日常つれづれ(2016年)

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2016年

2016年(平成28年)12月12日

季節の変わり目がはっきりしないまま紅葉のシーズンも終わり、早くも12月です。何となく慌ただしい日々が続き、
今秋は、紅葉を見に出かける事ができませんでした。
でも島本町の山々は絨毯を敷きつめた様に美しく、街の中の桜の木は見事に色づき、私達の気持ちを高揚させてくれました。
今は、もうすっかり冬枯れです。木々の枝にチラホラ残る紅い葉が風に吹かれ、またこれも風情があります。

  

花染の裏の山ぼうしの木も、本来なら、11月には紅葉するはずでしたのに、今年6月、枯れてしまいました。大木になっていましたので、昨年冬、枝を大量に切り落としたのが、いけなかったのでしょう。
春には少し若葉が芽ぶいてくれて、ホッとしたのですが、葉を大きくすることなく枯れてまったのです。私が素人ゆえに勝手に切ってしまったのです。本当い可哀想な事をしてしまいました。
そのままにしておこうか...とも考えていたのですが、やはり寂しくなり、何がいいいかなぁ...落葉樹がいいなぁ...。と思いつつ、決められないでいました。それとなく日々が過ぎ、そしてある日突然「アッ!沙羅の木を...!」と降ってわいた様に思い立ったら懇意にしている園芸屋さんにお願いしました。

  

沙羅の木は別名「夏椿」ともよぶのです。花は1日...はらりと落ちる...そんな姿がとても好きなのです。
植えて頂いてみると、これがまた可愛くなり、大きな楽しみに変わりました。春に芽ぶく頃、そして花開く頃が待ち遠しいです。
裏にはもう1ツ...万両の実が色づき、もうすぐ真っ赤になります。

  

こうしてお正月は、もう目の前まで来ています。一年の月日が飛ぶごとくです。

「芸術の秋」とはよく言ったもので、今秋は、いろいろの展観会を見にでかけました。大山崎山荘美術館の「クロード・モネ展」・「中川一政・没後25年展」・「松方コレクション展」・「ホキ美術館、名品展」などなどです。仕事が入らない休日、結構忙しく出かけました。

        

子供の頃、父と通った大原美術館。すべてがありました。建物・庭・絵画(西洋絵画、日本近代絵画)・工芸(民藝)そして、大原孫三郎と言う人物、そして、それらを総合した佇まい。私という人間に大きな影響を与えてくれた大きな世界は、今も尚、あこがれ、魅せられる大切な宝物です。
こういう世界に接する日々は、必ず私達の生活にも大きな産物をもたらしてくれると思うのです。本物を見極める力は、年を追うごとに豊かに成長して行くと信じています。

「秋の佇まいのカップ展」フリーカップ・ゆのみ。マグカップ   11/15~11/24
の展示会に、とても多くのお客様がお出かけ下さいました。
マイカップを...そしてご主人のお湯呑みを...又、贈り物に...とそれぞれの思いでお選び頂き、世間話などで盛り上がるのです。
花染の展示会は2階でするのですが、靴を脱いで上がって頂くので、皆様ほっこりし長時間滞在して下さいます。
お茶を飲みながら、少しでも日常とは異なる時間を過ごして下さる事が私の望みなのです。しかし、私1人での事なので、充分な事が出来ず、反省の日々です。
お客様は、それでも大らかに、ゆとりをお持ち下さっています。ありがたい事といつも感謝しています。

明日から「美しい日本のお正月」 12月13日(火)~12月24日(土)  ※18日(日)・19日(月)は定休日
をさせて頂きます。

        

「もうすぐお正月です」子供の頃は、本当に楽しみにしていました。数十年前までは、美しい日本の光景が、そこかしこで見られました。
年の暮れ30日には、家族総出で朝早くから餅つきをするのです。子供達も、それなりにお手伝いをしたり、ついたばかりのお餅を食べさせてもらったり、特に、父母の活躍は、家族を支える象徴の存在でした。
元旦の朝は、家族揃って、近くの氏神様に初詣をし、お年玉をもらうのは、特に嬉しいものでした。
稲を刈り取った田んぼの中で子供達が凧揚げをし、晴れ着で可愛く着飾った女の子が駄菓子屋さんに群れていたり...。思い出は尽きません。
豊かな日本、便利な時代になってゆくのが本当に幸せなのでしょうか?

話は変わります。
12/3(土)に島本町内全域に渡り企画された「手作り市」は、大変な賑わいでした。

        

私達の商店街の「第三・土曜市」も12月に限り、「第一・土曜日」に変更され、大騒ぎし、楽しく盛り上がった」1日となりました。
たくさんの企画の中で、私は、京都・西山・大原野の野菜を大量に運び込んで頂き、臨時「野菜市場」です。
大根・白菜・みず菜・みぶ菜・小松菜・菜の花・白かぶ・赤かぶ・さつま芋そして大量のキャベツです。

すごい量の作物でしたので、かなりのプレッシャーがかかり、写真を撮り忘れ、我が身を呈し、親しい方にお手伝い頂き、一緒に、販売に必死の状態でした。
2時頃には完売。ホッと胸をなでおろし「バンザイ!!」です。私の手には入らなかったのが、とても残念です。
見事な野菜達は、見るからに食欲をそそる新鮮な生命にあふれる自然の恵みです。農家の方に感謝です。
ただ私は、商店街を走り廻り、重い野菜を売り、翌日、気が付くと体の筋肉が痛み、節々が悲鳴を上げ、3日間「イタイ...イタイ...」と体を動かすたびに「年は争えないナァ・・・」と実感する日を送りました。
その私を癒してくれるかのように、信州から真っ赤なリンゴが、そして広島の瀬戸内からレモンが届きました。嬉しいですねぇ~。幸せですねぇ~。

もう一つ嬉しい事。島本町の楠公道路のイルミネションが12/1に点灯。阪急水無瀬駅からJR島本駅までの直線道路が、いつもは静かな町が、突然美しく光り輝く街へと変貌するのです。
私を含めた、たった5人の自費で始めたイルミネーションが15年でここまで大きく成長したのです。最初は水無瀬駅の3本の桜の木に、自分達で夜な夜な飾り付けをする事からの出発でした。水無瀬駅前で24日のクリスマスイブの夜には、いろいろのイベントもやりましたヨ。
「継続は力なり」まさに大きな力となったのでした。感無量です。人々の心を照らす光となってくれる事を願っています。

  

もう一ツ楽しみにしている事があるのですヨ!!
「海賊とよばれた男」が12/10から上映されているそうです。「平成26年9月12日・日常つれづれ」に百田尚樹の小説を私が熱く語った事がありました。
映画化される...と聞いていて心待ちにしていました。それも岡田准一の主演を言うから嬉しいです。NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の時から岡田准一が大好きになり、この主演を喜んだのです。年内に是非見に行きたいです。
明治・大正・昭和とくり広げられる、石油をかけて世界を相手に戦った、たぐいまれな男のドラマに再び出会えるのです。日本人である事の誇りを自信を、現代の私達に与えてくれるものと思います。
映画を見た後は、是非、本も読んでくださいね。
そして時間があれば、「平成26年9月12日・日常つれづれ」を読み返してくださると嬉しいです。熱い男達の話を私が熱く語っているのです。熱い事は大好きです。

お正月に向かって仕事を頑張ります。
赤地 健氏・赤地 径氏のとてもかっこいい干支(酉)が金沢から送られて来ました。納得の素敵な作品です。

     

是非、皆様、お忙しくなさっている事と思いますが、お出かけ下さいませ。心よりお待ち致しております。
年内は、12月29日(木)まで
新年は、1月5日(木)から営業致します。

寒い日がこれからやって来ます。暖かくし、ご無理をなさいませぬ様、お気を付けてお過ごしくださいませ。大切な日々をお健やかに、年末年始をお迎えくださいます様、お祈り申し上げます。
そして、今後共、末長くよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

そうそう、もう1ツ追加です。来年29年1月21日(土)「第三・土曜市」から引き続き、京都・大原野の野菜を商店街のイベントとして大量に販売致します。
販売は私の心意気にかかっていますので、是非、是非来て下さい。お願い致します。
大原野の約一町歩の畑で野菜をお作りになっている農家です。一年を通じ、安定して供給して下さる...との事ですので、本格的に取り組んでみたいと思ったのです。
新鮮、かつ大地の恵みを生き生きと実感する野菜は、体に優しく、私達をも元気にしてくれると信じる事が出来たのです。
脱サラして、7年前から一町歩の畑をご夫婦お2人で営んでいらっしゃるとの事ですが、野菜と同じように素晴らしい方ですヨ!

