日常つれづれ(2024年)

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2024年

2024年(令和6年)6月4日

青い空と白い雲。初夏の溢れる光と、緑がより深くなる木々。
4月に見事な花を咲かせた桜並木も、﨔の並木も、深い緑におおわれ、ことの外美しい風景を作っています。

幾つもの季節をくり過し、また訪れる夏。こうして年を重ね自然と共に生きる…何と愛しい事でしょう。花染の沙羅の木も豊かに美しい葉を繁らせ可憐な白い花をいっぱい付け、暮らしを潤いあるものにしてくれています。

 

住宅街にも路々にも、とりどりの花や木が涼やかな風情をたたえ風に揺れる…小さな街の佇まいです。
思い出や経験が重なり、これから先、どのような夏に出会うことになるのでしょう。
心に響き、心が揺さぶられるものに出会えるのでしょうか。

先月…5月。急に思い立ち東京へ行ってきました。夫が18日(土)六本木・国立新美術館で会合があり…日帰りを…と言うのです。それでは私も…日曜日と月曜日が花染の定休日なので…出かけよう…と宿と新幹線を2人分慌てて予約し、出立したのです。

久しぶりの東束…あそこもここも…と思いを巡らせるも、月曜日は美術館は休館。本当は根津美術館と三菱一号館美術館へ行きたい…と思っていたので…調べると、前者は展示変えの為、5月は休館…三菱一号館美術館は秋まで休館との不運。
それでは第二希望…ということになりました。

この両者の美術館は、来年この新緑の季節に再び訪れたいと思っています。
いろいろありましたが、スマホ片手に無理をしない、ゆるりとした3日間を過ごしました。東京での行程はInstagramに投稿しましたので子細は割愛改します。

 

コロナ禍の3~4年、関西近辺しか出かける事がなかったので、ワクワクするような刺激を受けた…予想外に楽しい出来事でした。

 

年々体が衰える中で、この旅によって弾みが付き、もっともっと腰が軽く旅に出かけられれば、嬉しい限りです。

6月の展示会の案内です。

〔陶器〕 河井達之
〔木工〕岩橋正隆
2024年6月11日(火)~6月22日(土)
10:30~17:00
16日(日)・17日(月)休み

【河井達之さん】
私共とのご縁は深く、花染にはお父様の久先生から続く多くのファンがいらっしゃいます。河井寛治郎・河井久から受け継ぐ、呉須・辰砂・鉄釉などの優しの作品。そして山本教行氏の元で修業をなさったスリップウエアー・ねり上げ…。この度は、かなり進化させて頂きました。お酒落な日常の器が出来るのを楽しみにしています。

 

【岩橋正隆さん】
私共の店での展示会は初めてです。大分県…彼がお住まいの近くに七島簡(しちとうい)とよばれる丈夫な植物を育てている地域があるそうです。椅子の座面に、編み込んでみようと…。
身近で伐採される栗の木を利用する事を考え、椅子を作る事を始めたのです。日本民藝館展にも入賞され…彼にとっては自信になったと思います。そして同じように次々倒されてゆく…さまざまな材料を使い、この度スプーンを作って下さいました…はっさく・桜・ツバキ・ナシ…など…そして手彫りです。
椅子とスプーン…種々の器、きっと素敵なセンスでお目見えする事でしょう。心待ちにしています。

 

東京行きのアクティブな3日間も楽しかったのですが、もう1ッ5月には嬉しい事がありました。

ずっとずっと長年「花染で家具を作りたい…。」とおっしゃって下さっていたお客様のお宅に<飾り棚>を作らせて頂き納品させて頂きました。出来映えを凄く喜んで下さったのです。
今までたくさんの品々をお求め下さいました方ですので、この飾り棚の中で生き生きと輝いてくれる姿を想像すると、格別の喜びがあります。
個人情報なので、少しだけ一部分だけ掲載させて頂きました。夕モ材・ふき添仕上げです。

小さな…人口の少ない街での私の仕事ではありますが、他府県からご遠方から足をお運びくださる方や、もちろん近くの花染を愛してくださるお客様…そして物作りをしてくださる作家の人達…たくさんのお力添えを頂きながら平常心を失わないで努力をしていたいと思うのです。
私を信じてくださるお客様に、花染の世界を作り、お伝えしてゆければこんな嬉しい事はありません。

