…。私が読む本は、かなり辛かったり重かったりするのですが、それを「大好きです!!」とおっしゃる奥様。今も2~3冊お持ち帰りになっています。

 

お読み下さった本は、私と気持を共有出来ますので、絆はより深くなり…お若い方に私を近づけてくれるのです。幸せなことです。

お年賀状も嬉しい便りです。
作品と言っても過音ではない、心のこもった素敵な人達の素敵な年賀状は、長い年月、私との関係を紡いでくれた宝物です。

今年も皆様への感謝の気持ち大切に、1ッ1ッ作品を育ててゆきたい…内なる私の力となり…しっかり前を何きたいと思うのです。

人としての弱さも…哀しさも…喜びも…別れも…いっぱい私の身にまとい「日常つれづれ」を書いて行きたいと思っています。どうぞおつき合い下さいませ。今年もよろしくお願い申し上げます。

道端でボケの花を見つけ、自転車を飛び降り写真にとりました。
ふっくら優しい…!春を見ぃ~つけた!!

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