2016年(平成28年)11月2日

毎日天気予報を見る事から始まる1日です。肌寒い日、大雨の日、そして秋とは思えない上天気で暑い日。9月・10月ともども、とんでもないお天気でしたね。お野菜は高値の中で上下し、我々庶民は一喜一憂してしまいます。
島本町の自然は、もうすっかり冬支度に見えます。田畑の稲は刈り取られ、大きな仕事をやり終えた静かな佇まいです。冬枯れの景色も、又、良いものです。

  

日本のお米は美味しいですねぇ~。白く光る炊きたてのご飯。ゆらりと湯気の立ち昇る白米を前に、思わず笑みがこぼれ幸せを感じます
島本町のお百姓さんのお家から、そして友達の田舎のお米な ど、人様の好意で、私は毎年、新米のありがたさを享受させて頂き、嬉しさは100倍です。

世間は、玄米ご飯やら、雑穀米やら...とこだわる人々も多くいらっしゃいますが、私は、どうしてもこの白米から逃れられません。
「他の食生活には気を付けるから、この白米の美味しさだけは許して!!」との思いで、日々台所に立ちます。
ご飯の食べ過ぎには、ご注意!!でも幸せですねぇ~。

10月、お天気の良い、そして暑さの残る日曜日。阪急神戸線・御影にある香雪美術館に出かけました。
中川一政「心の太鼓が鳴りわたる」没後25年(1893-1991)の絵画展を拝見する為です。
「私の考える美術は、生きて脈うっていなければならぬ。鼓動がうっていなければならぬ。」...とは、まさしく中川氏の人と成りを表現する、とても迫力のある言葉です。

私が若い頃、彼の絵画から受けた溢れる色彩に改めて心が高なり、五感が呼び出され、ざわめきが始まるのです。そして、鮮やかな色彩と力強い筆圧の「薔薇バラ」の数々に再び出会えた喜びは、とても大きかったと思います。

     

「椿」も数多く制作なさったのだと知りました。私が椿の花をとても好きな事もあり感動は幾十倍にも膨れ、嬉しい豊かな1日にして頂きました。
洋画家であり、随筆・装丁デザイン・書・陶芸など多方面で活躍した人である事も初めて知りました。
中川氏が、陶芸の世界を、どの範囲で構築なさったのか、数少ない作品を拝見するだけでは分からないのですが、さすが、香雪美術館が選んで展示している茶道具「唐津茶碗・織部茶碗・茶入・花生・香合・茶杓」など、それは見事としか言いようのない作品でした。

     

所蔵家の中に「北村美術館」が名を連ねていると言う事は、一級の作品であるあかし....と受け取りました。豊かな業績は、長く生きる事が大切なのだとも感じました。97才、最後まで熱い心で描き続けたのだと思います。
最後に彼は「私はよく生きた者が、よく死ぬことが出来るのだと思っている。」...と。
理屈ではない、それが人間の一生なのだと教えて頂いた気がします。そして感動は体で感じるものだと...その思い新たにしたのです。
1975年(昭和50年)文化勲章を受章するのです。
世の中の喧騒とは無縁の中に佇む、香雪美術館を後に、近くのおそば屋さんで遅い昼食を頂き、帰路につきました。

いつもたわいもない事をタラタラ書かせて頂いているのですが、この度は、思う様に進まず困ってしまいました。私の大切な、親しい方がご病気で、体調がゆれ動いたものですから、私も心が病みそうで、仕事が手につかず、日々困惑の中で過ごしました。
私は、ただただ心配するばかりで何も出来ないのです。心の痛みを聞いてあげるくらいしか寄り添えない自分にも、無力を感じます

10/5 「日常つれづれ」にバッタの記述をしましたが、今も尚、裏の小さな庭で葉っぱをかじりながら暮らしています。9月、緑々していた体の色は、冬枯れの色に変わりましたし、少し元気を無くしている様子にも見えますが、ひっそりと呼吸をしている様です。
9月に見つけ、それ以後、裏で蚊取り線香を炊く事も出来ず・・・もしかして殺してしまいそうで。小さな命に支えてもらっています。 
人に支えられ、自然に支えられ、ありがたく思っています。秋の花をお客様が持ってたずねて下さいました。

  

私も誰かを支えられる存在になれる事を願っているのですが・・・

久しぶりに企画展を行います。
「秋の佇まいカップ展」  11月15日〔火〕-11月24日〔土〕  20日〔日〕・21日〔月〕は定休日です。

数か月かけて、20名近い作家の方から、ゆのみ・マグカップなどを大量に集めました。CUPとは、日々食卓で欠かせない、そしていつも手の中で人々に温もりを伝える、優しい存在だと思ったからです。心も身体も潤って欲しいと、ひたすら願っています。
数点写真に撮ってみましたが、まだまだゾクゾク数々お揃えしてあります。

     

心の休まる1点を探して頂ければ嬉しいです。

12月もお正月の支度の為の展示会をさせて頂こうと思っています。
「美しい日本のお正月」 12月13日〔火〕-12月24日〔土〕  18日〔日〕・19日〔月〕は定休日です。

日本の美しい「うるし」を手のひらで感じて下さい。浄法寺塗の三段重・丸重・雑煮椀・椿皿・盛皿など素晴らしい古来からのお正月が見えて来ます。

        

日本人の心がお正月を待っているのです。時代と共に変わって来ましたが、それでも一年の節目として、私達はとても大切に思い、
静かに迎えたいと思っています。
「もういくつ寝るとお正月♪♪」子供の頃が懐かしく思い出されます。お正月三が日の祝箸も吉野杉の香り良い利休箸と共に揃えました。
お正月らしい華やかな赤絵皿、とてもかわいい梅の花文の小皿などなど陶器、磁器の作品も登場致します。
何かと不穏な空気の世の中ですが、せめて家庭の中を豊かに落ち着いたものにしたいと思います。

10月15日~10月29日まで催した「島本ハロウィンウィーク」も終わりました。島本町内の有志21店舗で今年初めて企画してみたのですが、大変でした。
子供達が集団で訪ねてくるのです。たくさんのお菓子を用意し、くじで当ててもらい(空くじはありません)、喜んでくれる様子は、とても楽しかったけれど、15日間にわたる長期でしたので、次々お菓子を買い足しながら頑張りました。1等を当てた子供達の輝く顔は、何にもまさる宝物です。

     

急に冷たい日々がやって来た様に思います。8月~10月何か分からないまま過ぎてしまいました。
お元気な方も、お疲れの方も、心を痛めていらっしゃる方も、どうぞ寒くなる季節をお大切にお過ごしになられます事を心より願っています。

2016年(平成28年)10月5日

異常に長く暑かったこの夏。そして、台風や長雨に困惑し、人々の日常を脅かすような気候です。リオ・オリンピック、パラリンピックも終わり、祭の後の静けさ・・・と思いきや、何かしら地球は、世界は騒々しく、連日、事件・事故で溢れています。
心の闇、人間の悪意が発端の様な気がします。どうする事もできないのでしょうか?あのパラリンピックの雄姿に心を熱くするのも人間である不思議は、何とも如何せんし難い思いです。

小さな喜びの積み重ねが、大きな喜びに、小さな幸せの積み重ねが大きな幸せに・・・。皆どこかで分かっているのです。
裏の小さな庭に、とても小さなバッタが住み着いている事に気が付きました。

  

毎朝、無事を確認するのが1日の始まりです。バッタは何を食べるのでしょう。そしてどのくらい生きるのでしょう。そんなたわいもない事を考えています。
秋がやって来ました。秋の花々が、コスモスが風に揺れ、柿の実も葉もボチボチ色づいて来ました。果物もおいしいですヨネ!
島本町のゆるやかな景色の中に、真っ赤な彼岸花が咲き、稲穂が黄金色にさざなみ、美しい情景を作り出しています。つかの間穏やかな気持ちに包まれます。

  

10/1まで毎朝、NHK朝の連続ドラマを見ていましたが、日本の文化に裏うちされた暮らしに心を動かされ、ついつい建造物や部屋のしつらえに気持ちが入ってします。それと同時に、女性があの時代、世の中に臆する事なく胸を張って前進する姿を、少々疑問を感じながらも冷静に拝見していました。

朝日新聞・土曜版「be」(9/17)に雨宮塔子氏の記事が掲載されていました。この頁は、よく読ませて頂いていますが、サラリと通り抜けて行く人、気持ちが留まってしまう人、いろいろではあります。
丁度、夜、落ち着く時間帯に「ニュース23」が始まるので、1日の締めくくりに、どっかと座り、キャスターの個性に触れるべく、この番組を拝見します。7月の番組編成後、気が付くと、彼女がキャスターの位置にいました。「エッ!フランスと日本を行き来するの・・・?」と単純に思っていましたが、どうも拠点を日本に移しての事らしい・・・と知りました。
昔、アナウンサーだった時代、彼女のヴィジュアルに心惹かれていました。民放のアナウンサーが、何とも言いがたい服装で身を包み軽薄に見えていた中で、背筋をキリリと伸ばした姿をとても美しい・・と見ていました。「be」の記事を読むと、幾多の出来事に苦しんだであろう姿は、以前にもまして、ひっそりを輝いています。黒っぽい服や静かな服で身を包んでいる彼女の姿が、今後どのように変わってゆくのでしょう。

もう一世代前のキャスターに田丸美寿々氏が居ました。TBS・日曜日6時頃からの報道番組と記憶しているのですが、やはり彼女のヴィジュアルと知性、行動力そして発信力に、私はすっかり魅了されていました。
取材には自ら出向き、冷静に私達に伝える姿は、怒りの先にある理不尽な事柄に対峙する熱い思いで満ち溢れ、テレビの画面を通して明確に伝わって来ました。とてもハンサムでした。
その上、知性と上質なファッションは、彼女の見事なスタイルと相まって、真の女性の美しさを際立たせていました。あの凛とした空気を醸し出す姿を拝見しなくなって久しいですが、私にとって女性キャスターのトップに位置しています。
「女性が輝く社会」といつも安倍首相は常套句の様におっしゃるけれど、この度の東京都知事選の折に、彼ら男性政治家の本性を見てしまいました。
小池百合子氏は、丁度良い時期でした。リオ・オリンピック、パラリンピックの閉会式の雄姿は、とてもハンサムだったと思います。

話は変わります。
街の本屋さんが今、大変な事になっている・・・とお聞きしました。
我が島本町にも十数年前までは本屋さんが4~5軒あったと思うのですが、気が付くとたった1軒になっています。
ネットで買うのですね。又、電子書籍になるのですね。ネットで求めるのが合理的で当然安価なのでしょうが、地域社会には、全く貢献していないと思うのです。
潤いのない町にしてはいけないと思うのです。いずれ年を取って小さな町・小さな地域で暮らす様になります。その折、素敵な佇まいの住み心地の良い町にしておきたいです。

町が少しでも活性化し、商店も地域に貢献する・・・。そういう好循環が生まれる街になって欲しいと思うのです。街から本屋さんが無くなる・・・なんて考えただけでもゾッとします。

先月の「つれづれ」に書きましたが、経済性、利便性だけでは人間の心は潤わないと思うのです。たまには街の本屋さんをのぞいてみる余裕はないのでしょうか?お忙しいでしょうか?