大きなお仕事を、今もたくさん頂いています。ゆったりとした環境の中でお客様と気持ちを通わせ…そして昭和色の濃い超アナログの性格を生かし、お応えさせて頂きたいと思っています。

つばめの子供もそろそろ巣立ち、田植えも終る頃です。これから梅雨に入ります。雨の被害が災害クラスにならない事を願うばかりです。
大きな気候の変化を、この小さな街でも、ヒシヒシと感じています。島本町は災害の少ない緑豊かな街ではありますが、いろいろの場面で、地球を痛め付けている…と感じる場面に出会います。とても悲しい事です。

私は、朝日を浴び、夕日に向かい…自転車を走らせます。6段変速の小さな愛車は、島本町の小さな街を走るには丁度いいのです。
花を愛する人々が、ご自分で育てたお花をお持ち下さます。花染は美しい花で溢れます。

小さな幸せ、小さな自転車そして小さな街…そんな「日常つれづれ」今月もこんな感じで終わります。
ぜひ是非、河井達之さんと岩橋正隆さんの2人展にお出かけ下さいませ。お若い方々は頑張ってくれています。エネルギーを頂く事は、彼らの夢を頂く事ですね。心より待ち申し上げています。

2024年(令和6年)5月8日
爽やかな5月…1年の内でも最もお気に入りの季節です。目立たないけど、ひっそりと佇む小さな5月を探して暮らしています。早朝から店へ来る事が多く、ちょっとひんやりの島本の風を切って自転車をぶっ飛ばして走っています。この爽快感…ついついスピードを出してしまうのです。

ゴールデンウィーク中も花染は普段通りの営業をさせて頂きました。長いお休みを楽しまれた方々も、そろそろ平常にもどった頃ですね。花染も思わぬお客様に出会ったり、久しぶりのお客様とお話しをさせていただいたり、それなりの日々でした。

島本町内を自転車で走ると、そこかしこ環境破壊が否応なく進んでいるのを目のあたりに致します。
この田舎町は普段の暮らしの中に新緑が溢れ、うぐいすが鳴き…ヨチヨチの声から上手く鳴くようになり…春を楽しんでいました。たま〜に遠くから、かすかに聞こえるばかりになってしまいました。

今を生きながら、全く昭和の感覚で生きている私としては、この移り変わる自然を、そこかしこに見てしまう事は、何より悲しい胸が痛む事なのです。
毎月「日常つれづれ」を書きながら、小さな田舎町だからこそ、その事を身近に感じてしまうのです。行政とは誰の為にあるのでしょう…ね。

昭和の私は、花染での書き物にはほぼシャープペンシルを使用します。紙へのあたりが柔らかく、失敗しても簡単に修正ができるから…

「日常つれづれ」の下書きは、このシャープペンシルで思いを一気に書き上げるのです。修正し、削り、書き加え…それを繰り返し仕上げます。納得しないで見切り発車…ネットに上げてしまう事も多いのですが…。

私の子供の頃は、ボールペンは無く、書き物は鉛筆でした。この鉛筆には、濃密な父との思い出があります。小学低学年の頃は、私の鉛筆は父がナイフで削ってくれていました。それはそれは、丁寧に綺麗な姿に削ってくれるのです。子供ながらも…とでも美しい物を感じていました。

いつの頃からか、私もバランスを考え、美しくある事を考えながら鉛筆を削る事を意識するようになりました。父と同じような形状なのが不思議です。今もその習慣は私の手の中に残っているのです。

時折発行している手描きの「花染通信」はシャープペンシルで文字を書き、イラストは色鉛筆で彩色を致します。その父との思い出を大切に色鉛筆を美しく丁寧に削りたいと…心懸けています。
丁寧と言う事は、いろいろの場面に反映されると思うからです。

そして、もうーツ「墨の力」の威力です。
冠婚葬祭・慶弔…のし紙を書かせて頂くのですが、墨をすり筆に含ませ、緊張の中で筆を運びます。上手く書ける訳ではないのですが、筆ペンではなく毛筆にこだわり努力しています。