自身の思惑を何もかも外して、フラリと入った本屋さんで立ち読みをさせて頂きつつ、想定していなかった本に出会い、斜め読みしはがら何を買おうかと迷う楽しみは格別です。ダイエット本を買おうか・・・はたまた話題本を買おうか・・・。ウロウロするのです。

大きな都市の本屋さんも大変です。イベントをしかけ、工夫をこらし、喫茶コーナーを設け、雑貨を置き、努力しています。
私は超アナログ人間なので、こういう発想をしてしまいますが、「時代錯誤も甚だしい・・・。」とお叱りを受けそうです。
田舎町が栄え、生き生きと呼吸する姿を見ていたいと思うのです。
本離れも進んでいるとの事ですね。手に受ける本の感触、装丁、本を買う事は、とても愛しい事と思っています。

幼い頃、買ってもらった絵本で、今なお、私の記憶に残る「白鳥の王子」は、美しい色彩と夢で溢れていました。私が最初に出会った絵本は兄が持っていた「宮本武蔵」です。渋いでしょう!!その兄の絵本の中の「武蔵が刀を脇に置き風呂に入る」シーンは、今でも鮮やかによみがえります。

小学生になり、本格的に本を読み始め出会った本「フランダースの犬」は、涙で活字が読めなくなる程、シャクリ上げ泣きました。本との出会いは十人十色でしょう。ここから、私と本との深いかかわりが生まれました。
先日もフラリとしていて、こんな本に出会い、思わず買ってしまいました。

  

そんなつもりではなかったのですが、簡単な本なので1日で読み切りました。
仕事に明け暮れしていると単純で、たわいもない日常が大切に思えて来るのです。
店の観葉植物が元気でいてくれる事にも安らぎと喜びを感じつつ、日々花染を大切にして行きたいと思っています。

商店街「第三・土曜市」も元気です。出店して下さっている中に、プリンの店があります。京都るり渓牧場の平飼い卵と北海道産の四葉牛乳を使用して作っているのだそうです。

  

「滑らかな舌触りと程よい甘さで・・・防腐剤等の添加物は使用しておりません。」との事です。
本当に美味しいですヨ。こんなこだわりと出会うのも嬉しいですね。
7・8・9月と暑くて強い日差しの中、出店者の方々は、とてもがんばって下さいました。
これからブラリと出かけるには良い季節です。
「ハロウィン」グッズもたくさん揃えましたヨ!楽しい催物を企画し、お客様が喜んでくださいます事を願っています

10月の土曜市は、15日(土)です。お待ちしています。

2016年(平成28年)9月7日

9月にやっと入った・・・という思いです。連日の暑さは尋常ではなく、こんな日々が永遠に続くのではないかと錯覚してしまいそうです。
昨年は8月末には乱舞していた赤とんぼも、未だに現れず、今年がいかに過去にない程、暑い夏かを物語っています。
このような地球で良いのでしょうか?島本町は緑も水も自然も人々の暮らしとうまく調和した街なのですが、木々も自然も心なしか生気が無い様に思います。山から吹く冷たい風も、この熱気に押されあきらかに萎えている観があります。
それにしても、何でこんなに何もかもが異状なのでしょう。
8月末日、父の法事で帰郷したのですが、いたる処、自然は壊され、風情は失われ、都会と何ら変わらぬ姿に変貌し、山や海は崩され、巨大な商業施設が、我が物顔に占領し、いたたまれな思いでした。
父が母が大切に暮らした・・・私がその背中を見ながら暮らしていた田舎は、もう無いのです。
従来の街並みは疲弊し、人も心も佇まいも味気ないものとなり、日本の美しさは、いったどこへ向かうのでしょう。

日本全体が拝金万能の人々で溢れ、それでも欲求不満の様な物の考え方は止まりません。
私は、生活はちょっと不便が良い・・・経済的、利便性を追わない方が良い・・・と考えてきました。そこには工夫が生まれ、工夫をすると。道具や物は最低限の量を持てばよいのです。
暮らしが物で溢れる事はありません。「良いものが少しあればいい!!」とは私の基本姿勢です。

この日本中が落着きを失い、日本の文化が行き場をなくしさまよっています。
その日々の暮らしの中、1ツとても気にかかっている事があります。たいしたことではなく、ささいな事なので申し訳ないのですが・・・。
私の暮らすマンションの玄関ホール前に、葉を瑞々しく繁らせた「ざくろ」の木が姿美しく植わっています。花が咲き、春が過ぎる頃、小さな実をいくつもつけるのです。今年は数えてみると32個ありました。

     

日々、わずかずつ実は大きくなり、最近は色が付き、ますます可愛くなり、毎日気にかかって仕方がないのです。
「どうぞ誰にも悪戯されないで秋を迎えてほしい!」と祈る思いです。妙に心が和み、嬉しいのです。

自然は、こんなにも健気に私達を楽しませてくれるのに、人間はいったいどうなっているのでしょう。

そうは言いながらも、この夏休みをいかがお過ごしでございましたか?
夏休みに入ると、なぜか毎年、家の中の整理がしたくなり、汗をしたたらせながら、働き続けるのですが、この休みは、毎日オリンピックに明けくれました。リオ・オリンピックは、ちょうど夜の時間帯と言う事もあり、心を熱くして釘付け状態でした。
2週間余りの日々は、たくさんの感動の渦の中に私達を引き込んでくれたと思います。

私はその中でも、8/20 男子400mリレー決勝を期待を持って待っていました。
当日20日(土)は、商店街の「第三・土曜市」でしたので、リアルタイムで見る事はできなくて残念でしたが、家族が電話で『銀メダル!!』と伝えてくれました。土曜市のメンバーで歓喜の声を上げ大喝采でした。

くり返し放映される映像に、そして数十秒の戦に血を沸かせ、心もリフレッシュする思いでした。
いろいろの意味で、この2週間は。美しい余韻を日本全体に残した事と思います。

話は変わります。
いつの日か「日常つれづれ」の中で「古時計」の話をしたいと思っていました。
花染で毎日毎日、時を刻んでくれている柱時計の話です。

  

写真のこのアーチ型の時計は、大正時代の、ほんの短い期間にしか作られなかったのだそうです。優美で、おしとやかな女性の姿にも似て、たくさんの古時計の中から迷わず、これを選びました。
ガラスの部分に、バラの花のスリ模様が入り、ひかえ目で、とても品の良い容姿に魅了されてしまいました。
3~4日に1度、ネジを巻いて上げると「コチコチ」と静かな、そして確実な音を刻みます。店内に軽く音楽を入れようと思った事もあるのですが、この静かなる時を刻む音は、私1人に与えられる至福の音色なのです。
心が「シン・・・。」と落ち着くのです。

この時計は幾人の人を幸せにし、又幾人の人の手を渡って私の元へ来たのでしょうか?次々受け渡されてきた人々は、皆さん丁寧に優しく慈しんで来た事が良く分かります。年月を経た風情は出ていますが、決して粗末に扱われた事はなかったと思われます。
おだやかな表情をしながら、休む事なく動き続けてくれる事に改めて感謝です。

もう1ツ我家にも古時計がありますが、これはドイツ製です。求める時、骨董屋さんが「この中の機械は、すこぶる上等のものが入っていますヨ。」とおっしゃるお話を聞き、この時計が醸し出す雰囲気に惚れ込み、ちょっとお高かったのですが、手に入れました。

  

これもまた、どう言う経緯で海を渡って日本に来たのか?どういう思いで時を刻んでいるのか?想像は大きくふくらみ私の手元にある事を考えさせられます。
そんなこんなで古時計とかかわって20数年になりますが、美しい物と暮らす喜びは一朝一夕では得られないものだとつくづく思います。

この数日は、空の色と雲の形が少し変わりました。わずかずつ朝夕、確実に秋に向かおうをしているのでしょう。
昼間の気温はあまり下がりそうにありません。まったく疲れは倍増です。

多くの方々が涼しい風が吹いてくるのを待っています。秋の花々も秋らしく咲く日を待っています。我家の「山ほととぎす」もなかなか花を付けてくれません。

     

昨年は、この時季すでに咲いていました。毎朝ながめ、花を切って店へ持って来られる日を、今日か明日かと待っています。ちょっと愚痴っぽい「つれづれ」でした。いつも本当にありがとうございます。

2016年(平成28年)8月3日

盛夏ですね。暑いの寒いの・・・と言っていられない程、世の中が取り乱れている日々を体で感じながら、心が痛みます。
さるすべりの花は、今が盛りと咲き誇り、短い夏を懸命に鳴き続けるせみの声・・・。自然は変わらず、四季折々を美しく生き生きを謳歌しているのです。

そんな中、超アナログの美しい世界、京都祇園祭り・後祭りの宵山(7/23)へ10数年ぶりに出かけました。
町衆の方々は衣装を粋に着こなし、見物の人々も浴衣あり、お着物あり、若々しい装いありで活気にあふれていました。

     

口々に「いいお天気で・・・今年の宵山は涼しくて・・・。」と挨拶を交わし、目が輝き、お祭りの雰囲気を十分に醸し出していました。以外と涼しい風が通りを流れ、ちょうちんが灯る中、ちょっと浮世離れする心地です。

3年前から祇園祭は「前祭り」と「後祭り」に分かれたそうですが、後祭りの宵山は人出も丁度良いくらい、程々の風情がありました。「コンコチキチン・・・」のお囃子で盛り上がる中、鉾や山を見上げ、新町通り、室町通りへと流し、家々のお宝を拝見させて頂き、ゆっくり、ぶらりとした時間は予想外に楽しいものでした。

        