店内のポップも、ほぼ毛筆で書きます。マジックインクで書いたものは、たちまち色あせ生気を失います。「墨のカ」は凄いです。全く衰え知らず…を実感するのです。

以前にもこの頁に登場させた話ではありますが…
若い頃、お手紙を毛筆で書いていた時期がありました。それは出西窯の多々納弘光氏からのお手紙が、何時も斐伊川和紙の巻き紙に毛筆でダイナミックに書かれていた事に始まりました。お手紙を手にする事が喜びでした。

再三、お手紙が往復する中で…自分の個性でいいのでは…と、私も挑戦を始めたのです。その巻き紙の中の空間は絵画のごとく、墨の濃淡・強弱・かすれ…間をとる事…上手くなくても自分なりの手紙が書けるようになったのです。斐伊川和紙は、それを助けてくれました。

私の名刺も、その当時は、この板張りのものを一枚一枚印刷したものを使っていました。写真の名刺は過去と現在…時代を感じます。

長い年月、そうありたいと努力したのですが、少しずつ今の時代に合わないのでは…ひどく大層に感じるようになり、毛筆での手紙は止めてしまいました。

その頃はお客様の中にも毛筆でお手紙をお書きになる方が数人いらっしゃって、その為にだけ巻き紙・便箋・葉書き・封筒をお売りさせて頂きました。
その方々も年を召され…斐伊川和紙とも疎遠になってしまいました。

その頃のお客様…箕面の方から突然お電話があり「花染さん! 巻き紙は、今も置いている…?」との有難いお言葉でした。時代は否応なく変化するのです。そんな大切なものを店から消してしまった…扱わなくなってしまった花染にも間題ありと思っています。

斐伊川和紙は普通の巻き紙の2〜3倍程のお値段ですが、その力は書いてみた人には分かります。墨を含み…書き始め…細く細く最後まで…それは見事な美しい墨跡なのです。

仕事をしていると時代の流れに苦しむ事は、たくさんあります。自分にできる事は何なんだろう…自分の弱さと向き合う日々です。お若いお店とは当然異ってしかり…です。目標を立てる…困難に立ち向う自分と言うものを持つ事はできるでしょうか?

今回の「日常つれづれ」は鉛筆の話から思わぬ方向へ行ってしまいました。

NHK朝の連続ドラマ「虎に翼」にも熱い視線を向けています。あの時代にあって絶えず挑戦し続ける姿にワクワクさせられます。録画して深夜ひっそり自分を鼓舞しているのです。

一気に書き上げてしまいましたが…心が弱っている方も、ご病気を抱えている方も…それなりにお元気な方も、たくさんのお話ができる店でありたいと思っています。人間とは…弱いものだとの認識を持っていたいと…。

花染も絶望と希望の繰り返しの中で生きています。
ごくごく最近、私の念願でもありました作家に人様を介して出会わせて頂きました。
4月22日(月)…木村龍生氏とお父様の木村宜正氏の工房へお伺いさせて頂きました。「侘びの世界」です。大好きな大好きな世界感をお持ちです。

 

又、前を向いて歩けます。2階に別の場所を作って展示させて頂いています。丁寧に大切にインスタグラムに投稿して参ります。(こうしている間にも、この数日で…求められお客様の手に渡った作品もあります…が…) そんな思いでいっぱいの現在の花染です。

6月は展示会を致します。
[陶器] 河井達之
[木工] 岩橋正隆
6月11日(火)〜6月22日(土)まで ※6月16日(日)・17(月)定休日です。

★河井達之さんは何度目かの展示会です。従来の作品に加え、新しい作品もお考え頂いています。呉須・辰砂・スリップウェアー・練り上げ…おしゃれな出来上がりになる事を楽しみにしています。

★岩橋正隆さんは私共での展示会は初めてです。椅子の製作が本来の仕事なのですが、カトラリ一・器・トレーなど小品もお願いし…この度の2人展にさせて頂きました。

まったくの手仕事…スプーンは3Dの世界です。削り込んでゆく行程、根跡が特に気に入っています。そのフォルムは作家のセンスです。美しさとはセンスがもの言うものだと思っています。スプーンだけでも50本余り作って下さっている様です。

お2人共…とでも頑張ってくれています。楽しみに待つ事…その日々は心を幸せにしてくれているのです。そして皆様が、それによって心も健康であって欲しいと願いながら5月の「日常つれづれ」は終わります。

店への道…公園に咲く花

2024年(令和6年)4月4日
やっとやっと本格的な春が来ましたね。桜の咲く大きな木の下に立ち、降り注ぐ光と風…木もれ日の穏やかな日和を享受しています。

 

3月…春が来ると期待していたにもかかわらず、寒い冷たい、その上雨が多い日々にウンザリしていました。
舩木倭帆先生の展示会の頃から3月を「ガラス展」と長年位置づけていたのです。今年のような不順な年は無かった気がします。近年は、村松さんの「吹きガラス展」で春がやって来ると思っていました。

まず展示会初日は、土砂降りの冷たい雨でした。ちょっぴり諦めかけていた自分がいました。ところが朝一番お客様は雨の中さっそうと来て下さったのです。「嬉しい!!」思わず大声でのお迎えをしたのです。

そんなこんなで最終日も大雨でした。でも皆様方が「最終日にやっと間に合った!」と嬉しいお声を下さったのです。本当にありがとうございました。心より感謝とお礼を申し上げます。
大好きな仕事…そして仕事に向う姿勢をお客様や作家の方々に教えて頂くのです。

同時に悲しい出来事が…
昨年3月はWBCサムライジャパンに湧いた日本列島でした。とりわけ大谷選手の笑顔に希望や勇気をもらった人も多かったのではないでしょうか。今シーズンは一転、彼のあの笑顔が消えてしまったのです。彼の佇まいは 日本人の誇りでした。

あの内面から溢れる輝く勇姿…きっときっと喜びを分かち合い歓喜に湧く日々が必ず訪れる…そうあって欲しいと、世界中のファンの人々と共に願わずにはいられません。

日本列島は美しい桜が満開です。アメリカも、日本国との親善として贈られた桜が満開になる事でしょう。これも日本の誇りです。

急速に来た春爛漫。新入学の子供達も元気です。今年の入学式は桜の満開の中で…と考えると…ちょっと変だった3月も、ヨシヨシ!と思う事に致しましょう。

そんな話とはうらはらに…
3月の「日常つれづれ」に《オッペンハイマー》の生涯を描いたアメリカ映画の事を書きました。
今年やっと日本で公開…そう言えばアカデミー賞も…。3月29日(金)公開でした。4月1日(月)心を躍らせて…どうしても観たかったのです。あえて日曜日は避けてweekdayにしました。
若い学生〜20代〜からご年配まで、あらゆる年齢層の方々が来ていました。

すさまじい音響…原子爆弾投下の爆発を意識しているのでしょうか。光と音は全編を通して…体感させようとしていたのだと思うのです。
第ニ次大戦が拡大する中で世界の科学者を原爆開発に向かわせた世界の指導者たち…。

ナチス・ドイツ、ソ連、そして引く事の出来ないアメリカ…どうしてもアメリカは他の国に先んじて原爆を使用しなければならなかったとしか思えないのです。

アメリカは、日本との戦争を早く終らせねばならない…そしてその破壊力の凄まじさを世界に知らしめる事で戦争を無くし、世界平和を…との認識に落ち入っているのです。

ナチス・ドイツが連合軍に降伏し、ヒットラーが死す。ソ連とアメリカの縮図がこの原爆実験へ到らしめたと考えるのです。
1945年7月実験は成功…8月6日広島…続いて8月9日長崎への投下…。
それは想定よりも、ずっとずっと凄まじいものだったのか否か!しかしその惨状をこの映画は描く事はなかったし、オッペンハイマーもその惨状を見る事はなかったと思うのです。