何より、この京都の町衆の心意気に感動と尊敬の念を抱きます。

     祇園祭 山鉾行事  祇園祭山鉾行事の歴史

八坂神社の祭礼である祇園祭は、疫神怨霊を鎮める祇園御霊会が起源で、貞観11年(869年)、全国的に疫病が流行したとき、その退散を祈願して、長さ6メートルほどの矛を、当時の国の数にちなみ66本立て、牛頭天皇を祀ったのが始まりと言われています。
この祇園御霊会は、天禄元年(970年)以降、毎年の行事となります。その後、平安末期にかけて祭は賑やかになり、やがて室町時代には現代のような山鉾が出現します。この山鉾の数は年ごとに増え、15世紀中ごろには、58基もの山鉾が、現在とほとんど変わらぬ姿で巡行を行ったとされます。
しかし、その後の山鉾巡行の歴史は、受難と復興の歴史でもあります。
応仁・文明の乱(1467年~1477年)では、京都の町とともに山鉾もほとんどが焼き尽くされてしまいます。
乱後23年を経た明応9年(1500年)、町衆が力を合わせて山鉾を再興させ、『祇園社記』によれば、前祭26基、後祭10基の山鉾が
巡行を行ったとされており、これが現在の山鉾行事・山鉾巡行の基礎とされています。
その後も、永宝の大火(1706年)、天明の大火(1788年)、幕末の蛤御門の変(1864年)と3度の大火災に遭い、山鉾町も山鉾も甚大な被害を受けましたが、その都度、町衆の熱意と努力により復興され、現在に至っています。

パンフレットを引用させていただきましたが、この夏のかけがえのない思い出となった事がとても嬉しいです。
毎年「ちまき」は買い求め、家の玄関と店の入口に1年間厄除けの気持ちで掛けます。我家の夏の欠かせない行事です。

  

「ちまき」は買って下さい・・・との事です。それらは、このお祭りを支える大切な資金の一部になるそうです。

年令と共に物の見え方は変わりますね。
6月18日(土)、商店街・島本町で開催した「一箱古本市」でたくさんの本を買い求めたり、手もとに残しました。約2ヶ月程で、ほとんど読み切りましたが、その中で、本のおもしろさに加え、「蓮と睡蓮の違い・・・。」にいたく心を引かれてしまいました。
あたりまえの様で、深くつきつめた事もなく、仏教美術の象徴の様な「蓮」に心を奪われてしまったのです。
蓮の花は、泥から出て泥に染まらない。次に清らかな漣(さざなみ)に洗われて妖艶なところがない。三つ目に、なかに穴があいていて、すきっと筋が通っていて、外も真っすぐで、蔓(つる)も枝もない。四つ目に、香が遠くまで届き、しかも遠くに行くほどすがすがしい。最後に、真っすぐ上に行儀良く生え、遠くから眺められ、間近に、にじり寄って楽しむものではない。とある。

もっと勉強してみたいナァ・・・と思ったのですが、すでに毎日の雑事に追われて向上心は失せつつあるのが現状です。

原産地はインドといわれ、日本には古く中国から渡来されたとされるが、もともと自生種であったとする説もある。
花期は7~8月で、明け方、水上に抜き出た長い花柄の頂きに1個、まれに2個、大きな多弁の美しい花を咲かせる。
花の直径は10~25センチ、色は紅、紅紫または白色で芳香がある。咲いてから散るまでに規則性があり、夜明けに咲き始めた花は、正午に閉じてしまい2日目、やはり夜明けにふたたび開いて午後に八分通り閉じる、そして3日目には、夕方まで咲き続けるが、午後には外側の花弁から散り始め、4日目の午前中に散ってしまう。
盛夏に涼を呼ぶ、代表的な水生植物として、古くから日本人に愛されているが、開花するときに「ポン」と音がするといわれるのは、あくまで俗説である。秋に実る果実は楕円形である。

・・・とは、すべて、まるまる本の受け売りではありますが、何となく知っているつもりが、何も知っていない事に気づかされてしまい、これくらいの事は、ずっとずっと記憶しておきたいものだと、変に感心してしまいました。

「なぜこんな小説の中の蓮の花に・・・。」気持ちがひっかかってしまったのか・・・。
それは、夏の朝の父との思い出につながるのです。
あまりに幼い頃の記憶なので、映画の一場面のカットのようでしかないのですが、夏の朝早く、父の自転車のサドル前に、籐で編まれた幼児用の椅子を付け、そこにチョコン!と座り、近くの小学校のグラウンドにある大きなプールの様な蓮池へ、花が咲き始めるのを見に行くのです。
幼い心に、とても美しい大切なものを見に行く、父との秘密の様な朝でした。今、思いかえすと、毎朝くり返される甘い甘い大切な宝物の時間でした。

蓮の花と父との思い出は、私を妙に、得体の知れない煩悩の世界に引き込んでしまい、父親への思いに切なく、感傷的になってしまっています。

父から受け取ったものがいかに偉大であったか・・・。先日のNHK日曜美術館で放映していた「花森安治」の時代を父は私達子供を育てる中で、多少なりと実践してくれていた事に改めて感謝しています。
花森安治が戦後「暮らしの手帖」へかけた思いを拝見して、なんと美しい!!と感嘆の声を思わず上げました。
NHK朝の連続ドラマ「とと姉ちゃん」は、現在視聴率が非常に高いとのことです。その中に描かれる「暮らしの手帖」の編集長をなさった方の美意識がもたらす世界観は、ただものではありません。
本の装丁・ロゴ・内容・精神、どれを取っても、現代の暮らしに直結していて、まさしく今とても必要なものである事に驚かされます。

『美しいものは、いつの世でもお金やヒマとは関係ない。みがかれた感覚と、毎日の暮らしへのしっかりとした眼とそして絶えず努力する手だけが一番美しいものをいつも作り上げる』と言っているのです。

私がいつも心から叫びたい言葉がそこにあったのです。
目の前の暮らしを大切に、小さな事をおこたらないで、日々寄り添いながら丁寧に暮らす事こと・・・。私の考える『民藝』であり、美しい暮らしだと発信したいのです。
そのうえ、花森氏は、女性達へ優しい、そして厳しい目線を絶えず温かい心で持ち続けてくれた人であり、細やかな配慮の人であったのだと思うのです。
人々の幸せ、人類の幸せを、この小さな「暮らしの手帖」から読み取る事が出来るのです。

こういう美しい物、美しいと言う事を願う気持ちは、だれの心にも存在するのではないでしょうか。
私が追い求めた、まさしく日常の暮らしそのものであると思うのです。
「心の豊かさ・・・。」への道程をこの頁で書き続けて行きたいと微力ながら思うのです。

8月に入るとさすがに暑いですね。商店街の「第三・土曜市」は、8月の暑い中でも開催します。8月20日です。
何か目で涼しさを演出出来ればいいのですが・・・。これから真剣に考えます。

     

適当に田舎町の島本町は、西の山からオゾンをいっぱい含んだ涼しい風が吹くのですヨ!
土曜市出店者の方々も頑張って下さいますので、ぜひぜひお出かけ下さいませ。心よりお待ちしています。

花染の夏休み
  8月14日(日)~8月18日(木)まで
  毎週日・月曜日定休日
  8月27日(土) 臨時休業

書きたい事はいっぱいあったのですが、祇園祭と蓮の花の話で終始してしまいました。お忙しくなさっている方も、ゆっくりなさっている方も、どうぞ暑い日差しに気を付けて秋の気配が来るのを待ちましょう。いつもありがとうございます。

2016年(平成28年)7月4日

世界中がグローバル化・・・と声高に呪文の如く唱え始めて数十年ですね。
テレビ・新聞あらゆるメディアを通して大騒ぎしている世界の経済ニュースもグローバル化でしょうか。
テレビをつければ、ニュースキャスター達が人の心を逆撫でする様に、はたまた扇動するかの様に世界を語っている姿に、辟易する思いです。
日本人の静かな、落ち着いた心を取りもどすべき・・・と老婆心ながら憂えてしまいます。

日本ほど自然に恵まれた風土は無いと思うのです。国土の3分の2は森林に覆われ、その伏流水は国民の心を潤し、独特の美しい感性を育ててくれたはずです。
この忙しい空気の中にあって、その事実にちょっとでも、わずかでも目を向けて欲しい・・・と思ってしまいます。
「何かがおかしい・・・!」と思うことは出来ても、変えて行く事はできないのでしょうか。この年になると、生と死は隣り合わせです。ここ10年程の間にたくさんの大切な人を亡くしました。

つい先日も花染を、先生のお人柄で作品で支えて下さった方が西の国に渡ってしまわれました。
あまり突然の出来事で、流す涙に私の心は途方に暮れています。シトシト降り注ぐ雨に悲しさが幾重にも追いかけて来ます。
それでも日常は何もなかった様に過ぎてゆくのです。不思議と言えば不思議です。だからこそ大切な日々を送りたいと思うのです。

話を好転させますね!
先月6/18(土)の第三・土曜市は、古本市と相まって、とてもたくさんの人出でした。土曜市も昨年から数えて1年3か月となりましたが、かつてない賑わいに出店者の方々は売上もよく、皆さんテンションを上げ、喜んで下さいました。
またまた、これはこれでプレッシャーです。7月・8月・9月と、暑い中での開催となりますので、いかにすればお客様が出向いてくださるか、それ相応の企画が必要になります。でも、取りあえず、6月の盛況ぶりに「ホッ」と胸をなでおろしました。

7月・8月・9月は花染の店にとっても暑い日々をお客さまにおいで頂きたい・・・と、何かしら考える日々です。
爽やかにのれんが風に揺れる光景を連想しながら、今、数点染めて頂いています。日本の伝統「絞り」の技法で昔から日本の風土に根付くものです。優しく品よく仕上げたいと思います。

  

いつの頃からか・・・NHK大河ドラマの中の衣装に「絞り」がふんだんに使われる様になりました。
「天地人」、「軍師官兵衛」そして現在進行形の「真田丸」、あらゆる場面で美しい衣装が登場します。
その中でも黒田官兵衛の着用のものが好きでした。(官兵衛の父君のも渋くて品格の高い色柄でした)
あの岡田准一の熱い戦国武将・官兵衛を包んでいた事は印象的で忘れられないものになりました。
秀吉の衣装とおのずと対比させる事となり、それは見事でした。
今も大河ドラマの中で美しく輝いています。そういう目線で画面を見て頂くのも1ツの楽しみ方だと思います。

もう1ツ布のお話しです、ラオスの布の話です。
ラオスの現地の人達の気持ちや技法に寄り添いながら、布のお仕事をしている人と出会わせて頂きました。
綿花は農薬を使用しないで畑で育て、糸を紡ぎ、機を織り、自然の草木の染料で染めるのです。どれ程の時間と手間がかかるのか・・・。途方もない手作業です。
布の販売もしたいと思っているのですが、洋服を作り、生活に根付くものを作ってみたいと思っています。お座布団なども作りたいナァ・・・。

  

ボチボチではありますが、少しずつ花染の店頭にお目見え致します。
手仕事の品々は温かく私達を育んでくれています。思い入れとこだわりは、時代に反して大変な仕事ではありますが、そういう意識は絶えず持ち続けたいと切に願っています。
そして又、この様な手仕事に携わる若い人々が、次世代を担い継承していく日本・・・そして世界になってくれる事を切望しています。

かえるも「ゲロッゲロッ」と、早苗えの中で鳴いています。水無瀬川の上流に乱舞していたホタルは終わってしまいましたが、梅雨の大雨の後は、水の豊かな島本町の山々の緑は息を吹き返したごとく、麗しくしっとりと落ち着いた佇まいになります。

  

何はさておいても、真夏日に向かう体力を蓄え、例年にない・・・と言う暑さを迎え撃ちましょう。
そうそう、赤地健・径さんの赤絵のマグカップ、そして愛らしいお箸置きが届きました。私も、とても気に入っています。

        
2016年(平成28年)6月1日

毎日毎日、新聞にテレビに・・・ありとあらゆる情報が溢れ、目まぐるしく世界が移り変わり、とんでもなく、戸惑いのるつぼの中に居る様な気がします。
今の季節、唯一の救いは、緑豊かな山々を渡って爽やかに吹く風に心も体も癒されます。少々暑い日差しの日中もありますが、まだまだ真夏とは違う心地がします。

長く仕事をさせて頂いていると、心が折れそうになったり、気持ちが苦しくなる時も多々ありますが、日常のささやかな嬉しさで「めげないで立ち上がろう!!」と懸命に歩きます。たった1ツの言葉で励まされ、勇気を頂く事も度々あります。

先日、「殿・利息でござる!」を拝見しましたが、この映画の中にこの解決策がびっしり詰まっていました。「何と言う見事な人間のありようでしょう。」美しい・・・と簡単に言うことをはばかられる程の人間の英知に、何か現代に生かせる方法はないものか・・・とつくづく考えさせられると同時に、一人一人各々が、ちょっとした心意気を持つ事の積み重ねの様な気もして来ました。

「言うは簡単、行うは難し!!」・・・とは、まさしくその通りです。機会があればご覧になると良いと思います。見て欲しいけれど観客のほとんどは、中年以後の人々です。本当は、行き詰まりを抱えている若い人々に見て欲しい・・・と思う作品でした。

話は変わります。
一昨年・昨年に引き続いて、3回目「一箱古本市」が島本町全体で催されます。
6/18(土)~6/19(日) 10時~15時半 雨天決行

若い人々が企画し運営に当たって下さっています。ゆっくりと、しかし確実に島本町に定着して行っている事は、努力以外の何ものでもありません。2日間、町外の人々も街を往来し、田舎の風景が少し新鮮味を帯びるであろう事を念じています。

その頃になると、田植えもすべて終わり、水田に飛び交うつばめの姿も見かける様になり、美しい日本の小さな田舎町が瑞々しい姿に変わります。
もっともっと本格的な自然や野山のある地方の風景とは異なりますが、この街中にあって、わずかに残る自然は格別に貴重な存在だと思うのです。

しかし、島本町も度重なる変遷を繰り返して来ました。20数年前に100%地下水だった水道水が、10%府の水が入る様になり、反対運動をしましたが、それもかなわず・・・それ以後、どんどん宅地開発されて行きました。
企業の含み資産、農地の売却、はたまた、島本町の不動産売却など・・・それぞれ理由があるにしろ、潤いは消えて行きました。

ここ3年の間にさらなる開発に向かうそうです。サントリー研究所跡地に、中・高一貫校が建設され、関電の運動場だった土地は売却されマンションが・・・。そしてサントリー物流倉庫跡地には14階建のマンションが・・・。
最後の砦のJR島本駅山側の農地が、いよいよ具体的な計画に向けて動き始めている・・・との情報に息が詰まる思いです。
それでも唯一救いがあるとすると、山が真近にある事、三川合流(桂川・木津川・宇治川)から淀川に移ってゆく、大きな堤が近場にある事でしょうか?

嘆いてばかりもいられません。それでも自然と共生してゆく道はいっぱいあると思います。やはりそこにも人間の英知は必ず役に立つと信じています。
そうは言いつつ、とても大好きな島本町の風景を掲載したいと思います。

     

うぐいすの「ホーホケキョ」という美しい声を聞き、かえるが「ゲロゲロ」と鳴く島本町が未来に向けて有り続けて欲しいと切に願うばかりです。

それにしても、年々気温は高くなり、今年の夏はさらに暑くなりそうですね。ザルそば・ソーメン・冷麺・・・と日本の夏の食材が活躍し、少しでも涼を求めながら乗り切りたいですね。
花染にも、冷たいお料理用の器(ガラス)・ザル用の国産の盆ザル等、揃えてあります。足をお運び頂けますと嬉しいです。

おそばと言えば、忘れられない舩木先生との思い出がよみがえります。先生は、日本のそばが大好きで、年間を通して召しあがっていらっしゃいました。
ほとんどいつも鴨せいろです。それも大盛りをご注文なさいます。私も先生と食事をご一緒する機会が度々あり、この鴨せいろの美味しさに、すっかりはまってしまいました。今も、ちょっと涙の混じった思い出と共になつかしんでいます。

いつも何かと思いつくままに書いてしまいますが、森羅万象、美しい物や姿にあこがれています。
舩木先生への思いはしっかり心に刻み、先生の作品をそばに置き、「美しい」と言う事がいかがな事かを考えつつ、年を重ねていく事を切望しています。

商店街の「第三・土曜市」も、順調に進行しています。
6月は、古本市と同時開催となりますので、たくさんのお客様がお出かけ下さる・・・と期待しています。

梅雨の季節がもうすぐそこまで来ています。何か雨を楽しめる様、雨ぐつ、雨傘でも買い揃えましょうかネェ~。
これから、あじさいの花も、街のそこかしこで咲き始めます。せめて目を楽しませてやるたいと思います。

2016年(平成28年)5月9日

日本中が心を痛めましたね。連日の悲しい報道に地震国、日本の現実を突きつけられます。
熊本の象徴のような熊本城が落城してゆく様な錯覚に囚われ悲しくなります。これからの日々を、どう過ごしてゆくのか、お辛い心を抱えていらっしゃる事でしょう。
地震国日本・それでも原発は稼働させますか?

お天気も何だか不順ですね。暑い夏日があると思えば、肌寒い日もあり、とてもおかしい。。。と思ってしまいます。
日本列島は美しい新緑に包まれ、今が一番良い季節と言うのに・・・。

4月19日(火)から「西川孝次の吹きガラスの仕事」展をさせて頂きました。素敵なガラス、可愛いガラスが花染の2階いっぱいに並びました。4月は皆様、お忙しい中ですのに、お出かけ頂きまして本当にありがとうございました。
私が「これいいナァ・・・」と思う作品は、店に残し、常設致します。本当はこれからの季節がガラスの本番です。

      

小鉢に冷たいお料理を・・・夏の暑い日に温かい煮物をガラスの器に涼し気に盛り付けるものいいものです。
体に優しい冷たいスープもネ!

連日の様にお客様がご自宅の庭に咲いた大切は花を切ってお持ち下さいました。たくさんの楽しい花いっぱいの展示会をさせて頂きました事に感謝の思いでいっぱいです。重ねてありがとうございました。

          

我が花染の小さな庭も新芽がいっぱいで心癒される日々です。二葉葵・水引き草・山吹き・あまどころ・椿・やぶラン...。雨に濡れる日は、「ボーッ」と眺めてしまいます。日々成長してゆきますが、これから暑い夏に向かって耐えてくれるでしょうか?小さく囲われた空間ですので、蒸れて元気をなくすものもあります。

     

もう一ツ楽しみが増えました。「シダ」をお分け頂いたのです。焼締めのちょっと良い植木鉢に入れ、いまご満悦です。
優しい葉が風に揺れ、何とも風情があります。日本人の心情にぴったりです。

  

それに触発されて、山野草の植木鉢を、とても贅沢に穴窯で佐藤ケイさんに焼いて頂いています。群馬県の榛名山を望む倉渕村の山の中に工房はあります。ひと山超えると軽井沢と言う本当に何もない山の中です。
彼とは店を始めた最初からのおつき合いですので、30数年と言う事になります。二人共、とても若くて、希望に満ちていました。ガップリ四ツに組んで作品を作りました。「こんな釉薬を使いましょう...。こんな形にしましょう...。」とお互いきたんなく相談しながら物作りに励んだ日々でした。お人柄が気さくな事と相まって、陶芸家の中では、だれよりも親しい間柄でした。

窯出しと言う日には、朝一番の新幹線で京都を発ち、東京・高崎を経て山に入ります。まだ今程、東京までの時間が短縮されていない頃でしたが、それでも昼頃には工房に到着。穴窯から出される作品を喜々として選び、夕刻まで緑豊かな自然といっしょに幸せは時間を過ごします。
5時ころには工房を出発しなければいけません。東京最終新幹線に飛び乗り島本まで...と言う、過酷な往来でした。