監督はクリストファー・ノーラン…映画「ダンケルク」の監督でもある事を一筆添えたいと思います。

2月19日(月)放映したNHK映像の世紀〈オッペンハイマーの栄光と罪〉このドキュメンタリーを見ていなかったら、私も理解しづらかった気がします。

核兵器は、今なお世界を脅かせ続けているのです。

人間の悪…底知れぬ誰もが持っている得体の知れぬ悪を知りたい…と若い頃から本を読んで来ましたが、人類がもたらす非情の悪を見せ付けられた思いがするのです。

メディアを通して見る世界、目を覆う惨劇が繰り広げられている事への憤りを…心底憎むのです。そして私達に出来る事…もっともっと身近にある私達に与えられた選挙権。投票する一票から考えて欲しいと願うしかないのです。もし心あらば…。

デパートのお菓子売り場は桜づくしです。こんなに平和に見える日本をどのように考えればいいのでしょう。

花染の裏庭にも季節が移ろいます。石臼を丹念に洗い、新しい水草を入れメダカが12匹、春の光の元で愛らしい姿を見せています。
今年も春を忘れず新芽でおおわれた沙羅の木。
そろそろ竹の子が…。農家の方から嬉しいお知らせが来るのを待っています。

 

4月・5月は展示会は致しません。次々送られて来る作品。ご覧頂きたい作品で店内は充実しています。常設に力を入れる2ヶ月を過ごしたいと思っています。暖かい良き日をお出かけ下さいませ。

街と歩くと道端に水路の脇に春の花が咲いています。歩みを止め、自然の成りゆきに目を留めて頂きたいと思うのです。
現在どんどん開発が進み、自然が壊されてゆく島本町ですが、鳥や虫や草木の声を…風の音を大切にしてやりたいと思う日々を暮らしています。

今月の「日常つれづれ」は、こんな感じで終ります。どうぞお健やかな日々をお過しくださいませ。いつも最後までお続み頂きまして本当にありがとうございます。

2024年(令和6年)3月7日
自然が動き始めました。嬉しい3月です。お日様が光を増し明るく輝いています。寒暖の差の厳しかった冬を越え、やっと来た春です。
良い事が待っていてくれそうな…きっと良い事があるに違いないと思わせてくれるのです。

そろそろ五感も覚醒してくれるでしょうか。たくさんのモノに出会ったり、見たり経験したり…自分の視点を広く大きく持つ事こそ内面を大きくする事に繋がるのではないかと思っています。

ちょっと疲れ気味だった2月。まだまだ寒かった花染の定休日の2月25日(日)。
何も予定を入れない休日は久しぶりでした。

日曜日・朝のコース~NHKさわやか自然百景~Eテレ趣味の園芸~日曜美術館そして読売テレビ…グっと地球便~所さんの目がテン「科学の里」これらは人間の英知を信じる事が出来る番組だと思っています。

一昨年から我が家に登場したやぐら炬燵の中にどっぷり浸ってテレビを見る怠惰な姿…。しかし、内容は余す所なく見ていますヨ。
普段は録画して夜中に見ている事の方が多い…かも知れません。楽しみにしてる番組なのです。

日々、こんな状況とは裏はらに、テレビや新聞では悲嘆にくれる人々の姿を、目を覆う惨劇を繰り返し報道しています。

NHK「映像の世紀」「NHKスペシャル」も人類に問題を提起し、発信しているのです。立ち上れない程の事実を突き付けて来るのです。

2月19日(月)「映像の世紀」は『オッペンハイマーの栄光と罪』をドキュメンタリータッチで古いフィルムを掘り起こし…私にも理解出来るように組み立てていました。知識として知っている事実も多くありましたが…人間への憎悪・人間の悪に困惑し、悲しくなるのです。

2023年7月に世界的ヒットとした 《オッペンハイマー》の生涯を描いたアメリカ映画にも言及していました。

唯一の被爆国日本での公開予定はなかったそうですが、さまざまな議論の末、今年公開に踏み切った…との事です。
戦争を終らせた英雄『ロバート・オッペンハイマー』悪魔の兵器の生みの親。
二つの名で呼ばれる、この映画は、どうしても見たいと思うのです。

第ニ次世界大戦が拡大する戦禍の中、世界の科学者を原爆開発に巻き込んだのです。
ドイツではヴェルナー・ハイゼンベルク、日本でも原子物理学の父と呼ばれた仁科芳雄…そして生み落された原爆は…!!それぞれの人生を狂わせてゆくのです。