でも若かったので、それが楽しく、未来への夢で溢れていました。年を重ねると共に、さずがにそれは出来なくなり、高崎で1泊したり、彼の工房近くのひなびた温泉に宿泊したり...と形を変えてゆきました。
それも今では3~4年に1度の割合になっています。東京も大好きなので、東京に1泊、そして山の中の温泉に1泊。その後旅をして3~4日の日程で帰って来る様になっています。
ほとんど新緑の頃にお伺いさせて頂くのですが、命がよみがえる大自然に包まれる数日は、私にとって、かけがえのない仕事を通しての贈り物です。
山菜の天ぷら、燻製窯、陶板で焼いて下さる自然の恵みを新緑あふれる戸外で食する贅沢は何にも変えがたく、お互いの信頼を再確認させて頂く事になります。

1ツの目的を持って進んだ30数年は堅い絆を作り、現在にも到っています。ありがたいですね。
そして彼いわく...山野草もたくさん育てているので植木鉢が出来たらいっしょに送ってあげます...との事です。5月後半には届くと思っています。わくわくした思いで待っています。

佐藤ケイ氏の穴窯とは、古墳時代に使われていた焼成の方法です。効率が悪いので、その後室町時代、朝鮮半島を経て日本に渡って来た登り窯に変わって行くのです。
しかし登り窯では、なし得ない独特の作品を生み出す事を由とし、現在でもこの穴窯を使用する陶芸家もいらっしゃいます。須恵器、灰被り、焼締め...これは無釉です。釉薬をかけた器も作って頂いています。穴窯で焼かれる青白釉の美しい透明感にいつも心惹かれます。
これを書きながら楽しみになって来ました。我が家にある彼の作品を撮ってみました。是非是非5月末頃、花染にお出かけ下さいませ。久しぶりに佐藤ケイ氏の作品が並びます。

      

たくさんの時間をかけ、たくさんの人の手、そして大自然の恵を受けて製作されるものは、私達にうるおいと感動を与えて下さいます。炎との格闘が目に浮かびます。
佐藤ケイさんとは、長年たくさんの思い出と仕事を共有していますので、書きたい事は山程あるのですが、ボチボチにしたいと思います。

第三・土曜市も、おかげ様で大盛況です。出店者の方々、お出かけ下さるお客様にも感謝です。それなりに苦労も沢山ありますが、少しでも活性化の役に立てれば...とめげない心で頑張っています。皆様の支えあっての事です。

     

5月の連休はいかがお過ごしでしょうか。私は通常の営業を致しました。5/1(日)・5/2(月)は花染は定休日ですので、久しぶりに大阪・中の島・東洋磁器美術館へ出かけ「宮川香山」という全然存じ上げなかったすごい人の展覧会を拝見致しました。絶句・・・と言うしかない作品と人となりに驚きの数々を体験しました。

     

5/2(月)は、京都・紫野大徳寺の「狩野探幽・雲龍天井画」が春の一般公開と言うので、出かけました。数百年を一気にもどり龍が躍る姿と歴史の重さを体いっぱいに感じつつ、大徳寺内を気のおもむくまま拝見して回りました。新緑に目もさめるごとく感動した1日でした。

      

そうそう、何時だったか「エベレスト」の映画も見ましたヨ・・・。とても良い作品でした。感動が胸に広がり、その熱い思いに涙し、厳かな気持を抱く事が出来ました。

気候がとても不順です。どうぞお気をつけて下さいませ。北海道は29日(金)は雪だったとの事ですね。
自然と自然災害に向き合う人々に「どうぞ、めげないでください。」お伝えしたいです。
島本町は、今日もうぐいすが「ホーホケキョ!!」と美しい声を奏でています。

2016年(平成28年)4月1日

今日から新年度のスタートですね。以前は4/1はエイプリルフール「4月馬鹿」と言って、この日は嘘をついても良い日とされ、人様にちょっと「いたずら」をしたものです。何をしても可笑しくて、何があっても「キャッ、キャッ・・・。」とお箸が転げても笑いころげていた時代の若き日々です。
この4月1日前後は、毎年、何故かソワソワ・ウキウキしてしまいます。桜の花に魅せられ「しず心なく・・・」心乱れてしまうのです。
そして又、ハラハラ散りゆく花に再び自分の人生を重ね、いにしえの歌人に思いを馳せるのです。
「日本列島はなんと美しい!!」と誇らしい思いでいっぱいになります。桜前線は時速2kmで北上するのだそうですが、今年も又、美しい想いを乗せ、日本人の心を虜にしながら駆け抜けて行くのでしょう。

先月3月6日、大山崎山荘美術館の「「三國荘展」に出かけました。久しぶりに訪れた美術館は、春と言うには少し早い・・・しかし、やぶ椿が最後の花を咲かせ、ひっそりとした佇まいの中でした。

        

ちょっとマニアックな「三國荘展」だったので人影も少なく、トンネルからのプロローグは大好きな美術館への思いを一気に盛り上げてくれました。
この「三國荘」は民藝運動(昭和初期)を育み支えた人達の理想の空間だったのです。この時代の文化人の思想に心奪われ、私も育まれ成長させて頂きました。
この思想に出会わなければ、より深く工芸を知る事も出来なかったし、現在の花染もなかったと思います。
大山崎山荘美術館のそのものの成り立ちは、この「民藝運動」を支えた先人達の作品を展示する美術館であったのです。

加賀正太郎(ニッカウヰスキーの創始者)の別荘であったこの建物は、幾多の変遷を経て、20年前に大山崎山荘美術館として発足しました。
開館は、ついこの間の様に思いますが、20周年との事でした。

  

花染から歩いても40分余り、直線距離にして3km程だと思いますが、木々に囲まれ四季折々違った表情を見せ、自然に溶け込み、しみじみ胸に感動を与えてくれる最良の場所なのです。
舩木倭帆先生も、時折おたずねになる、大好きな美術館でした。この大山崎山荘美術館も今、桜の花で埋めつくされていることでしょう。

  

山荘から眺める三川合流地点(桂川・木津川・宇治川)に「背割りの桜」と称する桜の名所があり、きっと桜をめでる人々で賑わっている事と思います。

3/19(土)「第三・土曜市」は午前中は雨との予報でしたが、開場の頃には雨が上がると判断し、決行しました。一時間程わずかの霧雨に濡れはしましたが、ありがたい事に、空は明るくなり私達も胸を撫で下ろしました。
当日予定の「傘踊り」はとても華やかで明る、かつ元気なご婦人達の踊りに力を借り、楽しい時間でした。

  

高槻ケーブルテレビの撮影も入り、4月に放映して下さるそうです。宣伝効果に期待し、たくさんの人達が来て下さる様になれば、嬉しいです。
私も今回は瀬戸内海・来島海峡のひじき・のりを販売しました。春限定でしかお売り出来ないので、昨年来より皆様にお待ち頂いていましたので・・・
たくさんの方々に支えて頂き、とても協力的な姿勢に頭が下がります。
さっそく土曜市で手に入れた元気な食材で、煮物、スープ等を作ると嬉しくなり、写真を撮り、自慢気に掲載してみました。パセリは冷凍します。手に取るとパラパラを崩れ、すぐに使用出来ます。

       
    

そうそう、「第三・土曜市」に出店して下さっている「たこ焼き屋さん」・・・。
何とも美味なのですヨ。毎回の様に買わせて頂いていますが、いつも行列が出来ます。こんな楽しみはプラスαとして、かけがえのない人様とのつながりです。

     

この年になると、人との繋がりをとても有難い事と感じます。人様に支えられ、助けられ、そして又、何処かで人様の役に立つ事が出来る様に心がける大切さを念頭に置いていたいですね。

先回3/2「日常つれづれ」に島本町は、いい町ですヨ・・・。と書きましたが、10日程前、店へ初めての40代後半くらいの女性が入って来られ、「こんな所に、いい店があるんですね・・・。」とお誉め言葉を頂きましたが、それにも増して嬉しかったのは、「子供が島本の高校にこの春から入学するので、手続きに来たのですが、とてもいい町ですね。引っ越して来たいくらいです!!」とおっしゃって下さったのが何よりの喜びでした。吹田にお住まい・・・との事です。
「入学式に又、来るので、その折に又寄せて頂きます・・・。」と・・・いろいろお話させて頂きました。

花染は大通りから2軒入っているので、初めて島本町へ来られた方には、見つけて頂けなくて、少々辛い折がありますが、「何か感じて引き寄せられたのです・・・。」と時折、ありがたい言葉を頂きます。こうして又、人様とつながっていく事に感謝です。

島本ウォッチング。ぶらり街歩きです。

        

島本町には、いたる所に沢山の桜の木があります。春には見事な花を咲かせ、心地良い風が吹く頃には、緑陰を私達に与え、そして秋には美しく紅葉するのです。
ここ40~50年、街は開発が進み、どんどん大木の桜の木は切られ、消えて行きました。100年単位で育った桜の木がアッという間に切り倒される光景に胸が痛みます。それでも健気に、まだまだ存在感を示します。花が咲く頃になると、山々にも沢山の桜の木があることを知ります。見て欲しい・・・と言わんばかりに咲き誇っています。

水無瀬川の流域の堤は見事な桜並木です。水無瀬駅前の桜も春を告げます。4月1日現在は6分咲きですが、まもなく街全体が薄桜色に染まり、各自治体・子供会はそれぞれ桜の木のもとでお花見を催し、一瞬の春を楽しみます。
4~5日前から、うぐいすが「ちっちっ」とまだまだ幼い鳴き声を奏で、練習の過程でしたが、昨日あたりから「ホーホケキョ!!」と美しい声で春を告げ始めました。数羽が連呼し、これから毎日、この歌声を聞く幸せな日々を過ごします。
ちょっとした街の外れや道端には、タンポポ、かたくりの花、名を知らない小さな可憐な花が咲きます。いいですねェ・・・!
いろいろ書きたい事はあるのですが、しばらくは、嬉しい話・・・限定にしようと思います。

4月19日〔火〕――― 4月23日〔土〕
4月26日〔火〕――― 4月30日〔土〕
『西川孝次氏の吹きガラスの仕事展』をします。彼の展示会は本当に久しぶりです。30年来のおつき合いですが、幾十年経て、尚、彼の作品に心引かれます。
吹きガラスの美しさと、時代に流されない、しっかりとした足どりに改めて敬服致します。
4月の後半になると暖かく陽気にもなると思いますので、是非お出かけ下さいませ。花染の2Fの展示場も変わりましたヨ!!