たくさんのモノや事に出会い、思い考え悩む…苦しみの中から生まれて来る得がたい真実も多いのではないかとも思うのです。
人は弱くもあり、そして強くもあるものだと…そこから立ち上がって歩き出す事こそ大切なのですね。又、きっと乗り越えられると信じたいのです。

いかなる高僧も、逃れられないものがある…。と何かの本で読みました。
それ程、人は弱いものだとの自覚もしなくてはならない気もするのです。

この「日常つれづれ」の頁に、戦争が引きおこす罪も、ナチス・ホロコーストも、そして重い重い本の話も、いっぱい書いてきました。

美しい精神と姿勢があれば、思い惑う心を、元の位置に戻してくれるのではないか…との考えに到るのです。その場所に心を寄せたいと思うのです。最終的には、精神論になるので、難しい事は出来なくても、すべては感謝の上に立っているのだと…。

ちょっとホっとする、よろこびの歌。
「石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも」
万葉集・志貴皇子が作られた有名な歌です。万葉集の代表的な作品なので、中学の頃習いましたね。

いかにも新鮮な感動を私達に伝えてくれている…自然への讃歌です。志貴皇子は天智天皇の皇子なのです。

春一番は、村松学さんの「吹きガラスの展示会」です。

松村学 吹きガラス展
2024年3月12日(火)~3月23日(土)
10:30~17:00
24日(日)、25日(月)休み

舩木先生から脈々と流れる村松学さんへの道。今年も作品はタップリです。年を重ねる程に高まる枝術と美意識。美しいガラスは春の喜びを謳歌しているようです。

展示会中は毎日Instagramに写真を投稿させて頂きます。たくさんのお客様がご覧下さっていて、さまざまご縁を頂きました事に感謝しつつ展示会を楽しいものにしたいと思っています。

田舎から送られてきた「ひじき」。大豆・人参・しいたけ・あげ・レンコンなどを入れて優しく煮てみました。この季節…冷たい海の磯に入り、ひじきを取り、湯がき、天日で干し…大変な作業です。大切に美味しく出汁をとり煮ましたヨ。磯の香りが台所に漂い…故郷を思い起こさせます。

日本で暮らす事、日本人のDNA…祖母から母から受け取るお惣菜の味を、心より有難いと思う日々を送りたいと思っています。

すごい日本人が…ニュース番組・スポーツニュースは大谷翔平選手の話で今年もにぎわいそうですね。あの笑顔が世界中に溢れ、それがいつまでも続いて欲しいと願わずにはいられません。

桜も、そろそろ日本列島を南から駆け上がって来る頃ですね。美しく咲いて潔ぎよく散ってゆく…日本人の魂のようです。

まだまだ寒さも残っています。どうぞ気温の変化にお気をつけてお過ごし下さいませ。
日常こそ大切…と思わせてくれる村松学さんの展示会…。心よりお待ち申し上げております。

松村学 作

2024年(令和6年)2月6日
どことなく春の気配を感じるようになりました。
2月3日を過ぎると暦の上では春なのですね。節分の豆まきをしましたか。寒いので鬼も家の中へ入れてあげましょう!!

店へ通う道端に、プックリと咲く紅梅の花が冷たい2月の空で映えています。そばの水路の脇に水仙が群生しているのを見付けました。
朝かららウキウキ…春はそこまで来ています。

 

しかし日本列島は北から南から、長い列島なのですね。北海道は吹雪、伊豆では桜が…沖縄は夏日…。
そして能登に思いをはせるのです。

私達は何もなかったように暮らしています。それがとても不思議なのです。
温かい食事、温かいお風呂…温かい寝床を…
新聞の紙面は痛々しい写真と記事でおおわれ、テレビも被災状況や人々の苦境を報道しています。ご高齢の方はいかばかりでしょう。

1月の大相撲初場所では石川県出身の大の里(おおのさと)が大活躍をしました。郷里を背って頑張ったのですね。敢闘賞を受けられた事は、郷里の人々に大きく貢献したと思います。
これから幾年かかる復興への道…くれぐれもお大切にして欲しいと祈るばかりです。

近年とみに思うのです。
暮らしの中にある温もりを大切にしたい気持ちが大きくなります。年齢と共にいずれは、出来ない事が増えてゆきます。だからこそ今、もっともっと…いっぱいやっておかなくては…と何時も頭の中は満杯なのです。

人様にお客様にお世話になった花染…どうずれば喜んで頂けるのか…
何をして差し上げられるのか…と仕事の中で考えてしまうのです。

日本列島は何時、何があってもおかしくない…自然災害が、いちじるしく多発しています。
この季節…この2月…冬と春の狭間でうかぶ和歌があります。
『君がため春の野に出でて若菜つむ我が衣手に雪はふりつつ』「古今和歌集」相手の健康や長寿を祈って贈る若菜…。そして若菜の緑と雪の白さの対比が、日本の美しい姿を…日本人のたおやかな心を表現していると思っています。大好きな歌なのです。

作者は光孝天皇…権力にあまり興味を持たず、容姿も人柄も優れたお方だった…と。そして光源氏のモデルではないかとの説もあります。美しい天皇とこの歌があいまって、いつまでも心に残るのです。

NHK大河ドラマ「光る君へ」。時代と衣装を学ぶつもりで見ています。紫式部の好まざる方向へ進んでゆくのでしょう。美しい絵巻きを今後も楽しみにしています。

花染の裏庭で「ほととぎす」が一番に新芽を出しました。宿根草は静かにその時を待っています。メダカも暖かい日には水面に浮かび上りウロウロしています。ゆっくり泳ぎはじめると、そろそろ春です。自然界のバロメーターですね。

本格的な春が来ると花染はガラスの展示会です。
村松 学「吹きガラス展」3月12日(火)~3月23日(土)
春の光をいっぱい浴びるガラスの器を想像するとワクワクします。案内状もそろそろ出来上がります。

一昨年より昨年…そして今年。ますます上手くなる作品を眺めていると喜びを感じます。舩木先生の工房で修業をなさっていた頃から幾十年のお付き合いでしょう!!村松さんとの出会いに感謝しています。お仕事を共にさせて頂く事が心地良いのです。こんな有難い幸せを大切にしながら準備をさせて頂きます。展示会が開かれる頃には、そろそろ桜も開花を始めますね。

春の代表格のようなチューリップの花を買って小鹿田焼きのピッチャーに生けました。この小鹿田のピッチャー…最近、店の倉庫を整理していて見つけたのです。

そう言えば底の部分がふくらんで安定が悪いので、お売りしないでしまい込んでいたのです。懐かしいナァ~30数年前の小鹿田への旅を昨日の事のように思い出しました。

「春が来る!!」なんとも良い響きです。時代におもねる事なく流されず、そして時代を見すえ、前を向く。春のエネルギーを頂き、超アナログの暮らしを良しと致します。

そろそろおひな様も飾りましよう!
ちょっと弱気の花染の「日常つれづれ」は今月はこれでメ切ります。
インフルエンザもコロナも、まだまだ流行中のようです。お気を付けて暖かくしてお過ごしくださいませ。

河井達之さんの小皿・豆皿…小鉢など、小さい作品をたくさん持って来て頂きました。スリップウェアー有り、呉須の作品あり…コロコロ食卓に表情を与えてくれると思います。
どうぞ気分転換に、こんな愛らしい器を見にお出かけ下さいませ。心よりお待ちしています。

2024年(令和6年)1月12日
新たな年を迎えます。元旦早朝の初日の出!神々しい光景に思わず手を合せます。地球上に等しく降り注ぐ太陽に感謝の祈りを込めるのです。

たくさんの人達から頂いた地元のお野菜で、お雑煮を作る事から始まるお正月です。
祖母から母から譲り受けたお碗を使います。お椀の中には故郷の味が温かく…母が私の中に生きているのです。

家族の面影が、子供の頃から慈しんだ暮らしが脈々と受け継がれ、生活に生かされている事にも感謝しています。

「おせち」の中は古来よりの決め事が大切に詰められ健やかな一年を祈願する美しい日本の心です。
そして我家のリビングに、もうーツ幸せにしてくれるものがあります。地元の農家の方から毎年たくさんのお正月花を頂くのです。赤い大きい実を付けた南天・ゆずり葉・蝋梅・白梅・紅梅など…花入れにたっぷり水を張り、私なりに枝を払いながら時間をかけ大切に生けさせて頂きます。