☆ ゴールデンウイークの休みは通常です。 日・月定休日
☆ 祝日4/29(金) 5/3・4・5(火・水・木)営業いたします。

2016年(平成28年)3月2日

春の太陽の明るさにホッとします。冷たい季節が終わり、やっと温もりを日差しから感じ取る事が出来る様になりました。心より春を待っていました。春の身支度をし、しつらえをすると心まで和みます。

 

   

今、多肉植物にはまっています。センベルなどにもお詳しい人と知り合いました。この方も「第三・土曜市」に出店してくれている人です。私が今まで失敗した育て方を改めさせて頂き、教えてくださっています。愛らしい姿にぞっこんです。これからの季節、大きく育ってゆくそうですので、気を抜かずに、心配りをしてやりたいと思っています。

 

     

植物や自然が日常の中にある暮らしは、とても良いですね。これからの季節、この街は道端に、田畑に、そして山々に自然が溢れます。レンゲやたんぽぽ、名を知らない花も自生し長閑な春を迎えます。
ポカポカと日差しが降り注ぐ中を「ぶらり・ぶらり」と散歩するのも田舎道ならではの楽しみです。
それでいて京都へも大阪へも便利・・・と、素晴らしいでしょう!
島本町の自然や景色をこのページに載せてみようかな・・・と思っているのですが・・・。次回から心の赴くまま写真を撮るべくぶらりと町歩きをしてみることに致します。

お若いご夫婦、お子様づれの人々も多く入って来ています。お店へ来て下さったお客様が新しく引っ越して来た・・・との話は、とても嬉しいです。人口は3万人前後ですが、一応不自由なく日常生活は成り立ちます。お年を召して、無機質で騒々しい暮らしがしんどくなり、そうかと言って田舎暮らしも大変だし・・・と思っている方は、是非、島本町にお住まい下さいませ。ご年配の方々にも、子育て世代のお若い層にも優しい町です。

私達の「第三・土曜市」も島本町の特性を生かし、地場の野菜を是非販売したい・・・と熱望していたのですが、やっと地元の新鮮な四季折々の野菜や果物を出店してくださる方が見つかりました。3/19(土)から農家が3軒になります。土曜市の進化の為には欠かせない存在になってくれると期待しています。

私も今年は例年になく、とても沢山の切り干し大根を作りました。年明け1月は暖かい日が続き、野菜が一気に成長してしまった・・・と言う事で、大根・水菜・ねぎ・白菜の冬野菜を大量に頂き、無駄にしたくないので、せっせと料理に励みました。切り干し大根は、冷凍して保存します。それを少量ずつ取り出し水にもどし、お出汁で薄味に煮ます。自然の風味にお日様の力が加わって香もお味も特級に仕上がります。私は少しコリコリと歯ごたえがあるのが好きなので、煮過ぎない様に気を付けますが、これから少しずつ冷凍保存から出して楽しめるのですよ。我家の器に入れてみました。柴田さんの飴釉の楕円鉢です。

 

   

この器は20年くらい我家で重宝に使っていますが、いつもその使い心地に感心させられています。
いろいろの白和え・きんぴらごぼう・白菜や小松菜の煮びたし・ひじきの煮物そして切り干し大根・・・等々、数え上げればきりがなく、大活躍しています。食器棚の中でも、取り出しやすい所に置き、ついつい手が伸び大切にしています。

花染に現在置いてある柴田さんの器の中で今回この楕円鉢の作品を数点写真に撮りました、スリップウェアーの作品です。

 

 

日々の料理は家族にとっても、自分にとっても大切ですが、お気に入りの器の数々は、暮らしにうるおいと楽しみを与えてくれる事を実感致します。
花染のお客様の中には、料理も器も達人の方々がたくさんいらっしゃるので、料理のコツなど教えて頂き、こんな話で盛り上がる日も、仕事上の楽しみの1ツです。

話はまったく変わりますが、今、空前のネコブームと言われています。「ブーム」という文言は嫌いですが、時折、HNK BSプレミアムの「ねこ歩き」をボーッと見ることがあります。ねこの目線がのどかで気持ちがなごみます。
私にも幼い頃の猫との思い出があります。
小学校に入った頃、我家にフラリと迷い込んで来た子猫がすっかりなつき、そのまま私にとって無くてはならない存在になって行きました。ひよこ・かめ・金魚・セキセイインコ・うさぎ等々、何かしら小動物を飼いましたが、この猫は特別でした。
可愛がって、可愛がって、溺愛し、たわむれ、いつもいっしょでした。学校から帰ると、ころげる様に猫も、どこからともなくご帰還し、私と話をする毎日でした。
子供も何度か産みました。この子猫が、又可愛いのです。手離すのは、辛くはありましたが、もらってくれる友達を見つけては育てて頂きました。
ある日、私の愛する猫が居なくなってしまったのです。
両親はいつも「猫を誰かにもらって頂きなさい・・・。」と私に言っていました。時々、ご近所にご迷惑をかけるからです。どんなに説得されても手離しませんでした。
中学に入学した頃、父と二人で香川の金毘羅さんに旅をして帰ると、姿を消していたのです。「おまえの留守に出て行ってしまった・・・。」と言うのです。あれほど可愛がっていたのに・・・とかなりショックでしたが、毎日の暮らしに時々思い出しはするものの、あきらめてしまいました。幾十年、時が流れど忘れられない私の猫でした。

そして最近・・・といっても十年程前、両親がまだ健在の頃、私が里に帰った折、父がひょっこり「あの時、猫は捨てたんだ・・・。」と思いがけずポツリとつぶやいたのです。
父の言葉に我が耳を疑いました。40幾年を経て明らかになった事実に、平常心が保ませんでした。
家族の皆が知っていた・・・と。とっさに理解しましたが、それならそれで終生隠して欲しかった!! 父も、私への悔恨の気持ちもあったのでしょう。私の猫が可愛そうで、今も残る心の痛手です。

その父母も今では西の岸に渡ってしまいました。猫のことと言うと全ての話がこれにつきるのです。
「本当に可愛がっていたのですから!」 人様にとっては、つまらない話ですが、私には大事な人生の一片なのです。その可愛い私の猫の名前は「ねこちゃん」でした。甘く切ない、ちょっと感傷的な話です。

4月には久しぶりに西川孝次さんの「吹きガラス展」をしたいと思っています。彼が今、一生懸命制作して下さっています。普段、花染に置いていないたくさんの作品が春の光の中で並びます。30年近い彼とのおつき合いを大切に、私もがんばりたいと思っています。

明日はひなまつりです。いろいろの思い出とともに春を迎えます。
梅の花も咲きそろい、そろそろ桃の花の便りも聞かれるようになりました。明るい陽射しの中、外に出て春の光を満喫いたしましょう。

   
 2016年(平成28年)2月1日

この冬は暖かくて楽だナァ...と思いきや、突然日本列島が寒波に襲われ、それも例年にない...と報道されています。奄美大島で百数年ぶりの雪!沖縄では初めての雪、に皆な驚いたことでしょう。
関西、この近畿圏は、たいした雪は降らなかったのですが、私達も急な寒さ、風の冷たさに身を凍えさせました。
晴れた日の日差しは、明らかに春めいていますが、まだしばらく、こうした寒暖を繰り返すのでしょうね。
我が店のめだかも、暖かかった年初めは、例年になく水面に上がったりしていましたが、又、今は冬眠です。うろうろしています。

年をとると、何か明るいものに心ひかれます。どちらかと言うと土味の豊かな器が好きだったのですが、最近、磁器の作品も心なしか店に増えて来ました。
その中でも、昨秋からおつき合いが始まった金沢の赤地健氏の色絵が目を引きます。愛らしい器の中の小動物や自然に心が温まります。

   

渋い器でコーディネートした食卓に花を添えてくれるのです。

温かい話がもう1ツ...ミーハーのお話しに心がゆるみます。NHK朝のドラマに花染のお客様達と一緒になってはまっています。
五代友厚を演じるディーン・フジオカ氏の話でもちきりです。
「澄んだ目に吸い込まれる!笑顔が爽やか!端正はお顔!」と...うるさい事です。朝から顔をゆるめて楽しみに見入っていましたのに、22日放送を最後に五代さん亡くなってしまいました。
想像をはるかに超える寂しさです。でも、それは私達だけではなかったのでしょう。1/24の新聞に下の様な記事が掲載されていました。

大阪では、これをきっかけに五代友厚・広岡浅子氏の偉大さを知り、大阪株式取引所(現・大阪商工会議所)などゆかりのものを見学する人が増えたとの事です。
時折、私用で中之島あたり、北浜に行くと商人や実業家の人々の過去のすごい業績に出会い、感動することがあります。
偉大な人々の足跡をあまり学ぶ事なく、多くを知らないで来ています。
近代史の中で登場する政治家や実業家は、何となく学校で学んだり、折々知る機会もありますが、大阪の経済界・文化の大きさを、全国バージョンで感じる事も少なかった様に思います。
生粋の大阪人は、いにしえの経済人や文化の偉大さは、良くごぞんじの事だとは思うのですが...。 