世界を日本を見渡し、この家族の絆が永遠に続いてくれる事を心より願っているのです。

そして真白いカレンダーに1年を託し仕事への覚悟を誓うのです。

2日の初詣は下鴨神社と年末から決めていました、春のような晴天…雲ーツない青空でした。広大な古代の趣きを残す糺の森は幾度お参りしても清々しい空気が漂い、新年に相応し佇いです。

 

コロナ明けと言う事もあり例年より沢山の人出でしたが、ゆるりとした時間が流れ、一年の無事を祈ったのです。
帰りは、ブラブラ鴨川ぞいを…随分な道のりを四条河原町まで歩いた良き初詣でした。

我家は一昨年の冬から「おこた」を出しています。このお正月も炬燵の中でまったり…お正月料理に明け暮れ、甘い物にもついつい手を出し、心も体もゆるみっぱなし…ホッコリです。
だめだと思いつつ、すっぽり入るこの気持ち良さは…たまりません!

そんなこんなで、3日の朝、運動がてら京都・六波羅密寺まで行こう!!と思い立ち四条河原町から歩く事30分余り…観光客が比較的少ない裏の道を抜け、鴨川に架かる松原橋を渡り、東山の坂道を…。

混雑も心配していたのですが、思った程ではなく、ゆっくりお詣りが出来ました。
元旦と2日は、たくさんの人で溢れた事だと思うのですが…3日で良かった。

この六波羅密寺は、平清盛をお祀りしているのです。この辺り一帯は平家一族の屋敷が…平清盛が広大な屋敷を構え栄華を極めていたのでしょう。

壮大な時代絵巻きがくり広げられたであろう夢は…昔…。
栄枯盛衰は世のならい…「おごれる平氏は久しからずや…」ほろびの美を日本人は好むのですね。私も例にもれず魅了されるのです。

こんな事を考えていると思い出すのです。
私が小さい小さい幼児だった頃、父は夜、私に添い寝をしながら琵琶法師の話をしていました。「耳なし芳一」の話です。
恐いような聴き惚れるような…そんな魅惑の世界でした。夜ごと色々の話をしてくれましたが、何如かこの「耳なし芳一」の話が私の心に残ってしまったのです。甘い甘い父との思い出なのです。

哀愁を込めて琵琶を奏でる…幽玄の世界。時間とご縁があれば「平家物語」をこの音色と語りと共に演奏する世界感を体感してみたいと思っているのですが…。

日本に京都があって良かった!!
NHK大河ドラマも始まりました。
1000年前に世界最古の長編小説を書いた女性。男性優位の社会の中で、理性と教養、そして豊かな感性で自分らしく生きたのですね。
それは絶対に見るに値する事だと思いますよネ。

大石静氏の脚本にも興味があります。男女の機微を大石さんらしい言葉で綴り、紫式部を表現して欲しいと思っています。
紫式部と清少納言・和泉式部との関りも、深く知りたい…。幼少期をそして若い美しい時代を生きて書いて…老いてゆく…紫式部の姿を時代を越えて学びたいですね。
きっと今を生きる女性に等しく訴えかけるものがあると思っています。

7日は七草がゆの日でした。土鍋で炊く白いお粥の中は春があふれます。邪気をはらい無病息災を願い、お正月の疲れを取り、胃を休めなさい…と言う先人の智恵ですね。
伝統は受け継がれていってこそ…昔の人は賢いですね。

今年も皆様への感謝の気持ちを大切に…何をして差し上げられるかを考え、仕事に臨みたいと思っています。
私の人間としての弱さも、哀しい事も辛い事も喜びも別れも…すべてを包み込み身にまとい…それが私を育ててくれると信じ「日常つれづれ」を書き続けられますよう切に願っています。つたない文章ですが、どうぞおつき合い下さいませ。

皆様にとりましてもお健やかな一年となりますよう心よりお祈り申し上げます。

末尾になりましたが、能登で被災なさいました方々が安心して暮らせる日が一日でも早く来ます事を心より願ってお見舞いの気持ちと致させて頂きます。

今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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