この島本町に暮らす様になって、約40年になりますが、ここは大阪府の北のはずれ、20分も歩くと京都府という境目に位置する関係もあり、大阪市内のことはほとんど知識として無いのです。
島本町そのものも、大昔は後鳥羽上皇の狩場だった事や、文化、人の流通なども京都との関係の方が強かったと思います。
大阪が、日本第二の都市と言われながら、近年の事しか知らなくて、特に最近は「大阪のおばちゃん」「お笑い芸人」「ひったくり事件全国ワースト1」と悪名ばかりが表立って、自信を無くしているのだと思います。

大阪の素晴らしさを、この五代友厚・広岡浅子氏をお手本にしながら、もっともっと日本中にエールを送ってほしい...朝ドラ「あさが来た!」に託す思いです。
それと共に、このドラマで生きている世界が超アナログの美しさです、まだまだ日本人の心情や生活が麗しく息づいている事も、とても羨ましく思いながら毎朝見ています。
現代の日本が忘れている、そして当然、日本人がDNAの中に持っている世界に冠たる日本が存在しています。

話は飛びますが、電車など乗り物に乗っていると、ほんの希に素敵は80才代くらいの品の良い方をお見かけすることが事があります。
私達も年を重ねる事で、自分の立ち居振舞いは、それを目ざし、そうありたいと願っています。
五代友厚氏が、いくつで亡くなったのか知らないのですが、薩摩藩の武士であった実業家は、きっとこうあったのだと凛々しい姿から思いを馳せるのです。
お二人に関する本がたくさん出版されている様子ですので、読んでみないといけませんね。

今回の「日常つれづれ」はさりげなく流してしまおうと思っていたのですが、とても気になった番組があり、その事が胸に引っ掛かっています。
先週1/24(日)NHKスペシャル「新・映像の世紀」の中に刻まれた、深い人間が持つ悪を忘れる事が出来ません。

   

すでにこのシリーズは3~4回だと思うのですが、写し出される映像と事実に、深い憤りを憶えるのです。私達がどうする事も出来ないけれど、世界の近代史をもう少し学ぶ機会を人類に与えてほしいとさえ思ったのです。今、世界に蔓延する「にくしみ」の連鎖がどうして起こったのか、そして驚くべき憎悪にまみれた映像を映し出していました。
「そうだったのか」と...知らなかった事実に驚愕した1時間でした。

「地球は人類は滅びる!」そんな嘆きを持つ番組です。まだまだひき続き制作されるでしょうし、また、再放送、再々放送して頂きたい番組です。

何だか最後は憤る気持ちで終わりたいのですが...。
ただ、人間は悪しくもあり、善くもある事も忘れないで日々を過ごしたいです。

天候もおかしいし、人間も何もかもおかしい!!
1/17(日)京都高島屋で追悼展「山崎豊子展」を拝見し、彼女が世の不条理をまっすぐ追求し続けた、使命感とエネルギーに今さらながら深い感銘を受け立ちつくす思いでした。
「世の不条理に対して、怒りを持ちましょう!」その気持ちで、つれづれは終わります。

でも花染には可愛いチューリップも咲いています。
2/3は節分、2/4は立春、おひな祭りも近いです。「春よ来い!早く来い!」

 2016年(平成28年)1月11日

新しい年になりました。今年はお天気が良かったので、毎朝美しい日の出を見る事が出来、神々しく光を放つ太陽をついつい拝みたくなりました。
春の様な三が日でした。2日に初詣をしたのですが、3月下旬の暖かさ...との報道にびっくりです。
毎年京都六波羅蜜寺なのですが、今年は初めて石清水八幡宮へお詣りをさせて頂きました。島本町の対岸、
川向こうにあるにもかかわらず、川向こうは近くて遠い場所なのです。昔は、山崎に舟着き場があり、向こう岸へ渡し舟が出ていたとのことです。八幡宮はたくさんの初詣の人で溢れていましたが、それなりにスムーズに運び、八幡御神矢を求め、神楽舞で巫女さんに清めて頂き、お詣りをすませました。

石清水八幡宮は昨年10月、国宝指定を受け、一気に関心が高まったのでしょうか。人出に拍車をかけたのかも知れません。
成り立ちは平安時代にさかのぼり、信長により社殿修復、秀吉の廻廊再建、秀頼による社殿再建、そして徳川家光により造営...と。
八幡造で同形式の中では、現存最古で最大規模であり、古代に成立した荘厳な社殿形式を保持しつつ、近代的な装飾を兼備した完成度の高い近世神社建築として極めて高い価値を持つという事が認められ国宝指定となったとの事です。
社殿は壮大で美しく、巫女さんが舞う姿も美しく、日本の持つ独特の形式美を改めて発見した初詣でした。

プラプラと過ごしていた3日の朝、NHKで偶然出くわしてしまった番組に釘付けでした。
「奇跡の色 備前・森陶岳・巨大窯に挑む」に見入ってしまいました。

10数年前、日曜美術館で放映された大窯に感動し、数十年かけて80mの窯を築くお話しがありました。
忘れかけていたその話がよみがえり、すさまじい修行僧のような風貌・生き方にのめり込んでしまいました。

室町時代から続く名門の窯元に生まれ、炎を見るのが大好きは子供だったとの事です。25才から始めた初期の作品は、これまでの備前にはなかった斬新なもので、奇才と評価も高かったにもかかわらず、400年前の古備前に出会い、探求が始まり、遺跡に答えを求めたそうです。

昔の古備前は全長50mの窯で焼かれた事を参考に、自ら図面をおこし46mの大窯を築いたのは36才の時です。
私が持っている彼の作品集は、1999年に出版され、その同じ頃、大きな展示会が開かれ、私も大きな展示会場で自分が高揚してゆくのを感じました。

今回の番組はそれ以後の壮大な彼のあくなき挑戦の現場を写し出していました。
30年の歳月をかけて作り上げた全長85mを超える巨大窯、地上類を見ない桁外れのスケールでした。もちろん古備前の大窯をはるかにこえる、誰もいどんだ事のない巨大窯での挑戦でした。昨年1月4日に火入れをし、3ヶ月以上つづく窯だき、3ヶ月は一時たりとも火を絶やす事は出来ない、古備前に追いつき、そしてそれを超えると言う野望です。
半歩でも一歩でも超えていかなければならない、そして自分なりの進化を加えたい...。
あくなき探求心は、まるで修行僧の姿でした。焼成中3ヶ月の苦闘は、手に汗を握る炎との戦いでした。
3ヶ月と2週間、すべての窯だきの作業を終え、ゆっくりと3ヶ月間焼き締められた器が自然にさめるのを待つ...
不安な要素がどんどん積もってゆく、苦行にも近いものがあるのではないかと思います。

窯出しは、その現場にいると、すごい感動だと思います。
まず、大きな甕(かめ)が取り出される。古備前を越える五石大甕です。

白い焼物...陶岳さんが静かに「綿菓子みたいな焼物じゃ!」と口をついて出る言葉にただものではない焼成を知りました。
「人の力で人工的に小細工したというものではなく、自然に生まれ出たというエネルギーは、バケモノみたいな力が尋常なものとは思えない」とおっしゃるその姿は、映像で見る限り、穏やかなそして熱い思いがみなぎっていました

27年10月、巨大窯からすべての器が取り出され、静かに窯の中を歩く姿に魅せられました。そしてもっと魅せられた言葉は、「もうすでに次に気持ちは移って行かなければいけない。発信したいと思うものがどう言うものか分からないが、命ある限り見てみたい!」と巨大窯がもたらす過酷な試練を超えようとする姿でした。

長々と書いてしまいましたが、私が尊敬してやまない「森 陶岳」を知っていただきたいと言う思う一念です。

新年早々、書きたいことはいっぱいあったのですが、ちょっとはしょります。

熱い話を2ツ!!
1ツは、「山崎豊子展」の話です。彼女の3回忌を迎えた今、京都高島屋で追悼展が開かれています。
1/6(水)~1/18(月)までです。まだ拝見に行けていないのですが、彼女の人生を感じ取りに行きたいと思っています。

もう1ツ。1/4の新聞全面広告「いま求められているのは海賊のような男」を見つけました。
岡田准一主演の「海賊と呼ばれた男」の映画の話でした。楽しみが1ツ増えた思いです。

新聞を見ていると本欄もですが、広告の部分にも、生き方、考え方のヒントを得る事が多々あります。
活字は何でもすごい力を持っていると実感致します。

11日は成人の日。そして鏡開きです。あずきを煮ておぜんざいを作りましょう。あつあつのお餅といっしょにお正月も終わりですね。
折々の日本行事は、心も体も温めてくれますし、次の世代の子供達にも伝えていきたいですね。
店内は椿の花を舩木先生の花入れに挿し、菜の花を武内氏のピッチャーに生け、早くも春を待つ気分です。

椿の花名は「玉の浦」、何と趣のある名称でしょう。道々には、そこはかとなく?梅の花の香が漂っています。日本っていいですね。

そして商店街の「第三・土曜市」今年初回が16日(土)です。
たくさんの手づくりの出店の方々と、たくさんのイベントを企画しています。
淀川のよしで作ったよし笛の演奏は、日本の心が体の隅々まで入り込む様なしみじみとした音色です。子供達が寒い中演奏してくれます。何か温かい飲み物をご用意しておきます。
たい焼き、たこ焼き、唐あげ、そして今回初参加―――メンタイボールのフライ(サクサクあっさり軽い食感だそうです)、地場の無農薬野菜の農家など、「食」のイベントもめじろおしです。

そうそう...子供の楽しい遊び場も作りますよ!!
お出かけ頂いたお客様を十分持てなすに足る企画ですのでお寒い中ですが、楽しんでくださいませ。

今年も、めげない心で熱く進化出来れば嬉しいです。
そして1人でも多くに人達に、今ある自然と共生する日々を、又、手仕事の大切さを知り守って行ける暮らしを続けて欲しいと願いながら、又一年がんばりたいと思っています。

花染はいつも暖かくした店内と心でお待ち申し上げております。是非、お遊びにお出かけくださいませ。
お風邪などにもお気を付けてお過ごし下さい。

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